2026/02/27 のログ
ご案内:「開拓村」に幻夢さんが現れました。
幻夢 >  
轟々と月夜に揺らめく炎が乱反射する。
あらゆる建造物が倒壊し、血と死臭が炎に焦がされていく。
生命と呼べるものは最早そこにはない。
喉が焼け付くほど熱い空気の中、唯一つ降臨していた。
堅牢な鎧を身に纏う、どす黒く穢れた肉体を持つ神そのものが。

『此処は……現し世か?』

訝しげにノイズが囀る。
忌々しい記憶は昨日のように覚えている。
確かにあの時、己は敗れたのだ。あの那岐流を名乗る人間達にしてやられたのだ。
ギリギリと怒りが歯ぎしりを立て、大気を震わせる。
怒りに呼応するどす黒い闘気が、周囲の瓦礫を巻き上げた。

『忌々しき定命の者に敗れて幾星霜……!ただ変わらぬ!此の怒りだけはッ!!』

腹の底で渦巻く怒りの炉心は今も尚猛っている。

幻夢 >  
弾ける闘気と共に周囲の瓦礫も吹き飛んだ。
荒ぶる吐息を落ち着かせ、悪神はギラつく双眸を見開いた。
不毛の大地を焼き尽くす炎。集落と思わしき者々と物々。
其処に一つの営みがあった事は想像するに容易い。
成ればこそ、と疑問が消えない。

『此の俺を呼び出したのは何者だ……?』

自分が如何なる存在か自負している。
破壊と混沌の化身。目覚めればやるべき事は唯一つ、破滅のみ。
在り方を知らぬもので無ければ解けず、知っているなら触れ得ざる事になる。
否、疑問こそあれどそんなものは些事に過ぎない。
己の存在意義は唯一つ。

『フン、まぁ良い。此の俺を目覚めさせたのだ。
 やるべき事は決まっている。破壊……殺戮の限りを尽くす事だッ!』


『忌々しき肉塊共は、相も変わらず我が物顔で大地にこびりついているようだからな……!』

鋭い眼差しが、遥か彼方の地平線を睨みつけた。

幻夢 >  
確かに感じる。無数の生命を。
あの頃とは違う生命の数々を感じる。気配もそうだ。
何よりも焼け付く空気に感じるのは、より忌々しき"血筋"の気配。
太い牙をしならせ、拳がギリギリと軋みを上げる。

『那岐流め……!忌々しき定命の血統!
 良いだろう、此れは宿業だ!今度こそ此の俺が貴様等ごと全てを滅ぼしてやるッ!!』


大地を踏みにじる、突風を巻き上げる。
血風と染め上げ、地鳴りと共に一歩ずつ現し世を踏み鳴らす。

『もう一度我が名を轟かせてやろうッ!定命の者共よ!
 貴様等の悪夢をもう一度思い出せてやるッ!ハ、ハハハハハハッ!!』


悪逆の嘲笑が木霊する。
悪夢は此れより始まるのであった。

ご案内:「開拓村」から幻夢さんが去りました。