未開拓地区の半分以上を占める未開拓の荒野が「転移荒野」である。
何故転移荒野と呼ばれるかというと、異世界から様々なモノが転移してくる荒野だからである。
基本的に荒野が広がるものの、異世界の遺跡や建造物、草原や湖なども点在する。
世界の変容後、この区域の時空が不安定になり、異世界の魔物・怪異などが現れるようになった。そのため危険な区域である。なお世界中にこのようなスポットがいくつか確認されている。
異世界の研究のために残しておきたいという思いがあり、常世財団側は開拓に積極的でないようである。
住民の出入りは禁止されていないものの、現在は学園の直接管理する場所ではないため、中で何が起こっても自己責任となる。
ただ、そのかわり異能や魔術などの使用は全面的に認められている。訓練のためにやってくる生徒もいるという。
参加者(0):ROM(1)
Time:02:14:52 更新
ご案内:「転移荒野」から【鎖蛇】さんが去りました。
■【鎖蛇】 > 取り敢えず、そうと決めたらこの場を離れるべきだ。
どさくさで【門】の出現とか別のモンスターと遭遇とかも面倒だし。
後日、報告によりその見えない怪物は一応記録が作られた。
【特異性怪異個体】№09――【不可視猟域】と。
■【鎖蛇】 > (透明で怪力、動きも俊敏かぁ…これがユニークモンスターかは分からんけど、多分コイツ――)
…ん?と目を細める。死線がパッタリと見えない。
素早く全方位を確認しても…だ。おかしい。
警戒しつつ、鎖を円形に展開して全方位への迎撃対応。
さて、何処から来るか――と、構えたまま5分…10分…。
(――え?もしかして……逃げた?)
こっちが不利だったのに?と、思いつつもう数分様子見。
何もリアクションが無いし、矢張り死線も見えない。
ややあってから、ハァ…と、仮面越しに吐息を漏らしてから鎖を収めた。
『――逃げられたか…案外あっさりだったな。』
まるで様子見とちょっかいだけ掛けに現れたみたいな――…いや、まさか目的はソレか?
(…こっちの出方を伺いつつ、対処能力とか動きを確認したのか?知性もあるタイプかよ)
うわぁ、厄介そう…と、思いつつ周囲を改めて確認するが死線は見えず。溜息と共に瞳を閉じて。
『―――このまま闇雲に探し回っても徒労だな…。』
一度、報告をしてからあっちに戻ろう。そろそろこの服装とか暑苦しくなってきたので。
■【鎖蛇】 > そもそも、”彼”は戦闘能力はそこまで高くはない。
少なくとも、他のとんでも兄さんや姉さんみたいな強力な力も性能も無い。
(――かといって『無貌』の残滓を借りるのは俺のなけなしの意地的に絶対お断りだし。)
軽く両手を振れば、左右のコートの袖口から5本ずつ…計10本の銀色の鎖が飛び出す。
どれもこれも先端が鋭いフックのようになっている。そして伸縮自在で頑丈さもそれなり。
…魔導具【無限銀鎖】。少年が愛用する道具だ。他に武器らしい武器は…”あんまり”無い。
『――追撃はしてこない…慎重だな…。』
仮面の奥、瞳は開きっぱなしで”死線”を探る。――左、反応を捉えて上半身を反らせてギリギリ回避。
真上を何か掠めて通り過ぎるのを察知しながら、バク転をして距離を取りつつ。
右手を振るって鎖を伸ばす――ハズレ、ハズレ、ハズレ、ハズレ―ー当たり。
(――ビンゴ!1本だけだけど引っ掛か―――…ちょっ!?)
いきなり、鎖ごと引っ張られて黒ずくめが宙を舞う。
そのまま、地面に叩き付けられそうになるが鎖をとっさに外して身を捻りつつ着地。
『―――怪力もある…と。』
■【鎖蛇】 > そもそも、こんな格好をして転移荒野を単独で彷徨ってるのはただの変質者でしかないと思う。
(――そもそも、この格好は”アレ”を髣髴とさせるから苦手なんだよなぁ)
わざわざ【鎖蛇】とかコードネーム付けたり、上の奴ら変にノリノリなんじゃねぇかなこれ。
『――実態調査はまだしも…討伐にサンプル採取は中々無理難題だな…。』
緩やかに歩き出す。この場に突っ立っていても仕事にならないから。しかし、大まかな座標だとこの辺りだ。
しかし、見渡せど荒野の景色――特に何も無いし何も見えない。……見えない?
(――――もしかして。)
仮面越しに目を開いて異能を発動。――こっちは違う、こっちも違う…こっち――…
『――――!!』
死線を捉えた。反射的に横っ飛びで回避――右肩辺りを何かが掠めた。危ない。
(…おいおい、透明化してるパターンかよ…危なかった!)
■【鎖蛇】 > 『――人使いが荒いのは何時もの事だが…人選は何とかならんものか…。』
変声機越しの呟きは、淡々とした機械音声じみたもの。性別の特定も難しい程度には調整済み。
(っていうか、こういうのこそ【化外殺し】がめっちゃ適任でしょーが!よりによって俺かい!!)
態度だけはクールで落ち着いたまま、内心では思わず指令を出した輩に突っ込みを入れていた。
そもそも、大まかな座標だけ受け取ったけど具体的な場所はほぼ不明。モンスターの詳細も不明。
『――投げやりに過ぎないだろうか。…ストライキをしたくなるな』
■【鎖蛇】 > 転移荒野の一角――だだっ広くて何も無い…荒野の風景が広がる空間だ。
ここは色々と”捩じれて”いて、【門】もランダムに出現するから景色はあまり”当てにならない”が。
『―――……。』
そんな転移荒野に、黒ずくめの姿に目深にフードを被り、白い仮面をした人影が一つ在った。
…正直、この格好は動き難いし暑苦しいがしょうがない。一応お仕事なので。
『……【特異性怪異個体】の実際調査…及び可能なら討伐、サンプル採取。』
…風紀がやる仕事だっただろうかこれ?いや、仕事かもしれないが適任ではない気がする。
そもそも、いちいち正体を隠してこの格好で対処しなければいけないのが面倒である。
(…変声機あるとはいえ、何時もと喋り方と態度も変えないといけないのがなぁ)
そう、外見は誤魔化せても中身は何時もの”彼”のまんまである。
ご案内:「転移荒野」に【鎖蛇】さんが現れました。
ご案内:「転移荒野」から『流れ』さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」からメルイエルさんが去りました。
■『流れ』 > 「……ああ、そうだな。」
(でも……)
「その筆は。」
「大事なモノなんだろう……?」
(そういうもの、一つはあるんなら。)
(やっぱりこいつも、楽しい、って感情はあるんじゃないだろうか)
酷く、酷く哀れに感じてしまう。
クズはクズだが、それはそれとして、
人情がないわけではない。
人を騙して受益するより、人に益して受益する方が得だという事を知っている。
なんだか、この少女がとても哀れに思えて仕方ない。
若しくは、自分の楽しみを求める性質を否定されたくなくてムキになっていただけなのかもしれない。
「異世界からのブツや化け物が湧いてくることもある、気を付けてくれ。」
彼女が
楽しみを知らぬ
化け物ではないと、良いのだけれど…
そう思って、二人して転移荒野から部室へ移っていくのだった。
道中で落とし物を拾ったり、異界からの異物でも見ながら、
緩やかに学園地区に踏み入り、こっそりと部室に招き入れる事だろう…
■メルイエル >
「いきなりごちゃごちゃとどうした?ほら、さっさと案内をしてくれ。」
ブツブツと独り言が激しいが、まぁそういうたちなのだろう
それよりもコンピューター
話しの通りならあのスマホよりも便利な物らしい
「あぁ、異世界なのだからその呼び方で仕方ない。
私から言えばお前の名前が短すぎるのだ。
部室の後?
……その時の状況次第だな、先ずは部室とコンピューターだ。」
ここで過ごすためにも、そして未知の為にも最優先はそれ
失った鞄の中身はまだあるが、筆さえ戻ってきたのならそれで良い
人間の流れの案内に従って、荒野を進んでいくのだった
■『流れ』 > 「い、いや…人間というか……なんだそれは……」
「何のために生きているんだ…ッ?!」
「いや…そうではない。そうではないだろう……」
達観している。
だがその達観はなんとつまらないのだろうか。
うわごとのように、否定する言葉を零す。
「こんな生き方をしている生き物があるのか…?!」
「悠久の時での暇つぶし……だと…」
もし自分がそうだったと思ったら、恐ろしくなる。
楽しくない生き方をするならば。
死んだほうがましだ。
「ああ、そう…だな……」
(本質的に、違う…。)
だが男にとって目の前の存在は非常に信じられないものだった。
いっそ哀れにすら思えた。
どんな種族でも人格はあって、少なからず自身の楽しみの為にとあれこれするものであろうに。
楽しくない悠久を過ごしている…
…そんなものが幸福なはずないだろう…
「約束は守るよ。ええと、メルイエルで良いのか…?何か長いけど…」
「そうだ。あとさ。」
「折角だから、部室行った後、そのうち連れて行きたい場所があるんだが……」
「筆の礼にでも、付き合ってくれよ。」
けれども、応じてくれたのは、事実。
男は妙に面倒見がよく律儀である。
■メルイエル >
「楽しいか、か…まぁそんな事人間のお前には関係あるまい。
悠久の時の中での暇つぶしの連続、面白い事も有ればつまらない事もまた有るだろう。」
生を終えるまでの暇潰し
それに耐えられない物はエルフ独特の病にかかり死んでいく
ただそれだけの事
「私が不快に思うもの全てだ。
ふぅん…側が人間に似ている別物と言う訳でもないのだな。」
握って感触を確かめる
肉と血、後は骨が詰まった一般的な生き物的感触
鉱物の様な感触だったらそれはそれで悩みの種が増えていた
「さて、これで仲良くする意思表示は済んだか?
済んだのなら部室とやらにいきコンピューターとやらを使わせてもらいたいのだが。」
恐らく彼が真に求めた行為とは違うのかもしれない
が、求められそれに応えはした
これで文句は無いだろうとでも言いたげである
■『流れ』 > 「……た、楽しいか、それ……?」
男は、あっさり言ってのけたエルフに、心底不思議そうにしていた。
楽しさを求めて中学生活を蹴って自分から日本を抜け出してくるような男だ。
誰にも仲よくしようなどと考えない彼女を前に、
思わず言葉を投げかけてしまっていた。
楽しい事は生きる意味である。
ハイエルフは先ほど調べた通り、超長寿種族。
……楽しくない状態で長い時間を生きるなど苦痛ではないか……?
多くの生命は、それを求めて生きているはずだ。
「ああ…そうか、好きな事と嫌いな事は、ちゃんとあるんだね…。
未知、絵。……不快に感じるものってなんだよ。
ああ、はい。ええっと。」
手を伸べて、握りしめる。
男はクズで悪い事に慣れているとはいえ、
まだ20にも満たぬただの人間でもある。
……やはり、自分とは違う存在なのだろうが、
こうして手を握った事で、少しは同じ視点には立てただろうか?
否
近したことで余計に視点が違う事が明かされたような気がした。