2024/11/03 のログ
ご案内:「イーリスの《体内超高性能コンピューター・イリジウム》内にある電脳世界」にバーチャル・イーリスさんが現れました。
■バーチャル・イーリス > イーリスの体内コンピューターにある電脳世界の一つ。
真っ白な床と真っ暗なお空、そして周囲に青白く光る『0』と『1』が無数に漂う世界。
そこにぽつんと仮装の『数ある事務所』が存在し、応接間のソファにバーチャル・イーリスが座っている。
イーリスがぎゅっと抱いているのは、エルピスさんの抱き枕。
やはり『数ある事務所』がとても住み心地が良い。
現実の時刻は深夜。
現実のイーリスは、私室にてエルピスさんと抱き合って眠っている……というのは二人にとっての日常風景。
現実でも電脳世界でも、別の形でエルピスさんを抱きしめている。電脳世界でエルピスさんの抱き枕を抱いている光景は、現実のエルピスさんにはお見せできない……。
体は休眠状態だけど、自我たるバーチャル・イーリスはまだ眠らずにいた。
■バーチャル・イーリス > 「今は、どのようなお話が朗読されているのでしょうか」
テーブルの上に不自然に置かれた大きなスピーカーから聞こえるのは、物語の朗読。
最近、イーリスが密かに聞いている『不可思議通りの御伽噺』の配信だ。
24時間ずっと朗読が配信され続けている謎のチャンネルである。
「今は、赤ずきんちゃんを語り聞かせているのですね」
世界的に有名な童話、赤ずきんちゃん。
常世渋谷のハロウィンナイトで、エルピスさんと仮装した時の事を思い出す。
■バーチャル・イーリス > 「赤ずきんちゃんに仮装したえるぴすさん、凄く素敵でかわいらしかったです。えるぴすさんが私の事をいっぱい愛してくれていて嬉しい……」
目を細めながら頬を赤らめながら、ぎゅっと、エルピスさんの抱き枕を強く抱きしめる。
現実世界のイーリスもエルピスさんを強く抱きしめていた。
そうしている間にも、赤ずきんちゃんの朗読は進んでいく。
■バーチャル・イーリス > 赤ずきんちゃんが狼さんに食べられた。
めでたしめでたし。
「いえ、全然めでたしではないではないですか……!? 赤ずきんちゃんとおばあさんを助ける猟師さん、どこいったのですか!?」
狼さんに食べられた赤ずきんちゃんとおばあさんが猟師さんに救出されないまま終わった。
「そういえば……原作版の赤ずきんちゃんは、猟師さんによる救出はないのでしたね……」
まさかの“ほんとうはこわい”とか言われていた原作版の赤ずきんちゃんだった……。
■バーチャル・イーリス > 「どうしてでしょう……。妙に記憶残りがよかったりします……。うぅ……寝る前に聞くには、とても怖いお話でした……」
記憶に残って、夢に出てきてしまいそう……。
「える……ぴす……さん……」
イーリスはエルピスさんの肌の温もりを求めて、バーチャルから現実に戻った。
■バーチャル・イーリス > 現実で目覚めた涙目なイーリスは、眠っているエルピスさんをぎゅっと抱きしめて、エルピスさんの肌の温もりや香りで安心感を覚えていた。
こわいお話の恐怖も、エルピスさんをこうして抱きしめていたらとても安心して和らいでいく……。
「えるぴすさん……すき……」
エルピスさんを抱きしめていると、イーリスはいつの間にかに眠っていた。
ご案内:「イーリスの《体内超高性能コンピューター・イリジウム》内にある電脳世界」からバーチャル・イーリスさんが去りました。