2024/08/25 のログ
■武知 一実 >
「様付けて呼ぶほどの威厳も何もオレぁアンタから感じねえよ、キング」
どうしたら威厳を感じるのかと言われても困るが。割と本気で。
「まあ、飯に関しちゃそこまで悪くは無いと思うが……あ、昼に食おうと思ってたバーガーがあったなそういや」
朝コンビニで買ったものだから、ファストフード店のものには劣るだろうけれど。
それでも決して不味くは無い代物だ。安っぽさは感じるけど。
「人類に任せっきりにするなよ、いや自業自得な部分は割とデカく占めてるとは思うけど……」
あからさまに丸投げされるとそれはそれで思うところはある。
かと言ってこの魔物一人加えたところで何の足しにもならないのは火を見るよりも明らかだけども。
「スライム? まあ、知らんもんでも無いな。
巡り巡って今や人畜無害なマスコット的な扱いをされてる魔物だよな。
ああ、なるほど合点がいったわ。 服を擬態させてるってのもスライムなら納得だ」
しかしスライムってこんなに人間に似た擬態が出来たんだな。
不定形だからあまり精巧な擬態は出来ないもんだと思ってたが、認識を改めにゃならんかもだ。
「まあ体の一部を売っても良いし、研究機関で実験体になるでも良いし。
……まあオレはどっちもオススメしねえけどな、面倒でもちゃんとアルバイトするのを勧めるぜ」
オレみたいに。オレみたいにな。
■キング > 「なっ!
なんて無礼な事を言うのだ、ブイブイ言わしてた頃だったら丸呑みにしてたのだ!」
眉のあたりがぴくぴくする
怒ってない、怒ってなんてない
全然平気だし?と言いたげ
「ハンバーガー?
なんか聞いた事ないのだ。」
大儀なのだ、と袋ごと掴んでそのままお口の中へ
蛇みたいに丸呑みするせいで一瞬の出来事だった
「うんまぁい!
パンと肉とつるつると面白い食感なのだ!
流石人類、食べ物にかける執念が凄まじいのだ。
マスコット?スライムが?
ん~…まぁそれなら別に人型じゃなくてもいけそうなのだ!」
スライムが人畜無害な扱いを受けている世界ならだいぶ楽に生活できるかもしれない
愛らしくきゅぴきゅぴ言ってれば何か貰えるかも
流石に王としてそんな事したくはないけれど
「アルバイト、とは何なのだ?
あとハンバーガーは他にはないのだ?」
なぁなぁと袖を引っ張る
■武知 一実 >
「悪かったって。 でも、感じねえもんは感じねえんだから仕方ねえだろうがよ」
もう少し見た目が違えばまた違ったかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
こればっかりはオレの方に非がある気がするので謝りはする。謝りはするが反省はしない。
「あっ、オイこら食って良いとは言ってねえだろが!
あーあー包装紙ごと食う奴があるか。紙も見た事無いのかアンタ」
つるつるって何の食感だ? ……いや、考えるの止めよう。
それより昼飯どうすっかな…… 後でコンビニ寄るかな……
マスコット、という言葉を良い様に受け取ったキングを見ながら、オレは何とも言えない顔になる。
まあ、多少可愛がられはするだろうが、それで生きていけるほど単純じゃ……ないよな?
「アルバイトってのは貨幣を得る代償として労働する事だ。
ハンバーガーはもうねえよ、キングが今食ったのがオレが持ってるのは最初で最後だ」
袖を引っ張るんじゃねえやい。ホントに威厳もクソも無いなこいつは。
■キング > 「あ、切れそう…キング数か月ぶりに切れそう…!」
数か月前にも似た感じで切れた感じがする
怒りはハンバーガーが消してくれた
「無礼を赦してやるのだからこれ位は良い筈なのだ。
包み紙は知ってるけど別に食べても問題ないから気にしないでいいのだ!」
文明的な味に大変満足した
冒険のちょっとした食事でこれならちゃんとした店などはどうなるのか…ワクワクが止まらない!
「労働……まぁなんとかなるのだ、うん!」
労働かぁ…と遠い目をしたがすぐに持ち直す
とりあえず何とかなる!そんな気がする!と
「ならばとりあえず、一実には町まで案内してもらうのだ。
嫌だと言われても足にへばりついてでもついていくから大人しく案内すると良いのだ!」
すぐに連れて行けと言わない辺りがキングなりの気遣いだったりする
用事が終わった後帰る時についていくね?と可愛く言えればよかったが現実はこれ
■武知 一実 >
「ったく……まあ、それで良いんなら良いか。
アンタが気にしねえんだったら構いやしねえが、後になって腹壊しても文句は聞かねえからな」
やっぱり魔物だなあ、と半ば感心してしまいながら。
いや、待てよ。紙でも気にしないってんならゴミ問題は多少解決するんじゃねえだろうか……でもきっと紙単体で食わせても文句言う気がするな、止めよう。
「アンタが居た世界とは別なんだ、諦めて働け」
とはいえ島に来たばかりの魔物が働ける先なんてあるんだろうか。
オレが考えても仕方のない事だけど。 まあ、委員会のやつらにその辺は頭使って貰うとして。
「……まあ、このままここに放っとくつもりは無かったしな。
案内はするが、それなりな距離歩くぞ、付いて来れんのか?」
別に今日は転移荒野での討伐依頼は届いていない。
ここに来た理由はただ水辺――キングが言うところのオアシスで涼を取ろうと思っていただけだ。
だから今すぐ町に行っても良いんだが……ちゃんと最後まで付いて来れるのか、こいつ……?
■キング > 「安心するのだ、大抵の物は美味しく食べれるからな!」
文字通り雑食、好き嫌いは有っても食べ物で体を壊したことはない
…なんだか便利に使われそうな気がする、むむっと警戒
「王なのになぁ…我キングなのに。」
働く、あんまり好きじゃない言葉
寝転がってたら口元に食事が運ばれてくる労働は無い物かななんて
「一実ぃ…!
お前は本当にいい奴なのだ、感謝するのだ!
目的地が分かってるだけで全然違うのだ、人間よりは丈夫なので安心してほしいぞ!」
最悪このたくましい青年にへばりついて運んでもらえばいいので自信満々
なにが有ってもついていくという言葉に嘘はない
もうこんな荒野生活はお断りしたい
■武知 一実 >
「そりゃ何よりだ。
食べ物や空気、水が合わないで苦しんでる異邦人とか居ないわけでもねえからな」
キングの様子を見る限りではこの世界の空気も水も特に害は無いようだ。
だったら後は金銭面の問題さえ解決してしまえば、生きていくのに苦労はしない事だろう。
あとは本人の気持ち次第、か。
「王様だろうが神様だろうが、元居た世界の話だろ。
こっちじゃまだただの魔物だ、その辺しっかりと肝に銘じとくんだな」
それかもう人目に付かないところで野生のままに過ごして貰うか。
その場合心無い人間に経験値にされちまうかもしれないが、オレは知らん。
「別に感謝される程の事じゃねーよ。
……まあ、その感謝を忘れるつもりがねえならちゃんとこの島での生活に順応してくれ。
あと、町に行くまでの道程で甘やかす気はねえからな、案内はするが辿り着くまで自力で歩けよ」
何故か最終的にこいつを背負って帰る姿が想像出来た。
冗談じゃない、このクソ暑いなかを擬態してるとは言え人ひとり背負って動くなんてしたくない。
だから前以て釘を刺しておくことにした。スライムに釘なんか刺しても意味ねえとは思うけれど。
「じゃ、善は急げだ。さっさと行くか」
面倒事は早めに片付けるに限る、とオレはキングを一瞥してから岩陰から出……出る……暑そうだなあ。
■キング > 「スライムは伊達ではないのだ。大体どこでだって楽しく過ごせるのだ!」
何せ大体の場所で暢気に過ごせる
マグマとか氷河とかでない限りは
「むむっ、なにおう!
我はどこでだって王なのだ!王として相応しいふるまいをするのだ!」
それが現状できているかは分からない
けれどキング自身は満足なのでそれが全てなのだろう
「謙遜しなくていいのだ。
一実が居ないと割とまずかったから助かったのだ。」
情報源で有り希望の星で有り、ハンバーガーを献上してくれたのは大きかった
やっぱり水だけよりこういう食べ物が大事だ
あと、自力で頑張るのは約束する
へばりつくのだって自分の力だ!
「うむ!善をいそぐのだ!」
言葉を真似して岩陰から出る
あっちゅい…でもこんな所には居られない
目指せ文化圏!美食の元へ!
■武知 一実 >
「そりゃすげえなスライム」
何故だろう、感心はするけど憧れはしないこの感じ。
人間が抱くスライムのイメージがあるからだろうか。いや、スライムをマスコット的扱いにしてるのは日本人の所為らしいけど。
「そんなら王らしく異世界の規律に沿ってくれよな。
人間の王だって他国に来たらその国の文化を尊重すんぞ、多分」
王らしい振舞いって何だろう、しかもスライムの王と来たもんだ。
その辺さっぱり分らんが、まあキング自身が満足しているならそれで良いかと思う。
「そんなに腹減らしてたのかアンタ……
今後は自分の食い扶持は買うか貰うかして食えよ、人の了承を得ずに勝手に食うな」
どこまで従うかは分らんが、一応伝えておく。
名前が割れている以上、後で騒ぎになった時にオレの名前が挙がって巻き込まれたんじゃ堪ったもんじゃねえし。
嫌な予感は拭いきれなかったが、今は少々過大なこいつの自信を信じる他ない。
まあ、最悪人型への擬態を解いて貰って、もっと運びやすい何かに擬態して貰えば良いか。
「あー、とんだ寄り道になっちまったな……
行くぞキング、ちゃんと付いて来いよ」
再び夏の日差しの下に出て、スライムの王を自称する魔物の連れ合いと共に一路市街地へと向けて歩き出すのであった。
……結局キングを担いで運ぶことになったかどうかは、オレの胸に秘めておくことにする。
ご案内:「転移荒野」からキングさんが去りました。
ご案内:「転移荒野」から武知 一実さんが去りました。