2025/09/10 のログ
ご案内:「演習施設」に先生 手紙さんが現れました。
■先生 手紙 >
――ヴン。空間のテクスチャが変更される。
実像を持たずに再現されたのは『常世渋谷』。
実時間と同じ真夜中の仮想空間。
「……ヨシ。しかし再現度エグいな……」
シチュエーションをセットし終えて端末を懐にしまうのは、ヒラついた私服の青年。
なお、寮はとっくに消灯時間を過ぎている。
そこかしこに人工の光の灯る街中のイミテーション。現実と違うのはそれらに触れられないことと、「ヒト」が存在しないことだ。
――こんな夜中に鍛錬などと。同室に見られでもしたら目も当てられない。
■先生 手紙 >
そして――――演習は開始された。
音もなく各所に浮かび上がる光の玉――的。それらを消す、ということが男の鍛錬らしい。
横目、路地裏。灯った光に一瞥を送る。視認では大した『異能』は発揮されない。が、光は2秒ほどで消えた。
次は自身の居る大通りに点在する的。数にして8。視認で1、指先での指向性で音もなく消し去っていく。
(……4、5……遠い、)駆ける――射程に入れての6。抜き去って直接手を触れて7――
懐から抜くのは拳銃型の『デバイス』――発動する単一系統の基礎魔術。衝撃に分類されるソレを一発撃ち込んで、最後の一つだけは弾けるように消え去った。
■先生 手紙 >
一拍置いて、次のWAVEに入る。
今度は360°を囲まれた状態。
懐から二挺目の拳銃を取り出す。こちらはデバイスではなく支給品(カスタム)の本物だ。弾は演習に合わせて非物質の、的である光と同じモノが撃ち出されるようになっている。
正面視認。光が消えるより早く、交差した両手が引き金を引きながら開いていく。
そしてバックステップからの軽い跳躍。後ろ回し蹴りでもう半分の排除にかかる。
――――制圧に欠けた時間は4秒ジャスト。
「……ま。無抵抗ならこんなモンでしょ」
ふ、と短く息を吐いた。
■先生 手紙 >
――ヴン。
演習用の映像が切れ、殺風景な空間へと戻る。
「ン……まァ、鈍っちゃあいないってところかな」
こき、と首を鳴らして装備を仕舞う。それから両手の指をパキパキと鳴らしーの。
ご案内:「演習施設」から先生 手紙さんが去りました。