2024/11/02 のログ
ご案内:「青垣山 廃神社」に霜月 雫さんが現れました。
霜月 雫 > 「えっほ、えっほ」

大太刀担いでえんやこら、駆け足で山を登ってくる少女一人。
神社に何か用事がある……と言うわけでもなく、単なるラントレである。
山道は足元が不安定なため、足腰の鍛錬とバランス感覚の鍛錬に向いているのだ。

「ふぅっと……あー、ここが廃神社、かぁ」

そして軽く汗をぬぐい、荒れ果てた神社を見上げる。

霜月 雫 > 「……酷いものだね。そういうもの、って言っちゃえばそうなんだけどさ」

そして、一つため息。
かつて信仰を集めていたであろうその神社は、見事に荒れ果て、管理する者もろくにいないことが伺える。
一応建物としての体は残してはいるが、社としては……

「神様がおわす場所、には見えないよね……」

どうしようもなく、寂れ切っていた。
実際のところ、軽いラントレの行先に選んだことに特に深い意味はない。
単に、最低限整備されている山道がある、と言うだけの理由だ。
だけど。

「――このまま帰る、ってのもね」

そう言って、腕まくりをする。
そして、懐から符を取り出し……。

「――彼の地と此の地を繋ぎ給え。急々如律令」

呟き、符に手を突っ込んだ。

霜月 雫 > 既地接続符。
符をそのまま、事前に指定してある場所に接続する符。
この符は寮の自室に接続されている。
普段は、うっかり忘れた教材なんかを持ってきたり、持ちきれない荷物を自室に先に置いたりと言う用途で使っているのだが……今回は、ガサゴソと色々漁って。

「これとー、これとー、これ!」

箒、塵取り、ゴミ袋を取り出した。
そして、符を仕舞い、よし!と気合を入れて。

「掃除、しますか!」

唐突に、掃き掃除を開始した。

霜月 雫 > 「~♪」

ご機嫌に鼻歌を歌いながら、ざっざかざっざか境内を掃除する。
時期的にも秋を過ぎてもう冬だ。整備もされていない境内は落ち葉が散っている。
それを集め、袋に詰め、縛り、そしてまた集める。
元々、霜月家は武門だが、神道系との繋がりが強い。
その当主の娘として、巫女としての修行も積んだことがあることもあり、どうにも『神社が荒れ果てたまま放置されている』と言うことが我慢ならなかったのだ。

「……にしても、季節がしっちゃかめっちゃかだったなあ」

掃除をしながら、ぼんやりとそんなことを。

霜月 雫 > 特に、夏が長い。
春もそこそこに夏の暑さが到来し、秋を圧迫して気が付いたら冬が間近だ。
五行で言うと、火行が優勢になっている状態。バランスで言えば崩れている。
五行の力を借りる巫術師としては、どうにも気にかかる事だった。

「勿論、大きな気の流れに、個人でああだこうだなんて出来ないけどさ……」

そうはいっても、やはり四季にはバランスよくあって欲しい。
心なしか落ち葉が少なく見えるのも、他にも誰かが掃除したのか、単に秋が短かったからなのか。
ざっざかざっざか、掃いて行く。

霜月 雫 > ざっざかざっざか。
掃いては集め、掃いては集め。
ある程度、境内がすっきりしてきたところで。

「とりあえず、今日はこれくらいにしておくかな?」

ふうっと一息。
結構な時間がかかってしまったのと、折角だしまた来てまた掃除しよう、と思ったのだ。
と言うかもう結構いい時間である。気づけばもう暗い。
割とてんこ盛りになってしまったゴミ袋を符を使って自室に……送ろうとして手を止める。

「……これ、もしかして溢れない?」

もしかしても溢れる。

霜月 雫 > 「え、やば、どうしよこれ……流石に置いていくわけにも……でもこれ全部持って帰るのは無理だし……」

あわあわあわ。
さっきまでご機嫌に掃除をしていたとは思えないうろたえぶりである。
と言うかこんなに山ほどになるとは思わなかったのだ。

否、よく考えれば分かるはずである。

つまり、深く考えずやっちゃっただけなのだ。

霜月 雫 > 「え、えとえと、取り合えずいける分だけは部屋に送って……!」

ぽいぽいぽい。
符に放り込んでいくも、そろそろダメですね…と言う頃合いで残量を見ると、まあまあの量が残ってしまっていた。

「う、うーん……火行で燃やす、わけにもいかないし……」

頭を抱えて考え込む。
やろうと思えば全て燃やせるが、それをすると火事になる可能性もあるし、何より煙で周囲に色々伝わってしまう。
多分、と言うよりは間違いなく、まずい。