2025/06/06 のログ
睦月 ルメル >  
「新しいもどきができちゃったら、着せておこうかしら?」

 ドレスを見遣り、何気は無しに思い付きを口にする。
 着せて飾っておくのも良さそう、と考えたのだろう。

「そう言うものなのね。
 確かに言われてみれば、人間さんってそんな印象 」

 食もうとする口から指を離し、おあずけのようにかわす。

「とりあえず……一旦スタッフを呼んでくるわね。
 砕くのももったいないし……引き上げて運んでもらいましょ。」

 氷の衣装は魔法的にも補強されているもの。
 溶かすにも砕くにも時間が掛かる。

「……あれ? これってどうやって終了させるのかしら……。」
 
 起動したのは小鳥遊先生でルメルではない。
 危険はないとはいえ、救助が来るのはすったもんだの後になりそうだ──。
 

小鳥遊 日和 > 「人間の言葉には”心は形を求め、形は心をすすめる”というのがあります。
 つまり、外見はその人をその外見に見合ったように変えるということですね。
 …こんなに素敵な衣装を着せられたら、きっとそのもどきは…。
 ずっと一緒にいることが無上の幸福になってしまうとおもいますよ?」

冷たくも美しい氷のウェディングドレス。 これが氷であろうとそうでなかろうと、
人魚もどきが身につけたら…きっと”主”に侍らずにはいられないだろう。
それほどの素敵な代物だ。
自分で説明しながらちょっぴり恥ずかしくなってしまったせいで、
彼女の指を甘噛しそこねる。 納得するルメルさんの言葉に、目で頷いてみせた。

「はい、よろしくお願いします。 運んで…そうですよね、コレじゃ動けないですし。」展示物みたいな扱いだ。ちょっとおもしろいし、なんだかドキドキする。
そんな気持ちも、次のルメルさんの言葉であっという間に焦りに変わったのだった。

「あっ、それはですね、ええと…真ん中のコンソールから環境設定のパネルを、
 ああいえ、そこではなくて……あっ、あっ、波―――」
結局なんだかんだで彼女が魔術について触れられたので、授業としては大正解であった。

ご案内:「演習施設:水辺」から睦月 ルメルさんが去りました。
ご案内:「演習施設:水辺」から小鳥遊 日和さんが去りました。