2024/07/30 のログ
ご案内:「路面バス/停留所」にシアさんが現れました。
シア > バス!!!!!!

少女には初体験であった。
といっても、未だその姿は見えないのだが。
ともあれ、ここで待っていればそれは来るらしい。

「んー…」

やや不安もある。
自分の足を使わない移動方法を使ったことが皆無、とは言わない。
しかし、それは概ね自分の見える範囲の移動が主だった。

……その意味では、ここに来るまでに使ったヒコウキ、というのは新鮮であった。

「試してみないとか、何事も」

手持ち無沙汰、という風に停留所で辺りをキョロキョロと見回してみた

シア > 当然ながら、そこには無機質な地面と簡素な停留所を示す立て札があるのみ。
他には、特にこれといったなにかがあるわけでもない。
見ていて楽しいかと言われれば、別に……となる。

「……普通?」

当然といえば当然の感想が漏れる。
別に、突然地面が割れて地下に落下するわけでも、さらにその先に秘密基地があったりするわけではない。
悪の組織も、正義の組織も……あるのかもしれないが、少なくとも多分ここにはない、多分だ。

「平和だね、この辺は」

少し前に行った奇妙な街は、怪しいことだらけだった。危険と言われただけのことはあったのだろう。
先だって遭遇した怪異は、強くはなさそうであったが奇妙な存在であり畏怖する意味は理解できた。
そういう物は、少なくともこのあたりにはない。

「……委員会かな、やっぱり」

そういう秩序、というものが保たれるのはそれのおかげだろうか。
調べた処、色々な委員会、というものがあるらしい。
それがそれぞれに島を保つための仕事をしているようだ。

シア > 「お」

バスがやってきた。
眼の前で、扉が開く

「……自動、扉」

知ってはいるが、まだなんだか落ち着かない。
なにより、ある程度の間合いに入ったら勝手に開く、とはまたタイミングが違う。

「……えっと」

確か、先に料金を払う、のだったか?
そもそもいくら払えばいいのだろう。

「……」

少々考えていると、気を利かせた運転手が教えてくれる。
少女のように、バスを見知らぬような存在に慣れているのだろうか。

「……うん」

指定された料金を払い、少女はバスの中に消えていく
すぐに扉は締まり……そして、小さな旅が始まったのであった。

ご案内:「路面バス/停留所」からシアさんが去りました。