2024/06/18 のログ
ご案内:「境界 落第街と歓楽街と」にシャンティさんが現れました。
シャンティ > ぽたり ぽたり ぽたり
小さな 赤い斑点が 地に落ちる

「ぁあ……」

それに気がついたように、女が吐息を漏らす。
右の手が折れ、ちらりと白いものが覗いている。
そこから赤い筋がたらりと垂れている

「……駄目、ね。これ、じゃ……目立、っちゃう、わ、ねぇ……?」

小さく首を傾げる。

「せっか、く……折って、もら、ったの……治し、たく、ない、しぃ……
 血、だけ……止め、ちゃ、おう、か、しら……?」

なんの感覚も伝えない腕を小さく振る。
だらり、とした腕が動いていけない動きで揺れる

「……あぁ……やっぱ、り……
 なに、も……感じ、ない……の、ねぇ……」

小さく吐息を吐く

シャンティ > 「……」

思い返す。
あの出来事は、夢幻ではなかったのか、と。

だが、しかし
確かに、悪は此処に在ったのだ、と。
折れた腕が証明していた。

「……あぁ……
 あの、物語、を……ぜん、ぶ……読み、たか、った……わ、ぁ……」

相手を前にしてみれば、そんなミーハーは吹き飛んでしまった。
ただ、無粋にならないために。
ただ、最後まで道行きを進んでもらうために。

あれは、うまくいったのだろうか。
砕け、ねじ曲がった腕はしかし……なんの感覚も伝えてはくれない。

「……原点……
 えぇ……いい、体験、だった、わ」