2024/12/19 のログ
ご案内:「遺跡群」にイスラさんが現れました。
■イスラ >
未開拓地区の半分以上を占める未開拓の荒野
大変容後、異世界の魔物などが現れるようになった危険な区域だ
その中にある遺跡群…更にその片隅に現れた"モノ"
血溜まり
そう形容するしかない。赤黒い染みは滲む様に地面に広がってゆく。
まるでその場だ大量虐殺でもあったかの様───粘ついた赤黒い"何か"は土を、石を、木々を伝い、その一体をドス黒い赤へと染め上げた。
上空からみればまるで赤黒い巨大な穴がその場に現れたかのようにすら映る───その異様は、普段この地を見慣れた者が目にしたとしても不吉なものと思えるだろう。
そしてやがては石も木々も、虫も鳥も獣も、粘ついたそれに捕らわれ沈んでゆく。
「───……」
その中央に、白い何かが浮かび上がる。
赤と黒を四肢から滴らせたそれは、裸体の子供のようにも見える。
■イスラ >
やがて人の形となったそれは眩しげに薄くその瞳を開く。
「……太陽」
ぼそりと、しかしはっきりとした声でそう呟いた子供は寝そべていた痩身をゆっくりと起こす。
滴り落ちた筈の赤と黒がその身体に這い上がる様にし、衣服を形作った。
黒を基調とした装い。マントを翻し立ち上がった"それ"は天を見上げるように細い顎先を持ち上げる
まだ日の高い頃。燦々とした太陽が荒野の遺跡群を照らしている──。
「これがある世界が多いね」
眩しく、生命の源ともなる陽光と熱と炎を提供する天体。
恵みと形容されるだろうことの多いそれを鬱陶しげに見上げれば、右手を高々と掲げ───握り込んだ。
───瞬間。
赤い染みの広がっていた広大な領域は夜の帳に閉ざされた。
■イスラ >
「───眩しいから好きじゃないんだよね」
軽く長い睫毛の眼を擦り。
夜闇に閉ざされた領域には、太陽が在った筈の場所に紅く巨大な月が浮かんでいる。
「さて。此処は何処かなぁ…。」
掲げていた右手を下ろし、今度は両手で何かを抱える様に、胸元で掌を上に向ける。
地面に広がった赤と黒がその掌へとずるずる這い上がり、球体を形作ってゆく───。
「──なんだ。並列か…。じゃあたいして変わらないな。
それなら存在の固着が簡単で助かる」
球体が形作ったのは、星。
この足元に広がる天体の姿。
現在いる位置は…どうやら極東の地の更に南らしい。
「人間もたくさんいるみたいだ。
此方の好みに合うような子がたくさんいると嬉しいね…」
ぱ、と掌を離す。
球体を保っていた赤黒い何かは不定形となり、地面に落ちて染みと一体化する。
■イスラ >
『──何、これ…!? ここだけ夜……!!?』
背後から聞こえてきたのは、女の子の声だった。
背が大きくて、胸も大きい。…胸は別に小さくてもいいけど。手足も長い。
肉はたくさんあったほうがいいし、身体は大きいほうがいっぱい詰まってる。
「Bună ziua」
笑みを浮かべて、挨拶の言葉を向ける。
■イスラ >
『誰…!? 君が、これを!?』
これ。
抽象的な言葉だ。
多分、この領域のことを言ってるんだろう。
地面に粘ついた赤黒い染みが広がり、昼のはずなのに太陽はなく、代わりに赤い月が輝いている。
そんなに不思議な光景かな?
自分が生まれた場所はずっとこんな感じだったんだけど。
ともあれ、折角挨拶したのに挨拶も返せないなんて。
「Nu știi maniere」
少年…あるいは、少女の瞳が、彼女をじっと見つめる。
『─────!?』
直後。
まるで石になったようにその女の子は動かなくなる。
瞬きも、呼吸すらも忘れたように。
■イスラ >
「ああごめん。言葉に馴染みがなかったかな…。
最初から君と同じ言語で話せば良かったね♪」
身動きも出来ない女の子。
その横を素通りする様に歩いて、まじまじとその姿を視界に収めてゆく。
「……ちょっと此方のアートの素材にするには無駄な肉が多いかな…。
まぁ、不味くはなさそうだし、お腹も空いてるし、今日は贅沢はしないでおこう。うん」
「アンティーク・ドールって知ってる?
此方の前の前の……前の前の前だったかな…お母さんが人形が大好きでね。
小さくて、膝の上に載せられるくらいの。とても可愛くて愛らしいんだ。
着せ替えなんかもできるから、夢中になって遊んだなあ……。君はちょっと大きすぎるかも」
ね。と顔を覗き込むよう見上げ、微笑んで…ぽんとその肩を叩く。
■イスラ >
次の瞬間。
彼女の足元から地面が起き上がるようにして挟み込む。
鋭く切り立ったカタチに変形した、赤く黒い地面がまるで虎挟みの様に。
「服、可愛かったね♪ 使わせてもらおうかなぁ」
再び一人となった空間でけたけたと愉しげに咲う。
「Când intrați într-un oraș, ascultați de oraș」
「いい言葉だね、此方も実にそう思う」
どろりと、身に纏っていた十字架をあしらった装いが溶ける。
そして新たに形作られたのは…その場から消えてしまった女性と同じ服。
「それじゃあまずは町に行こう♪
面白い素材にいっぱい出会えるといいねえ」
意気揚々と歩みだす白髪の子供。
それが危険なものとして認識されるのは、後にイスラと名乗るこの怪物が歩み去ったこの場所で、
粘ついた染みが更に広がり、遺跡を喰らい…荘厳なる古城の形を築いた──数年後のことだった。
ご案内:「遺跡群」からイスラさんが去りました。