2024/08/23 のログ
ご案内:「転移荒野」にキングさんが現れました。
キング > 風景がひび割れる
そこから滲み出てくる青い粘性の液体
どろりとした雫はぽたぽたと地面に滴り落ちて一つに集まっていく

沼に沈んだ人が這い上がろうとする様にゆっくりと液体は人の形に蠢く
ごぽごぽと泡立ち表面の色と造形が変わっていく
水色の髪、人の肌の色、目鼻口に四肢、指先…数分ほど悶えていた液体は産声を上げる

「とおちゃああああっく!!」

万歳の恰好でそれは大地を踏む
水色の髪に青い瞳、少年とも少女とも言えそうな顔をした子供

キング > 「はぁ、ちかれた。にしてもここどこぉ?」

出迎えなんて期待していなかったけど周りに何もない
草がちょろちょろ岩ばっか、町どころか村すら見当たらない
人もいないしなんじゃこりゃ

「我、なんかヤバイ所に来ちゃった?水も無いし…どうしよう。」

せめて自然の中に出てくるなら森とか水場が良かった
何だこの扱いは、我を誰と心得る!
そんな事言ったって誰も居ないし返事もない

ちょっと寂しい

「優しいご主人様の召喚者とかが居たら良かったのになぁ。
変な魔法陣って乗ったりしない方が良い、ちゃんと覚えとこ。」

わ~綺麗~と触ったのがダメだった
自業自得と言われても仕方ないけれど気になってしまったのだから今更どうしようもない

はてさて、とにかくどこか目指して動こうかどうしようか
食べ物も水場も無いと流石に干からびる

キング > 遠くの方に見える山
最悪あそこに行けば木々の緑が見えるし水は有る筈
それにしてもあっつい!火山地帯って訳でもないのにあっつい!

「なんかなぁ…薄暗い部屋とかどっかの大広間とかが良かったなぁ。
というか魔法陣だったんだから呼び出した人ぐらいは居てくれても良いんじゃないのぉ?」

暑い暑いと言っても涼しくなるわけではないけれどそれでも口から暑い暑いと漏れ出てしまう
というか、気を使ってすぐ人型になった心遣いを返してほしい
怖がらせない様意識したのにそもそも誰も居ないなんて

当てもなく荒野を歩く、なんとなぁく山がある方向に向かってしまうのは最低限の保険

キング > 暑く割と険しくはない道をただただ進む
が、ちょっとやそっと歩いたくらいでは人類の文化圏は見つからない
辛い…と思っていれば湖らしき光景

「……幻覚じゃないよねぇ、なぁんでぇ?」

今の今まで荒野を歩いていたのに突然湖が見えてくる
植物らしきものは無し
突然そこだけくりぬいて水を流したみたいな光景に首を傾げる

「でもまぁ水!水大事!」

元気よく走りだす
水さえあればこっちのもの、ある意味食料より大切になってくる
碌に確認もせず湖に向けて飛び込んだ