未開拓地区に存在する小高い連山の総称である。
古くから常世島に存在する連山であり、その名の由来はヤマトタケルが大和を偲んだ歌から来ている。
古代から祭祀の場であったらしく、祭祀の遺構が数多く見つかっている。
世界の変容後、一種の異界となったらしく、神話上の存在などが山の中に潜んでいるなどのうわさも存在する。
入山は自由であるが、整備されているわけではないので注意が必要である。

選択した場所に入室します。

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参加者(0):ROM(1)
Time:02:21:08 更新


ご案内:「廃神社 星の試練」から緋月さんが去りました。 (11/07-04:05:41)
ご案内:「廃神社 星の試練」からノーフェイスさんが去りました。 (11/07-04:05:03)
緋月 >  
「は――?」

流石に、驚愕が隠せない。放った斬撃に、星空が映る。
こんな事は、今までになかった。
少しの混乱の中、出来ちゃったか、という声に、思い当たるはひとつ。

「……斬月に、神山舟を、乗せたんですか。」

形の無い神器。意の儘に姿を変える代物とはいえ…まさか、自分の異能という「形」を
与えられるとは、全く以て想像はしていなかった。

悪用法、とはよく言ったもの。使い方は、それこそ使い手の発想力次第だろう。
流石に自分の自由になるのは此処までだろうし、それも「使い手」の許可がなければ扱えないだろうが。
それにしたって、ないよりはあった方がずっと手が広がる。

「……お互い、色々覚える事が増えますね。」

そう、声をかける。
自身は手札を、彼女は手に入れたものをより「上手い事」扱う方法を。

「…ええ、それはもう、望む所です。
でも、ご飯の前にしっかり傷の手当と消毒はして置きましょうね。
噛み傷は悪化すると、色々と洒落にならないらしいですから。」

自分でつけてしまったという事もある。
責任、というほど重大には考えないようになったが、それでもこれを放置するのはよろしくない。

きっちりと傷の手当をしてから、食事へと繰り出そう。


-あの時教えた名前、他言無用です-
-本当は、封じてないといけない名前ですから-

こっそりと、そんな言葉をかけて置く事も忘れずに。
 
(11/07-04:02:36)
ノーフェイス >  
僅かばかり。
使い手にのみ視える世界。不可視の斬光に星空が宿る。
――異能に乗せたのだ。形を変える不滅を。

「もしかしたらと思ったケド、出来ちゃったかぁ」

苦笑して、瞬き。双眸がもとの黄金に戻る。
あのとき使い手の内部に在った存在もまた、これを振るうに能うものとして選ばれている。
使用者としては自分に主導権はあるが――権能は双方扱えるわけだ。
花形も殺陣師も、なれ同じ舞台に立つ者同士、別はないということだ。

「……ホントに覗かれてたんだ……そっかあ~~」

天井を仰いで、溜め息。
じくじく痛む首の傷跡を撫でれば、改めて顔が赤くなるものの。

「――ま。いくらでも悪用法が思いつく玩具だし、せいぜい遊ばせてもらうか」

使い道も、すぐに来る気がするし。
指に滲む血液を見下ろして。

「神を造り出すなんてのは、残念ながら承服できない。
 この世に星が唯一つならば、ボクがそうなるべきだから。
 ……あの連中の家族問題、横からめちゃくちゃにしてやろうぜ」

家族に過去に、問題を抱えているふたりではあるけれども。
半ば巻き込まれた形になるのだ。望む結末に向かって道を敷いたとて、
神の(ばち)など求める身でなければ。

「じゃあ。 あしたのためにそのイチ。
 美味しいモン食べにいこ。ご褒美になんでも奢ったげる。
 んで、そしたら作曲だ――行こ?」

にひ、と笑いかけた。
傷がそのまんまではあるのだけれども、そう。どうあっても、明日は来てしまうのだから。
死に物狂いで生きるしかない。結論は、変わらない。

痛みをともなう、あえかな、しかし確かな成長とともに。
(11/07-03:48:59)
緋月 >  
「つまり、私が紛れ込んだのは完全に事故、ですか…。
いや、危ない所だったのかも…ですし、結果良ければ何とやら…なんでしょうか。」

むくれてらっしゃる彼女に、ちょっと立場が逆だった場合を考えてみる。
……確かに、少しどころでなく、見られるのに抵抗があるというか、恥ずかしいかもしれない。

ともあれ、問題の代物に目をやれば――記憶のものと少しばかり形は違うが、その現象には見覚え。
確か、元の持ち主が以前に手にした扇を刀に変えていた事を思い出す。

「――あの時のあーちゃん先生とそっくりです。
確か、扇から刀に変えてた筈。」

少しの間、刀を目で追いながらそんな事を言いつつも、返事がないのに少し首を傾げれば、自分を呼ぶ声。
見れば――左の瞳が、見覚えのある色。
自分の瞳と、全く同じ色だ。

「ちょっと、その眼は――いや、それは置いておいて…アレ、って、これ……ですか?」

流石に刀を振り回すのはちょっと躊躇われる社の中。
ふ、と息を吐き、ここは指で扱う事に。

「斬る」という念を込め、右手の人差し指と中指を立てて、ふつ、と振るう。
今回はシンプルなもの。斬撃を飛ばすタイプの「斬月」だ。
 
(11/07-03:36:49)
ノーフェイス >  
「もともと、持ち込もうと思ってたのは月白(けん)だけだったんだよ。
 ……意識が混ざるなんて。さいきん、そういう事象(コト)が多いからかな……」

むすくれてた。
だめだったときの自分。そして、だめだめな自分。
誰にだって見せたくはないものを覗かれると。
くしゃ、と自分の紅の髪をかき混ぜて。

「…………神山舟(これ)か」

ふ、と拝殿の出口のほうに手を伸ばした。
掌の前に出現した八面体が、開く――
二秒ほどの時間差をもってそれらが粒子にまで霧散し。

「こう、かな」

手を握る。
刀の形状へと凝った星空の流体に、手首を返し、指を跳ね上げる。
空中へ放られ、そのまま回転しつつ――拝殿の床にとすり、と突き刺さる。
本来の使い手ほどの瞬間変形とはいかないが、応えている。
無事に試練を超克(パス)できていた、ということであるものの・

「…………」

少し考えて、眼を瞑ってから、顔を向けた。
――そして、瞼をあげる。

「緋月」

その双眸は。
――左の瞳が、深い赤に。眼の前の少女と同じ色に変じていた。

異能(あれ)、やってみ?」

ほら。と同じく、拝殿の出口の方向を指さした。
(11/07-03:21:45)
緋月 >  
「――――」

「ありがとう」の言葉に、何かを答えるより先に口づけを落とされて、
言葉にする機を逸した所に、

「むぐ。」

頬を摘まれてしまった。
痛くはないが、ちょっと伸びてしまいそう。

「なんですかー、連れてったのはあなたでしょー…。」

少し顔を赤くしながらも、ちょっとむくれたような抗議の声を上げた所で、肝心なことに気が付く。

「うみゅ…そう言えば、神山舟(事の元凶)は、どうなってるんでしょう。」

頬を摘まれたままなので、視線でなんとかこの事態を齎した代物を探してみる。
これで駄目だったら一回くらい斬っても…斬ったところで元に戻るだろうし、
そもそも斬れるか疑問だが、それ位しても罰は当たらない、と思う。多分。
 
(11/07-03:12:12)
ノーフェイス >  
「…………」

あふれる感情のなかで、少女の独白を聞く。
ああ、やっぱり、と合点がいった。
自分が絶対に知り得ない情報を彼女から打ち明けられていたから。
その答え合わせが済んで、あらためて彼女を抱きしめる。

「……ありがとう。応えてくれて」

その役回りを押し付けたことを詫びるよりも。
臆せず、傷つきながら伝えてくれたことが、道を続けた。
鋭く傷をつける剣こそが、安らぎのまどろみのなかに求めた役割。
まだ――まだいけない。死にたがりながらも生きる己の。
生きるに、殺すに値する命のありかたでは、なかったから。

「………」

そっと。
頬に手を添えて、向かせると、額に、目元に、鼻先に。
接吻を落としてから。

「えっち」

むい。
頬をつまんだ。

「勝手に覗くなよ」

顔を赤くして、拗ねたように告げた。
――視られたくもないものを随分見られたものである。
(11/07-03:03:03)
緋月 >  
「――――」

何かを伝えようとして、口の中に、鉄錆のような味を感じて。
意識が、戻る。
真昼の、廃神社。
確かに、居た所(現実)だった。

「………。」

牙を立てた首筋から、口を静かに放して、
そこで、自分が涙を流している事に気が付いた。
――随分、酷い事を言ってしまったな、と、また少し罪悪感。

「………どんな理由があっても、」

少し掠れた声。

「ひどい事を言うのは、やっぱり苦しいですね。
それが、大事なひとなら猶更――。」

涙声、とまではいかない。
ただ、涙が流れて、簡単に止まってはくれないのだ。
 
(11/07-02:52:18)
ノーフェイス >  
「――…………」

呼吸が乱れて、瞼があがる。黄金の瞳が覗いた。
意識が戻るのは、ほぼ同時。
頬を伝う涙が陽の光にかそけく輝く。

真昼の廃神社。
ほんのわずかな時間だった。その間、首に埋まる頭を抱いていた。
灰色の髪を優しく撫でながら、痛み続ける首の孔を感じた。

「こうなるのか……」

ぽつりと呟く音。
深い溜め息。
そのあとに、抑え込んだ嗚咽が続く。
(11/07-02:45:20)
ノーフェイス >  
「胸を張って逢えるように、なれればいいんだよ。
 ……いつか挨拶にいくんじゃなかったっけ?」

でしょう?
そうやって微笑んだ。
まだ、生きているはずで――まだ、なにかが起きるかもしれない。
自分の分まで、なんて傲慢は伝えない。

「見せたげよっか。
 曲がどうやってできるのか、さいしょっからぜんぶ。
 公演も、もしかしたら、もうすこしで」

にひ、と子供っぽく笑う、いつもの顔だ。

「―――」

手をつなぐ。
向かうは、どこだろう。ハロウィンの喧騒からは、遠くなる。
ああ、でも、懐かしい。確か、こうやって……。

「迷子のふりして、ねえさんにかまってもらおうとしたんだ。
 ……本気で怒られて、こうやって手をぐいぐい引っ張られたっけ」

出てくるのはやっぱり、微妙な思い出ばかりだけれども。

「道は」

何処にある。

「意志あるところに」

――きっと。
(11/07-02:45:07)
緋月 >  
「――そうですか。

私の……姉上は、どうだったでしょう。
会う事も碌になかったから…どんなひと(性格)だったか、よく思い出せません。」

話を聞いていて、思い出すのは血を分けた姉の事。
恐らく、自分が帰らなければ姉が子を産み育て、流派の命脈を繋ぐのだろう。
あるいは既に、そういう話になっているのかも知れないが。

「それじゃ、帰ったら聞かせて下さい。あなたの歌。
一番にとは言いませんけど、できるだけ早い内に。」

流石にそこまで欲張る事はしない。
でも、ちょっと位は早めに聞いてみたい、というのもある。
軽い我儘みたいなものだけど。

出発を促されれば、一度目を擦ってから小さく笑い、手を繋ぐ。

「方角が分かればいいんですけど…現実じゃないから、星の方向を見てもアテにできないですね。
此処を斬って脱出する事も…壊したらまずいですし、其処まで力が届くかも怪しいですし。

それじゃ、あっちに向かって歩きましょうか。」

そうして、静かな別れの声を聞けば、黒い海に足を沈めないように気を付けて、浜辺を歩き始める。
どこに歩くのが正解かは、流石に分からない。
だけど、歩いているならきっと辿り着くだろう。

自分達は幻に縋る事はしないで、先に進む事を選んだのだから。
歩いていればきっと見つかる。違う?
 
(11/07-02:36:47)
ノーフェイス >  
「パパ、ママ。……エレオノーラ」

ただ、静かに。

「……Farewell(いってきます).」

そちらを、振り向かない。
だって、誰もいないのだ。
すでにいなくなったものたちに、届く言葉などないのだから。

別離も、祈りも、すべて自分が進むための儀式だ。
喪失の痛みも苦しみも、癒えることはなくとも。
(11/07-02:26:35)
ノーフェイス >  
「ねえさんはもっとふわふわしてた」

まあいいけど。と妥協を滲ませて顔を埋めたままあげない。無礼。
 
「むかしはやさしかったのかな。
 あの小さい家に住んでたときは、あったかかったのかな。
 それももう、はっきりしなくて…………だから……」

幻覚に楽園を映して、お人形遊びに興じていた。
過去を過去とできぬまま、やり直しに期した弱さ。

「この(あな)が、わたしの原点。
 ……すべての原動力である、餓えのはじまり……」

抱きしめられると、自分からは抱き返さなかった。
ただ、受け取る。受け止める。眼を伏せて、相手を感じた。
根本から、金糸の髪が、紅へとその色を変えてゆく。
晴天が、黄昏に灼かれるように。

「だから、ふさぐことは、できない。
 ……ただ、うん……そうだね……」

どうすれば、乗り越えられるのか。
それがずっと、わからなかった。
忘れてしまえば、埋めてしまえば、自分はきっと歩けなくなる。

「…………この痛くて苦しいきもちを、いまは。
 歌いたくて、しょうがないんだ。
 そうしてるときが、いちばん生きていられるから。
 ……いちばんかっこいいボクだから」

在るべき理想の己へ。
向かうべきは、きっとそう。
……彼女に言葉をぶつけた自分も、そうなるように生きていたはず。
求めたる完全と、テレビの向こうの憧れと、自分の激情の行く先が。
たったひとつ、歩くべき人生(みち)ならば。

「行こ。 連れてって?
 いまはひとまず、遥か東の彼方まで……線路をたどっていけばいいかな?」

古い映画みたいに。
顔をあげて、笑った。
(11/07-02:24:09)
緋月 >  
「わるかったですね、大して大きくない胸で…。」

最後にかけられた言葉には、そう返してしまう。
でも、簡単に涙は止まってはくれない。
仕方がなかったといえば許されるかも知れない。
必要だったといえばそうなのかも知れない。

それでもやっぱり、ひどい言葉をかけるのは、つらかった。

「……つらかった、ですね。
自分で、自分の家族を…どんなものであっても、壊してしまうのは。」

軽く頭を抱くと、そっと撫でる。
普段の彼女は自分より上背があるから、少しだけ新鮮な気持ち。

「だったら、せめて幻に決着を着けて、戻りましょう。
言えなかったお別れを言って、二人で帰りましょう。

私たちは、お互い、こんな所で立ち止まっててはいけない。
そうでしょ?」

言いながら、何とか顔を擦り、涙を拭う。
別れの時は、涙くらいはなしで見届けたい。
 
(11/07-02:12:39)