2024/08/16 のログ
ご案内:「データ溜まり」にバーチャル・イーリスさんが現れました。
■バーチャル・イーリス > 常世島の様々なデータが集まるデータ溜まり。
そこに、バーチャル・イーリスがアクセスしていた。
イーリスは自身の自我を電子化しており、それ故に電脳世界を自在に行き来できる。
イーリスが今いるのは、研究区のデータが集められている場所だ。
「さすがに研究区ともなるとデータも多いです」
データ溜まりの解析はイーリスにとって、情報を収集する常套手段である。
■バーチャル・イーリス > 電脳空間で、イーリスの周囲に様々なデータがまるで光子のように飛び交う。
それはデータでしかないのだが、イーリス自身が電子化した存在にも関わらず五感も持ち合わせているので、データを見たり聞いたり嗅いだり感じたりできる。
イーリスがあるデータに触れると、そのデータが読み込まれていく。
「研究失敗の隠蔽……。これも、ナナさんが逃げ出してきた研究施設の情報ではないですね。こっちのデータは、研究日誌……。興味深いので保存しますが、目的の情報ではありません」
■バーチャル・イーリス > 電脳空間を自由に飛び回るイーリス。
データ溜まりはハッカーの温床にもなっており、電脳空間の無法地帯とも言える場所だった。
安易にアクセスするとハッカーがばら撒いたウイルスに感染してしまう恐れもあるだろう。
「このデータは、どこぞのハッカーがばら撒いたウイルスですね。なるほど、中々に使えそうなウイルスです。少し利用させていただきましょう。えい!」
ハッカーに気づかれないように、ウイルスにナナさんが元居た研究施設の情報をこのデータ溜まりで集めてイーリスに知らせるプログラムを仕込んだ。安全性のため、そのプログラムは三日ぐらいで自動消去されて痕跡も抹消される。
ウイルスに感染した人の端末を利用するという、アンダーグラウンドな方法になる。せめて、ハッカーに気づかれない程度にウイルスに感染した端末の被害が減るようデータを書き換えておこう。プログラムは三日後にイーリスが仕込んだプログラムは自動消去されてしまうので、その後の保証できなくなるけど、ウイルスに感染しているという事は伝えられる。
■バーチャル・イーリス > 「ただ、ナナさんがいた研究所も、データ溜まりにデリートしたはずのデータを流してしまうなんてへまはやっていないかもしれませんね」
イーリスも消去したはずのデータをデータ溜まりに流すなんてへまはやらない。
データ溜まりに一部のデータが流れてしまう研究施設もあるけど、ここで目当ての情報は見つからないかもしれない……。
「今日の調査はこのあたりにしておきましょう」
バーチャル・イーリスはログアウトして、電脳世界から消えた。
ご案内:「データ溜まり」からバーチャル・イーリスさんが去りました。