2024/12/03 のログ
ご案内:「イーリスの電脳世界」にバーチャル・イーリスさんが現れました。
ご案内:「イーリスの電脳世界」に『超自我』さんが現れました。
■イーリスの《体内超高性能コンピューター・イリジウム》にある電脳世界 > イーリスの《体内超高性能コンピューター・イリジウム》にある電脳世界の一つ。超自我さんが暮らす電脳世界。
その電脳世界には、拠点とするお城を中心に広大な世界がいっぱい広がっていて、様々な景色が各地で見られる。
ファンタジー風な地域、現在風の地域、SF的な近未来風、大昭時代っぽい風景、南国、その他にもバラエティさまざま。
足や乗り物、騎乗などでいく事ができる他、各所に設置されているワープゲートでの移動も可能。
また電脳世界には様々な人達が暮らしている。超自我さん以外はNPCではあるのだが、シンギュラリティに到達したその技術は、まるで本当に生きている生物かのように振る舞い、この世界で生活していた。
各地域によっては、人間だけではなくてねこや犬などの動物、虫や魚や鳥、エルフやドワーフといったファンタジーな種族、ロボット、はたまたモンスターだったり、もしかしたらどこかに世界征服を狙っている魔王とかいてもおかしくない。
ひょっとしたら、超自我さんと仲良くなった電脳世界の住民もいたりするかもしれない。
超自我さんは今、この電脳世界のどこで何をしているだろうか。
■『超自我』 >
イーリスが体内に有する《体内超高性能コンピューター・イリジウム》で演算されている電脳世界。
その一区画を割り当てられている、小さな緑髪の幼子の電子情報存在が存在する。
ひょんなことから──イーリスがギフターと呼ばれるものからギフトを授かった魔法少女マリアに敗れ致命傷を負い、
エルピス・シズメが少なくない代償を支払いイーリスをカプセル型の医療器に繋いで延命措置を施し、
体内コンピューターの電脳空間に干渉してイーリスを再覚醒させていた隙に入り込んだ異物。
詳細こそ省くがエルピス・シズメの異質な構成情報の余剰データを用いて存在する、『超自我』を名乗るもの。
彼の構成情報から産まれたことと、その在り方に興味を持たれて存在することを許されているもの。
「約三か月、イーリスの中に居て──この素敵な箱庭も勝手知ったるものになったのなの。」
今現在、この幼子が居る所は最初に形成された区画の一つ。
改装前の『数ある事務所』の応接間を再現した領域に佇んでいる。
用意された空間のそれぞれには、大体足を運び終わった所。
今は大きなテーブルの上に並べていたタロットを片付けて、束ね直して脇に置いた所。
「──そろそろイーリスが来る時間なの。」
■バーチャル・イーリス > 超自我さんがこの世界に住んでここ数ヵ月。この世界でも生活している人々がいて、超自我さんの干渉の仕方次第ではもしかしたら世界が色んな方向に変化していったかもしれない。
ゲーム感覚ののりで色んな地域に行ったり、冒険したり、色んな人達と仲良くなれたり、恋愛とかもできたり、もしかしたら世界救えたり、世界征服すらもできるかもしれない世界ではある。
バーチャル・イーリスも、この世界にログインして超自我さんによく会いにきていた。
超自我さんもまた、イーリスの視覚情報や《ミケ四型試作機》クロミちゃんを操作したりで、現実世界を眺める事もできるようになっていた。
待ち合わせしている場所は、最初につくられた区画のひとつにある改装前の『数ある事務所』。事務所の周囲は、今でいう指定保護区域《フェイルド・シティ》の一角。つまりは、事務所のご近所の再現になっている、そんな地域。
事務所の玄関で、青白く光る0と1の信号、光子などが集まり、人の体を更生していく。それら光子と0と1の信号がイーリスの体を象っていく。
バーチャル世界のイーリスがふわっと宙に浮き、ゆっくりと床に足をつけた。
応接間の扉をノックした後、扉を開けた。
「ごきげんよう。お待たせしました、超自我さん。スコーンを持ってきました。お茶の用意をしますね」
にこっ、と超自我さんに笑みを浮かべる。
イーリスの右手にあるのはケーキ箱。ジャムや生クリームのスコーンが入っている。
キッチンの方に行ってお皿やティーセットなどを取りに行く。
紅茶を入れるためのお湯を沸かし始める。
■『超自我』 >
「──ありがとうなの。待っていたのなの。」
眼を細めて、幼子らしくない愛おしそうな瞳でイーリスを出迎える。
とは言えそれも束の間。お茶をお茶菓子を用意すると伝えられると足をぶらぶらさせて楽しそうに待つ。
「ひとまず、なにから話そうか迷っちゃうけれど──ここまで、元気そうでなによりなの。」
そんな言葉と共に、イーリスの着席を待つ。
お茶とお茶菓子を今か今かと待っている。
「ここからお外を眺めていたけれど、とても楽しそうなことをいっぱいしていて羨ましいぐらいのなの。
もちろん、ここも興味深くて楽しかったのなの。おかげで本来ほどじゃないけど出来る事も増えたのなの。」
イーリスが作りだした仮想世界。
十分に与えられた時間とリソースを使って色々な事をしていたけれど、
この場所はそのまま残してあるらしい。少なくとも、情報の履歴はそうなっている。
■バーチャル・イーリス > 『数ある事務所』の応接間とキッチンは隣り合わせのお部屋なので、ふたりの声が届いて会話ができる。
「ありがとうございます。元気にたのしい日々を過ごしております。楽しく学園生活を過ごしながら。えるぴすさんとハロウィンに仮装してデートしたり、メタラグで遊んだり 最近はえるぴすさんと共に部活を設立したりもしました」
キッチンでお茶の用意をしながら楽し気に話している。
とても楽しい日々に、イーリスは目を細めた。
「この世界を楽しんでいただけて嬉しいです。超自我さんが現実でも動ける体を開発している最中でもありますよ。ふふ、超自我さんの姿をそのままモデルにしたとても愛らしい体になってます。その、超自我さんが違和感なく動けるように調整したいので、超自我さんの一部データを少しお借りしてもよろしいでしょうか? その……なくても完成させるだけなら可能かもしれませんが、データがあった方が確実に超自我さんが違和感なく動かせる体になります」
きょとんと小首をかしげる。
現実で造られる超自我さんの体が違和感なく動かせるよう調整するためのデータがほしかった。なくても完成しなくはないかもしれないけど、あった方が確実に超自我さんに合った体になる。
トレイを持って応接間に戻ってくる。
トレイをテーブルに置き、ティーポットを持ってティーカップにふたり分の紅茶を注ぐ。
片方を超自我さんに差し出した。テーブルに置かれたお皿には、ジャムや生クリームが入ったスコーンが盛られている。
イーリスはソファーにゆったりと座って、超自我さんにもソファーに座るよう促していた。
ふと、タロットカードに目を移す。
「超自我さんは、タロットカードで占いをなされていたのですね。何を占われていたのでしょう?」
少し首を傾げた。
■『超自我』 >
「うん。だいたいみてたのなの。とても楽しそうだったのなの。
だから、邪魔がないようにしたのなの。ほめてなの。」
イーリスへのMessageを発信し、それをキャンセルした『とあるタイミング』。
キャンセルすると言って、一時的に仮想世界内に籠ったのか反応が消失していた期間。
……このあるタイミングを境に、最近まで応答が消えていて仮想世界内で活発に活動していた痕跡がある。
なにかしら反応を返す様になったのは、ここ数週間。
キャンセルされた内容は、電脳世界の奥深くまで行けば発掘出来るかもしれないが……。
「ちなみに、このタロットカードは『想い出を記録するタロット』なの。
『ここ最近起きた出来事の通りに、タロットカードを並べた』のなの。」
奇妙な言い回し。
デジタルな情報に変換して観察すると、『記録された想い出』を反復再生し、再保存している事が分かる。
タロットカードそのものが、『仮想世界の中の時間軸』に近い情報構造をしている。
記録された世界の見方のひとつ、のようにも見える。
「たしかに、そろそろ現実でも動けるように──んんん……。
……ひとまずわたしのデータは持って行っていいのなの。あ、でも……」
むずかしい顔で唸る。
彼女は超自我、と名乗ってはいるが、あるいは名乗っているのにも関わらずデータ上のラベルは『N/A』。
出会った当初と違い、状態が安定しているにも関わらず奇妙な状態だ。
「名前が欲しいのなの。それがないと、データが取り辛いと思うのなの。それに……」
ねだるように、バーチャル・イーリスの瞳を見つめる。
「このまえにエルピスとイーリスがこどもたちと遊んでいたときに、なまえをかいていて羨ましかったなの。」