2024/08/10 のログ
ご案内:「【期間限定】常世大ホール 常世島関係物故者慰霊祭 会場」に鞘師華奈さんが現れました。
鞘師華奈 > 常世島関係物故者慰霊祭――その会場になっている常世大ホールに、何時ものスーツ姿で一人の女が訪れる。

スタッフの方々に小さく会釈をして挨拶をしながら、片手に花束を携えて慰霊碑の前に足を運ぶ。

「………。」

静かに献花をしながら、軽く手を合わせて瞑目する。…その表情は物静かだが何かを堪えるようにも見えて。

鞘師華奈 > 「……父さん、母さん…私も来年で20歳になるよ。…10年経過しても、ちっとも私の弱い所は直ってないけど。」

10年前に異邦人街の一角で起きた大規模な放火事件――通称【不死鳥事件】。
未だに犯人も動機も不明の未解決事件の一つ。その犠牲者の中に女の両親も含まれていた。

「―――何年掛かっても…必ず二人の無念は私が晴らすよ。」

それが、亡き両親に送るせめてもの親孝行だと思っている。

鞘師華奈 > 「…まぁ、ちょっと色々あって不良娘になったり怠惰になったりしてたけどさ…。」

落第街で違反組織に属したり、一度死んだり、3年くらい怠惰な学生して、今は公安委員会の端くれ。
波乱万丈、と評するには浅いかもしれないがそれなりに激動の10年近くの歳月。

(…どうやら私は一度死んじゃったみたいだから、そこは親不孝過ぎて申し訳ないけど。
…でも、今度こそちゃんと”生きる”から安心して欲しい。)

そう、心の中で呟くように亡き両親への報告を済ませれば、静かに慰霊碑の前から離れる。
会場は、既に今日の慰霊祭は終わったようで静かなものだが…自分のように疎らに献花に訪れる者も居る。

鞘師華奈 > 「………。」

知り合いが居る訳でもないし、長居する場所でもない。
他に献花に訪れる人達の姿を一瞥する。

そこから、慰霊碑に視線を戻して軽く黙礼をしてからスーツ姿の女は会場を立ち去るだろう。

ご案内:「【期間限定】常世大ホール 常世島関係物故者慰霊祭 会場」から鞘師華奈さんが去りました。