2024/07/20 のログ
ご案内:「転移荒野」にアーヴァリティさんが現れました。
■アーヴァリティ > 「ふふふんふ~ん♪
ボクっのおっうちはどっこかな~?」
朝早くからおでかけ!って言ってももう昼前なんだけどね。
今日の目的はボクのお家の気配を調べること!それと出来ればいくつか試しておきたいこともある!
水筒は持ってきたけど、ごはんは持ってきてないから出来るだけ早く切り上げないと!
「気配的にはこっちなんだけどな~。もっとむこうかな?」
周りを見渡してみると、所々に遺跡っぽい残骸が落ちてる。
うむむ、ボクのお家って言っても外見がどんな感じかはさっぱりわかんないからなあ。
ちょっとどれがボクのお家かは近づいてみないと分からないや…
「ごはんも持って来た方がよかったかな?」
思ったより時間がかかりそうだ。
何か買ってきた方が良かったかも。
ちょっと駆け足で行こう!
■アーヴァリティ > 「にしても、門ってすごいなあ。生き物だけじゃなくてダンジョンも転移させちゃうんだから
いや~世界には知らない事がいっぱいだなあ!」
世界は広い!
お家と離れてちょっと寂しかったけど、お家も寂しかったのかな?相思相愛ってやつだね!
こうやってついてきてくれるとにやにやしちゃう。えへへ
「きっと同じようなダンジョンとかもいっぱいあるんだろうな~
決めた!そのうち探索しよう!そうしよう!」
これでもダンジョンを守っていたからね。ダンジョン攻略ぐらいなら…
お手の物なのかな?
「そういえばこっちでも魔力がある~みたいなことこの前言われたっけ?
ちょっと試してみようかな?
え~っと?深淵錬精!」
手を高くかざして記憶にある名前を叫んでみる!
いでよ!それっぽい剣!
「おお…おおおおおっ!」
なんか集まってるような魔力と一緒に出でたるは漆黒の剣!
冒険者が使ってそうなシンプルな片手剣!
「できたー!」
ぶんぶんと振りまわして…っとっとっと
結構重たい!力なしすぎて振り回されそうになっちゃう。
「もしかして、ボクの力…弱い?」
なんてこった!人間の身体は随分と非力みたいだ!
ムムム、これは困ったぞ。実に困った…腕を組んでむむむ…
■アーヴァリティ > 「むむむ…そっか、今のボクは人間だもんね
前みたいなパワーは出ないんだなぁ…」
耐久とかもそうなのかな?
あれ?もしかして今も結構やばい?何も考えずに一人でこんなところ来てるの結構危ない?
あれれ?
「ま、まあいいや。そ~んな運悪く襲われる事なんてないでしょう!」
流石にね。そんなピンポイントに襲われる事なんてないよ!大丈夫!
…周りはちゃんと警戒しておこう
■転移荒野 > なんて、少女が強がっていた正にその時だった。
少女を大きな影が覆う。
突然のことに硬直し、恐る恐る頭上を見上げれば、そこにいるのは巨大な生き物。
赤や黄、緑といった鮮やかな羽毛に覆われ、鋭い嘴と三つの目と3対の翼をもつ鳥のような異形がそこにはいた。
異形の三つの目は少女を見据え、そしてその3対の翼を大きく動かしながら少女へと突撃した!
■アーヴァリティ > 「大丈夫!だーいじょー…うぶ…?」
こういうのって何ていうんだろうね。
いきなり暗くなったから見上げてみたら、なんかすごいのがいる。
鮮やかな鳥っぽい魔物?が上空からこっちを見てた。
え?でかくない?ボクの何倍あるの?
それよりも…
「やばい…絶対襲ってくるタイプだ…」
ボクにはわかる。あいつは絶対人間を襲うタイプだ!
「ちょちょちょちょ…おわーーーー!!!!」
予想的中!嘴から勢いよく突っ込んできたそいつを走って飛び込んで躱す!
凄い勢いだけど、何とか回避!
ああ、借りてる服なのに!ぐぬぬ、許さない!
「でもまずは逃げなきゃーーーー!!!!」
死ぬ―!担々麺とは比にならない!本当の死が迫ってる!
全力疾走だ!
■アーヴァリティ > 「どこ逃げればいいのさー!」
適当に走りだしたせいで方向が分からない!
お家の方向は気配で分かるけど、来た方角がどっちだったか分からなくなった!
これはまずい!非常にまずい!このままだと本当に死ぬ!
一応今あいつがどうなってるかも見ておかないと…
「あー!やばいー!!!」
地面に突き刺さった嘴を引き抜いて、三つの目でこっちをにらんでる!
また飛び上がって…凄い速度!間違いなく逃げ切れない!
かぎづめもすごい!さっき数倍って言ったけど数十倍レベルだ!
「サイズはどうでもいい!なんにしても死んじゃう!」
間違いなく丸のみされるサイズ!
ヤバい気配はどんどん迫ってくる!
あの嘴で突かれても、かぎづめでひっかかれても、のしかかられても多分死ぬ!
人間ってのは脆いんだー!
「戦うしかないかもー?!」
そうだ!ボクは一応魔法が使える!
それで応戦するのも…現実的じゃない気がする!!!
■アーヴァリティ > 「ええい!ただじゃ死ねない!!出来るだけやってやる!!
深淵錬精!!」
このままじゃ追いつかれて食われるだけだ!
立ち止まって身体を後ろに傾けて右手に黒くて長い尖ったランスみたいな武器を錬精!
って重たい!!!
「立ち止まってっ正解っだぁ!!!」
本当は投げてやろうと思ったけど無理そうだ!
いやよく考えたら出来るわけがない!今のボクは冒険者どころか女子供だ!
ロクなパワーなんて持ち合わせていない!
必死で踏ん張って、すぐそこまで迫った鳥に思いっきりランスをぶつける!
…けど!刺さらない!
嘴に綺麗に当たったランスは思いっきり弾かれて、ボクもそれに巻き込まれて吹き飛ばされる!
うおわー!視界が!回る!
宙を舞ってるー!
「ゲハッ!」
地面に叩きつけられてそのまま転がる!
慌てて立ち上がろうとするけど、全然力が入らない…!
やばい…!これは…鳥もこっち見てる…やっぱり全然効いてないみたい…!
脳裏に死がよぎる。やばい。これまで死を齎してきたボクがこうも死を身近に感じるなんてね…
このままは…死ねない!!
■アーヴァリティ > 「前のボクなら…!こうはならないのにね…!」
運のいい鳥だ!
何とか身体を起こしながら鳥をにらみつける。
鳥はこっちを見下しながら歩いて近寄ってきてる。
くそう、完全に勝った気でいる!むぐぐぐ、悔しい。
「打開策は…なにか…なにか!」
上半身は起こせたけど、立ち上がるのは無理そうだし、勿論走って逃げるなんてのは無理。
何か…何か思いつけ…!
「そうだ…!そういえばアレが…!」
アレがあった!
そう、この前色々検査されたときに自覚した力…!よく分からないアレが残ってた!
全く不明だけど…やってみるしかない!
「よく分からないけど…来いッ!」
最初に魔法を使った時みたいに!右手を掲げて力を籠める!
魔力とは別の!不思議なあの力を!全身に籠めろッ!
そして!浮かんだ言葉を叫ぶ!
「回帰!!!」
全身が未体験の力と、懐かしい感覚に襲われる。
全身が再構築されるような、流体になるような感覚で満たされる!
何か!新しいような本来のもののような力がボクの身体に備わっていく感覚!!!
■アーヴァリティ > 懐かしいような感覚の正体はすぐにわかった。
「おお…おおおお?!?!」
全身が伸びていく感覚!そして、両手と両足が明らかに作り変えられていく!
視線が高くなり、四肢が人間の手から白い触手へと変わっていく。
これは…ボクの前の姿と同じもの!!!
「もしかして前のボクに戻れる力…?!なるほど…!」
纏っていた服は大きくなった身体に耐え切れずに千切れちゃった。
ごめんなさいしげたかさん。
でも、代わりにすごい力を感じる!人間の身体では感じられなかった力だ!!!
「さぁ!第二ラウンドってやつだ!」
気付けば全身が動く。
触手は伸び続け、蠢く。
前程上手く動かせないけど、この力があればこんな鳥には負ける気がしない!
今更おじけづいても遅いよ!鳥!
「深淵錬精!」
錬精したのは大きめの剣!人間の時は持てないような重たいやつ!
それでも今なら余裕で持てる!これぞボクの本来の力!
いくぞッ!
■アーヴァリティ > 「その生意気な嘴からへし折ってあげるよ!!」
立ち上がってそのまま地面を蹴る!
触手といって侮るなかれ!
この触手は凄い強いんだぞ!
鳥の飛行よりも速く跳んで、すれ違いざまに嘴を切りつける!
鳥もただではやられない!嘴を開けてボクを食べようとする!
でもその程度じゃやられないよ!地面を触手で叩いて空中で方向を変えるんだ。
「うぅおるぁ!」
嘴は硬い!だけど力任せに振り抜いて上の嘴を吹き飛ばす!
鈍い音がして飛んで行った嘴が遠くに落ちる。
鳥がうるさい叫び声をあげて後方に高く跳ぶ!
「逃がさないよぉ!!!」
着地して、そのまま触手を踏ん張って、跳躍。
鳥がびっくりして逃げようとするけど、逃がさない!
「うおるぁ!」
流石に空中じゃあっちに分がある!
思いっきり剣を振るけど、6つある翼の一つを軽く切るだけで終わってしまった!
鳥が叫んでさらに高く飛ぶ。
それに対して、こっちは重力に従って落ちるだけ。
「まだまだぁ!逃がすか!!」
足元に深淵錬精発動!
一時的な足場を錬精してそれを踏み場にして更に跳躍!
狙うはこっちを見つめる生意気な三つの目!
「潰してやるよぉ!」
剣を正面に構えて突撃!
貫け!!!!
■アーヴァリティ > 「おらっしゃぁ!」
正面に構えた剣が鳥の真ん中の目を潰す!
鳥が絶叫して翼を大きく動かして起こった風が強すぎて、流石に振り落とされる!
刺さったままの剣から手を放してそのまま落下!
「どんなもんだー!二度と襲ってくるんじゃないぞー!!!」
でも満足した!大笑いしながら地表へと急降下!
鳥は反対に上空へと慌てて逃げていく!
意気地なしめ!弱い奴しか狙えないんだなんてなぁ!
そのまま地面に落下するけど、触手で勢いを緩和してダメージはなし!
どんなもんよ~
「いぃよっし!ボクの勝ちだ!」
両手をあげて勝利のポーズ!
清々しい!最高だ!なんて気持ちいい勝利だろう。
今までも何回も戦ってきた筈だけど、これほどの高揚は初めてだ!!!
人間のボクは弱いけど、この姿のボクは強い!いい事を知れたぞ!!