2024/06/17 のログ
ご案内:「常世総合病院-病室-」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
「本当~に、ごめん。面目なーい……」
その病室にいた3人は、思いのほか明るく、元気な様子で迎えてくれた。
『や、作戦はあの時点ではかなり精度高かったよ。気にする程じゃない』
『もう一段階奥の手があるとは誰も思ってなかったからねー…』
あの作戦で負傷し、数日入院を余儀なくされた。
元々友人付き合いのある風紀委員数名。
うち二名は軽症だったけれど、この病室にいる3人は…。
それぞれ、腕や足の骨を亀裂骨折…。
魔術治療を施しても、数日は病院をでられない。
「私が二回目の降伏勧告なんてせずに、追撃してれば──」
判断ミス…ですら、実はない。
彼の命にとどめを刺す選択肢なんか最初からなかった。
それは、彼女をよく知る病室の面々もよーく理解している。
『リンちゃんには出来ないでしょ、それ』
『俺らもわかってて作戦に付き合ったんだからさ』
『もう頭下げなくていいって』
───優しい言葉が、刺さる。
彼の攻撃から、咄嗟に後方へ飛んだ自分が一番の軽傷…。
逃走を阻止しようとした、彼らのほうが酷い怪我を負った。
それだけは動かざる事実。
■伊都波 凛霞 >
『でも、なんで機界魔人は伊都波さんにトドメささなかったんだ?』
「…え?」
『俺等じゃ申し訳ないけどアイツの逃げるの止めれなかったし。
まぁ正面突破されてる時点で装備も異能も無意味なぐらいだったんだけどさ』
『ちょっと戻ってリンちゃんをとりあえず動けなくするぐらい、出来たと思うんだけどな』
「………」
彼らの言葉。そんなことは考えもしなかった。
でも確かに…あの場で私を再起不能にしない理由はなかった気がする。
彼は『お前が下だ』と告げただけ───。
「どうだろ…ただ逃げることを優先しただけ、かもしれないし…」
■伊都波 凛霞 >
『アイツ、伊都波さんのこと知ってたんだろ?
五体満足で帰したら異能で必ず追いつかれるし、絶対により角度あげた作戦組んで来るし』
『生かしといて良いこと1つもないよな』
「そ、その言われ方はちょっとどうかなと思うけど…!」
でも、言われてみれば。
そう考えてみると、その行動は…。
より優先すべきことがあったか。
すでに私を脅威と感じていなかったか。
──時間に追われていたか。
■伊都波 凛霞 >
「わかんない」
「彼が考えてたことなんて、何にも」
──上下や、優劣。
そういったものへの劣等感にも似た台詞は、何から来るものだったのか──
本人がその真意を語らない限りは、それはドス黒い闇の奥の底だ。
「とりあえず。しっかり休んで、無理しないでね…?
退院できたらみんなにパンケーキご馳走するから」
小さな笑い声。命が無事だっただけでも、不幸中の幸い。
良かった。とまでは…口にできないけれど。
『それで、ここからどうする?』
『諦めるのも癪だけどね』
「もうみんなに無理はさせれないよ。
実は、とある人から情報提供があって───」
凛霞の見せる大量の紙束。
直接追いかける以外にも、彼を追う手段は在る。
失敗した作戦を練り直して再戦するよりもより有効な──彼を追う手段が。
ご案内:「常世総合病院-病室-」から伊都波 凛霞さんが去りました。