2024/06/01 のログ
シャンティ > 「えぇ……本当、に」
やはり、この空間だろうか。
精神に作用するようなナニカがあるのか
それとも なにか 熱に浮かされているのだろうか
いずれにしても
今日は余計なことに、口が滑る
「……」
誰に向けた言葉か
側にいる相手から伝わってくるソレ
ただ ただ 静かにその言葉は 音を捉えない耳朶を打ち
そっと流れて消えていく
「……あぁ。それでも。」
ぽつり、と……小さくつぶやく
その言葉もまた、どこかへと消え失せていく。
「いいえ?
私、は……見届、ける……つもり、だ、もの……
どこ、だ、ろう、と……ね?」
こつり、と。
硬質の音を立てるブーツをあえて外す。
それは、空すらも泳げる魔法であり……
安全を保証するモノだった。
「この、海……は、本物……か、しら……ね?
常世、ではな、く……黄泉の、内、かも……
さ、あ……いき、ましょ、う。真実、を……見に」
ノーフェイス >
「ばーか」
久しく、愉しそうに笑ってみせた。
戻ってこれる保障もないのに。
見届人は、当事者だ。部外者ではいられない。
――否。最初から。出会った時から、そうだった。
「真実を刻みに」
我が裡側へと。
絨毯なくして、只人となった者の細腰を抱くなり抱えあげると、
水飛沫を残して、そこから消えた。
「軽すぎ。ちゃんと食べなよ」
不思議と穴開きの少ない甲板に羽のように降り立つと、彼女を下ろす。
案の定。
乗船を確認した瞬間に、軸先の付近に掲げられていた船灯が、金魚鉢のような球形のなかに点火される。
塗り込めた闇に、ふたつの影が浮かび上がった。
ゆっくりと動き出す。ここではないどこかへと。
ぎしぎしと、頼りなく軋みながら。
「21gよりはずっと重かったな」
ぐっと伸びをして、闇のむこうをみつめた。
風が吹いていた、血の色の髪がなびく。
地の底だったはずの海は、そのむこうから白んでいく。
暁が闇を払い、夜明けという文脈が生まれた。
青空が、ひろがる――
シャンティ > 「お互、い、様……よ?」
先の見えぬ闇に飛び込もうとするモノ。
灯らぬ火を灯そうとするモノ。
無貌/無謀なるモノ
人は、それらを愚かと切り捨てるだろう
熟してしまったがゆえに
「あ、ら……?」
軽く、細い体は、比喩でもなく羽のように持ち上げられ
気づけば船上の人となる
そして――
船上に灯が灯る
待っていたとばかりに
先行きを照らさんばかりに
「重、さに……言及、する、の……エチケット、違反、じゃ、ないか、しらぁ?
魂、より、は……重い、わ、よぉ……?」
そんなことを気にしているとも思えない口調で、軽口をきく
進む先は、いずこになるか
「Everywhere they are wisest.」
青い 空が 開けていく
ご案内:「奈落の階段」からノーフェイスさんが去りました。
ご案内:「奈落の階段」からシャンティさんが去りました。