2024/08/09 のログ
ご案内:「青垣山 廃神社」にクロメさんが現れました。
■クロメ > 「……朽ちた神社か」
吸血鬼を自称するそれの前に広がるは、廃墟。
入口を象徴し異界への標となるはずの鳥居すら倒壊し、神域たる面影はもう、ない。
「崇めた神すらこの有り様か」
崇め、称え、祈り、"何かを捧げた"はずの神域すら、こうなる。
この島に人が居ないのならまだしも、いくらでも人はいる。
それなのに、こうだ。
頼り、求め、縋ったはずのものにすら、手のひらを返す
「度し難いな」
怪異は、いつもの言の葉を口にする。
■クロメ >
「かつて、人は此処に何を求めたのか」
豊穣か 安寧か 護国か
いずれにしても、"自分の力を超えたもの"を求める
神だから 人を超越したものだから それだけの力があるから
自分にできないことを要求する
「それでいて、このざまとはな」
なぜ廃れたのか
神に祈ることを放棄したのか
神に求めることを忌避したのか
なんであろうと、かつて敬意を払った者に対する仕打ちが、これか
「人は、勝手だ」
眺める先には、朽ち果てた本殿
その先に、何を見るのか
■クロメ >
手を前に差し出す
しばし、そのままの状態で止まり……
「……」
小さく、息をついた
なにも、起きない
ただ、空白の時だけが刻まれる
「過去は、変わらん。」
それが許されるのは、それこそ神の所業である。
たとえ驚異的な力を持つ怪異だろうと、それは叶わぬ望みだ。
「ま……誰もいない、というのはいいことか」
そうつぶやいて、空に座る
ご案内:「青垣山 廃神社」に焔誼輝夜さんが現れました。
■焔誼輝夜 >
――そんな静寂を打ち破るように。
山の奥からバキバキ、メキメキと、木々をなぎ倒すような音が聞こえてきます。
騒々しい音は、まったく無遠慮に廃神社へと突っ切っていき。
「――ちょりゃぁーっ!」
そんな掛け声とともに、体高三メートル以上はありそうな熊が少女の目の前を吹っ飛んでいきました。
ついでに、その熊の腹に綺麗な跳び蹴りをキメている幼女も突っ切っていきますね。
そして、熊が地面を滑って転がり土煙を上げる中。
幼女は身軽に跳ねて、神社の目の前に着地して、両手を挙げるのです。
「あーい、うぃーん!」
どやぁ、とばかりにキメ顔で、黒髪紅目の幼女は堂々と境内に降り立ったのでした。
■クロメ >
「……」
しばし、目を閉じる
風のそよぐ音、木の葉の揺れる音、自然の心地よい音を楽しむ
静けさの中に響く、美しい音たち
その静寂を突き破り
■クロメ >
どごん
■クロメ > 凄まじい音を立てて熊が飛んできた
いや、正確には幼女と熊が飛んできた
「……一体、なんだ」
境内に降り立ったのは、確かに紛うこと無く、少女の姿をした存在であった。
が――
そもそも、人間の少女にそんなことが可能なのか
異能があれば可能か? いや――
「……なんだ、おまえは」
人間なようで、どこかが違う
奇妙な存在が、そこにいる
■焔誼輝夜 >
「ほにゃ?」
誰もいないと思ってたので、声を掛けられるとびっくりしちゃいます。
紅くてくりんくりんのお目めが、真ん丸になって、お姉さんを見ましたね。
「ほえ~――おねーさんだぁれ?」
それはきっとお姉さんの台詞ですねえ。
幼女は不思議そうに首をかしげて、不思議な恰好のお姉さんを見つめました。
■クロメ > 「……」
どうやら、見た目通りの精神年齢のようだ。
だれだ、と聞きたいのはこっちなのだが
しかし、子どもにそれを説くのも愚だ
「……私はクロメ。
そういうおまえは、誰だ? 此処で何をしている?」
改めて、問う
「……そも、なぜ熊と戦った?」
なんとなく雰囲気で察して質問を重ねた
■焔誼輝夜 >
「かぐやはねー、かぐやっていうの!
くろめちゃんはなにしてるの?
かぐやはねー、ボーケンしてたの!」
目をキラキラとさせてお答えしますねえ。
ですが、返答と質問が一緒に飛び出しちゃいます。
お話ししたい事も聞きたい事もいっぱいあるのかもしれません。
「えっとねー、たべられそーだったから?」
ドストレートに命に関わる問題でした。
「かぐやはねっ、おいしくないよーっておはなししたの!
でもねでもねっ、くまさん、がおーってするから、てりゃーってしたの!」
身振り手振り。
両手を挙げては熊さんの真似。
そしてパンチにキック。
どうやら随分とやんちゃな娘さんのようです。
■クロメ >
「かぐや、か」
どうにも人間のようで、人間ではなさそうな匂いがする。
自分のような存在だろうか。
しかし、精神性は子どものそれ。生まれたて、といったところか。
「私は……」
少し、考える。
「少し休んでいた」
細かいことを省いて、説明する。
それで十分だろう
「ああ、愚かなのは熊だったか」
といっても、見た目がこれではやむを得なかったのだろうか。
しかし、気配で察せなかったのは野生では敗北だ
「大したものだ。
それにしても、なぜ冒険を?」
こんな怪異じみた存在が野に放たれているのはどうしたことか。
■焔誼輝夜 >
「くろめちゃん、やすんでたの?
つかれてるのー?
ざんぎょーおわりなの?」
ずずい、ずいずい、と。
きらきらな瞳は、お姉さんになんにも遠慮なく近づいていきますね。
子供らしくない言葉選びは、最近両親がよく言ってたから覚えてしまった言葉でした。
もちろん意味なんてよくわかりませんが。
「おろかー?」
また目を丸くして、不思議そうに首を傾げました。
知らない言葉が出たのでとりあえず聞いてみるのです。
その紅い目は、教えてもらえると疑っていない目でじーっとお姉さんを見ていますね。
「んにゃっ、えっとねー」
なぜぼうけんを。
うーん、と指を咥えて考えます。
「――おるすばん、つまんなかったから?」
脱走中の家出娘のようでした。
■クロメ > 「疲れた、か。
そうだな。確かに、少々疲れていた」
疲れて、疲れ切った先に、眠りについた。
そして、今また目覚めて此処にいる。などといった事情を話すつもりはないのだが。
……どうも、相手が人間ではないと余計なことを口にしてしまいそうだ。
「ざんぎょう、はわからないが。多分、そうではない。」
別に、大したことではない、と言外に告げる。通じるかどうかはわからないが。
そもそも饒舌なタイプではないのだ。
「やれやれ」
本当に子どものようだ。難しい言葉を使っても通じないだろう。
会話をするなら気をつけないといけなさそうだ。
「おろか、というのは……バカ、ということだ。」
端的に告げる。まあ概ね間違ってはいまい。
覚えるかどうかは別に好きにすればいい。
「そうか」
留守番、ということは……親か、それに相当するものがいるようだ。
それとも、そういう体で閉じ込めていたものが居たのか。
「親がいるのか?」
そう、聞いた
■焔誼輝夜 >
幼女はまた不思議そうに首を傾げちゃいますね。
お姉さんは疲れてたみたいです。
「そっかー、ざんぎょーじゃないけど、つかれてたんだねー?
それでくろめちゃんは、きょーはおやすみなんだー?」
とりあえず納得したみたいです。
なんで疲れてたんだろう? どうしてここにいるんだろう? なんで浮いてるんだろう?
などなど、沢山の疑問符が真っすぐな視線に溢れるほど込められていますが。
「そっかー、おばかさんだったのかー」
おろかー、おろかー、と覚えたての言葉を魔法の言葉のように唱えつつ。
ふわっと幼女はほんのり浮いて、お姉さんと同じように空中に座ってみます。
「おやー?
うんっ、えっとね、さやママとね、かぐらママとねー、あとはー、そらちゃんがいるの!
でもみんないそがしーから、かぐやがおるすばんしてるの!」
えっへん、と胸を張っています。
ですが、お留守番に飽きて脱走してるのですから、あんまりえらく無いですねえ。
「ねえねえ、くろめちゃんはなんでここでおやすみしてたの?
くろめちゃんのおうちなの?
くろめちゃんはおかーさんいないの?
くろめちゃんは――」
そしてついに始まってしまいます、質問攻撃です。
紅い目がきらきら輝いて、期待が質量を伴うかのようにお姉さんを突き刺します。
■クロメ > 「そうだな。休み……だな」
つかの間の休息なのか。
それとも、永久の休みなのか。
それは、自分にもわからない。
「……」
おろかおろか、と唱え、自分と同じように座る少女を黙って見つめる。
本当にただの子どもだな
「……そうか」
胸を張る幼女が上げる名前達。どれ一人として知らないが、三人の家族のような存在がいる、ということは何となく分かる。
実際にはもう少し複雑な関係なのかも知れないが、別にそれを知りたいわけでもない。
本人が、どう思っているか、どう感じているか、の方が大事だ
「留守番なら、外に出てはいけないな?」
少し、ツッコミを入れる。といっても、別に他所の子どもを叱る気もしない。
ただ、ちょっとだけ、だ
「少し、静かなところで休みたかった、だけだ。
家は……いや。此処ではない」
矢継ぎ早に問われる質問に、手短に答える。
「……母、か。ああ。
もういないな。とうの昔に、別れた」
ただ、ほんの一瞬。その質問には少しだけ止まって、応えた。
その僅かの間に、怪異の顔はいつにもまして凍りついていた
■焔誼輝夜 >
「んん~?」
なんだか歯切れの悪いお返事に、ますます不思議そうになっちゃうのです。
おやすみにしては、あんまり楽しそうじゃないので不思議なのでしょう。
「ほにゃっ!?
――いーのっ!
だいぼーけんのほうがだいじなのっ!」
どうやらあんまり良い子ではないのかもしれませんね?
ツッコミを入れられちゃうと、びくっと震えてからちょっと目を泳がせたりしつ。
最後は両手をぶんぶんと振って、ぼーけんのほうが大事だと主張するのです。
「くろめちゃんはしずかなところがすきなの?
くろめちゃんはおかーさん――」
質問の雨あられの中、なんとなく他と答えが違ったのを察して、好奇心任せの中ちょっとだけ言葉が止まります。
うーんうーん、と唸って唸って、ちょっとだけ我慢します。
「――おかーさんのことすきだった?」
我慢しきれずきいちゃうのでした。
■クロメ > 「……」
疑念が湧いている様子だが、言葉にしないのであれば答えるつもりもない。
仮に聞かれても答えるかどうかはまた別だが
「そうか。
迷惑をかけない程度にな」
別に好きにすればいい、と思う。後悔しない程度であれば。
ただ、それ以上のことは口にはしない。
「ああ。静かなところは好きだ。」
人が居ないのなら、最高だ。
自然に囲まれた場所は好きだ。
「……わからない。
なにしろ、生まれてすぐに別れたからな」
母が好きか、という問い。
遥か昔のことを……いや、思い出すまでもない