2024/09/08 のログ
ご案内:「青垣山」に蘇芳那由他さんが現れました。
蘇芳那由他 > 緩やかに、右手に持った長大な刃を持つ蒼い輝き纏う槍を引き戻す。
目の前には、今まさに槍に貫かれて成仏?していく怪異的な何か。軽く瞑目してから見送る。

「…未熟な僕で恐縮ですが、どうか成仏してください。」

そう、言葉を述べながらゆっくりと息を吐き出した。これだけでも結構しんどい。
まぁ、戦闘能力の大部分をこの【槍】が担っているのだ。彼自身は学生同士の喧嘩レベルが関の山。

――少し前に、改めてこの【死神の神器】の使い方のレクチャーを受けたとはいえ…。

「……一朝一夕で使いこなせる訳もないし。…場数、なのかなぁやっぱり。」

右手の【槍】を眺めて嘆息。以前と比べて意思の疎通は出来るが、生憎と仲はよろしくない。
未だにこちらが少し舐められているような気配は常に感じているけれど、まぁ仕方ない。

「…実際、椎菜さんや他の神器の持ち主さんと比べたら大きく劣るからなぁ。」

これは推測でも何でも無い…ただの事実だ。彼自身が神器を通して一番感じている。

蘇芳那由他 > 青垣山には、頼まれた【仕事】の一環で足を運んだのだけど…この山は一種の異界になっていると聞いた。
…だからなのか、怪異やら悪霊やらも割とそこらに居る…気がする。

(…この神器の特性的には、多分一番相性が神器の中でも良いんだろうけど…。)

【破邪の戦槍】――おそらく、13の神器の中で最も”浄化”に特化した神器。
それでいて、単純な槍としての性能もかなり破格らしい…ど素人の少年が振るっても何とかなる。

ただ、それも【槍】のサポートが大部分を占めており、彼に槍術の才能なんて欠片すら無い。
…それを自覚しているからこそ、【槍】の使い方や応用の習熟が目下の課題。

「……なんだけど…ちょっと限界…かなぁ。」

流石に体力とか色々持ちません。頑張って右手に槍を携えつつ平然としているけれど。
よく見れば、顔からは汗がぽたぽた垂れ落ちているし若干目の焦点も危うい。

異界の中で数時間ずっと【槍】を顕現していたのでこの疲労も無理はない。

蘇芳那由他 > 取り敢えず、頼まれていた分は何とかこなせた…と、思う。
一時的な処置という話だったので、多分時間が経過したらまたごった返すのだろう。

「……疲れた…こんなずっと【槍】を出しっぱなしは初めてかも…。」

流石に疲労困憊は隠せず、声色にも疲れを滲ませながらその場に座り込んだ。
【槍】はまだ薄っすらと蒼い輝きを纏っており、おそらく周囲への警戒をしているのだろう。
少年はといえば、周囲を警戒する余裕すら無いので完全にそちら任せだ。

「……最初の頃よりは慣れてきたけど…やっぱりきっついなぁ…。」

異界に迷い込んだ経験は何度かあるし、【槍】との意思疎通も以前よりは良好。
だが、まだまだ未熟も良い所だ…神器の使い手としてはおそらく現状は最弱。
神器にも得意分野や相性などもあるだろうから、一概にそうとは言えないが…少なくとも。

(…継承者と所有者の違いとか細かい所は色々あるけど、それでも僕が一番使いこなせてないんだろうな。)

蘇芳那由他 > 「――【記憶】は…まぁ、このくらいなら削れてはいないかな…うん…。」

神器の力には代償がある…これも前回レクチャーで教わった事だ。少年の場合は【記憶】。
彼としては寿命とかが縮まるよりはマシだという認識だが、ある意味でそれ以上の地獄だ。
力を使う度に、その時間や力の強弱に比例して記憶が削られていく、強制的に。

「……まぁ、そもそも記憶喪失だからなぁ、僕は…。」

だから、正直少年にとってその代償は重いという認識にはいまいち乏しい。
削られる記憶に関しても、どうやら些細なものから削られていくようだ。これも実際に確認済み

ただ、力を過剰に長時間用いれば――きっと末路は廃人――精神的な死なのだろうな、と。
そのくらいはド素人の彼にも何となく想像は付くし、流石にそういう末路は勘弁願いたい。

地面に座り込んだまま小休止をしていたが、ずっと休みっぱなしの訳にもいかない。
槍を杖の代わりにして、よろよろと危なっかしい足取りで何とか立ち上がる。

蘇芳那由他 > 取り敢えず、携帯端末を取り出して短くメール。『お任せされた仕事一段落しました』。
どうやら電波はきちんと通じるらしい…まぁ、完全な異界、とは少し違うのだろう。
そもそも完全な異界だったら、多分帰れなくなっているかもしれないし…。

「…取り敢えず、明日も学校だしそろそろ帰ろう…。」

問題は無事に帰れるかどうかなんだけど。まだ足元がフラつくので、もう暫く【槍】には杖代わりになって貰う。

「…けど、今更だけど何で僕みたいなのが神器に選ばれたんだろうなぁ。」

神器に選ばれる資格、もとい条件も説明を受けたがいまいち実感が沸いていない。
…記憶が無いせいか、根底の自分がどうもあやふやで頼りないのも多少はある。

「…まぁ、神器に見放されない程度には頑張ろう…。」

凡人の決意なんてそのくらいが関の山だ。ゆっくりと山を下りながら帰投――案の定散々迷いました。

ご案内:「青垣山」から蘇芳那由他さんが去りました。