2025/04/11 のログ
ご案内:「訓練施設」に武知 一実さんが現れました。
武知 一実 >  
「―――ったく」

訓練施設の一室、特に使われた後もないその部屋から、オレは外の様子を窺う。

「……どうにか、撒いたか」

実のところついさっきまで追われていたんだが、訓練施設内を駆け回って隠れ回って、どうにか振り切ったらしい。
こんなつもりじゃなかったんだが、どうしてこうなった……

……ちょっと反省も兼ねて振り返ってみるか。

武知 一実 >  
発端はここから少し離れた、とある剣術道場の稽古を行ってる部屋でのことだ。
極々偶に外で喧嘩した相手を門下に勧誘するというスカウト紛いの事をしている俺だが、誘うだけ誘ってあとは人任せってのもバツが悪い。
……そんなわけで、時々は稽古に顔だけだして様子を見たり稽古を冷やかしたりしてたわけなんだが、
今日はちょっと前に大分ボコボコにして放り込んだ不良連中が手合わせを申し込んで来た。
正式な門下じゃないし、そもそも剣士じゃないオレとしては御免被りたかったわけだが、あまりにもしつこかったので一本だけ、という条件で受けて立った。

―――今思えば、そこで断固拒否しときゃ良かったんだ。

武知 一実 >  
「一人を倒したら次から次にとホントにあの流派は……」

―――元々疑問だったんだろう。
門下でも剣士でもない喧嘩屋が何するでもなく道場を訪れては冷やかして帰るのが。
中には面白く思わない奴も居てもおかしくはない。
そんな中で、腕前を見る機会があって、短期間とは言え正式に稽古を積んだ奴から難無く一本持ってったら。

「……まあ、試合()ってみたくなる気持ちも分からんでもねえが……」

……せめて木剣の一本でも使っておけばよかったか。