2024/06/20 のログ
ご案内:「常世公園・ある日」に緋月さんが現れました。
ご案内:「常世公園・ある日」に伊都波 凛霞さんが現れました。
緋月 > ふらりと公園に現れる人影。
暗い赤色の外套(マント)を纏った、書生服姿の少女である。
手にはこれまたいつも通りに長物の入った刀袋。

「………困った。」

呆然と呟く。
意気込んで出てきたはいいものの、よく考えれば探し人の行動範囲が何処か、まるで分からない。

「…とりあえず、ちょっと頭を冷やして考えましょうか。」

目についたベンチに足を運び、ふらっと歩み寄って腰を下ろす。
そう言えば、探し人の妹さんに出会ったのも確かこの公園だったな、と、ふと思い出した。

伊都波 凛霞 >  
「風が冷たい…一雨来そうかな…?」

放課後。色々と所用を済ませた帰り道。
少しだけ寄り道をした帰りにたまたま、公園の横を通りかかった。

特に急ぐ様子はなく。それなりの歩行速度で貴女の目的の相手が横切ろうとしていた。

緋月 > 「――あ!」

ぼうっと以前の事を思い出しながら辺りを眺めていたら、まさに探していたその人が目の前を横切る所だった。
慌てて立ち上がると、思わず大きな声を出してしまう。

「あの――! え、えっと…悠薇さんの、お姉様!?」

名前は既に知っていたのに、肝心な時に出てこなかった。
咄嗟に一番理解が早い呼び方で呼び止めようとしてしまう。

(あぁ~、何たる不覚…!)

伊都波 凛霞 >  
「うわっ!?」

唐突に公園内からかけられた大きな声に思わずびくっとなる。
見ればそこには赤い瞳の少女。
最近報告書で確認したとある人物の風貌と余りにも酷似しているため、なんとなくすぐにそうかな。とは思いつつ足を止めて。

「あー、びっくりした。
 ええと…緋月さん、であってる?」

やや不安ながらも名前を口にする。

「良かったね。怪我は大したことなかったみたいで」

にこやかに笑みを浮かべて進行方向を変えると、ベンチの近くまで。

緋月 > 「あ、これは失礼を…! はい、緋月でございます。」

驚かせてしまったのは悪い事をした。
改めて名乗りつつ、謝罪の意も込めて一礼。

「はい、その節は風紀委員の皆様にはご迷惑をおかけしまして…。
お陰様で、怪我も完全に治りました。」

大丈夫というアピールも兼ねて、空いている方の腕を少々大げさに振る。

「もしかして、何かご用事でしたでしょうか?」

少し急いでいたように見えたのと、話す時間が取れそうかをさりげなく探る為、まずは軽い質問。

伊都波 凛霞 >  
「どうも。伊都波凛霞と申します」

一礼にこちらも丁寧に頭を下げる。

「ふふっ。こちらこそ。
 おかげであの事件の被害は最小限に食い止められたんだから。
 少し心配だったけど、大丈夫そうだね」

アピールを見て、くすりと笑みを浮かべる。
さて、声をかけてきたということは何かしら用があるのかな、と。

「ううん、帰るだけ。雨が降ってきそうだなーと思ってさ」

もうすぐ夏。今は黒い雲はでていないけれど吹く風は少し湿っていて、涼やかなもの。

緋月 > 「これはご丁寧にどうも。
お名前だけは、悠薇さんから伺っております。」

何と言うか、少し話しただけだが、先に会った彼女の妹である女生徒とは対照的だ、と感じる。
あの人と最初に会った時のあの怖い笑顔は、今にして思えば人と話すのに慣れていなかったのでは、と思う。

「はい、幸いというか、傷の治りは早い方ですので。
襲われていた方も無事に逃げられたようで、良かったです。」

と答えつつ、どうやら用事などはなく帰宅の途上らしいとまずは安心。
確かに、そろそろ雨の多さが心配になる時期の筈だ。

(さて――どう切り込むか。)

思案。直ぐに結論が出る。そもそも腹芸の類があまり得意ではない方だ。

「…その、もしよろしければ、少しお話がしたいな、と。
懇親会の時の氷菓子…失礼、アイスのお礼もまだでしたし。」

つい今しがたまで座っていたベンチを軽く示す。

伊都波 凛霞 >  
「あ…悠薇のお友達だった…?」

そういえば最初に声をかけらた時も。
ぱっと嬉しそうな笑顔を浮かべる。
最愛の妹のお友達。
会えて嬉しくないわけがない。

「ん。いいよ。お話しよう♪
 あはは、お礼なんて気にしなくてもいいけどね」

失礼します。とスカートを後ろ手にととのえて、ベンチに掛けよう。

緋月 > 「うーん…どう、なのでしょう。
先の件で、思ったより早く退院出来た折に偶然お会いして、いくらかお話をしまして。
――欲を言えば、友人だと…出来れば知人であると思って貰えているなら、私としては嬉しいです。
まだまだ知己が足りませんので。」

少し困った笑顔で、ぽりぽりと頬を掻く。
自身も改めて、彼女の隣に座り直す。

「そう、悠薇さんとお会いしたのも確かこの公園でした。
――烏滸がましいかも知れませんが、少しだけ悠薇さんには似たモノを感じてしまって。
私も、姉がいるものでして。」

あの時、少し話した事を思い出す。

「いえ、今まで食べた事のない代物だったので驚きました。
あの、西瓜の形に似せた氷菓子がとても美味しかったです。
――緋彩さんにも、しっかりお礼を言うように、と言われまして。」

さりげなく力を入れた一言。
さて、気付いてくれるだろうか、と思いつつ。

伊都波 凛霞 >  
「そっか。よかったらまた話相手になってくれたら嬉しいな。
 あの子、ちょっとだけ他人との距離感を詰めるのが苦手がところがあって…」

少しだけ心配そうに眉を下げてしまう。
過保護かなと思ってしまうけれど、どうしても放っておけない。
そんな姉馬鹿な部分の片鱗を感じさせる。

「そうなの?緋月さんも妹さんなんだ。
 ふふ、アイスもご堪能してもらえたなら何より───」

さて。
空気感は伝わってる。
何かを切り出したいんだろうな…、って。

「いいよ。時間はあるし、要件をどうぞ?」

にこやかに、隣の少女へとそう問いかける。

緋月 > 「はい、私としてもまた悠薇さんとお話はしたいので。」

成程、ちょっと過保護というのはこう言う事なのか。
妹の事がどうにも心配でならない――というのが、少女にも伝わる。
でも、こうして心を砕くという事は、第三者から見れば良い姉である、とは感じる。

そうしている間に、どうやらこちらの言いたい事も伝わったらしい。
一つ息を吐く。まずは――そう、

「……凛霞さんも、確か風紀委員、なのですよね。
であれば――もう知っているものと思いますが。

暫く前に、緋彩さんが部屋に戻られました。
見た限り、腕と頭に怪我を負って、服もボロボロでした。

…ご本人から、直接聞きました。
例の、鉄腕の怪人と戦って、傷を負ったと。」

今回、書生服姿の少女の同居人は風紀委員としてではなくいち個人として例の怪人に挑んだという。
それが風紀委員会にもバレて叱責を受けたという事は、彼女の方にも届いているだろうか。

伊都波 凛霞 >  
快く了承を返してもらえると、実に嬉しそうにその笑みを深める。
素直な性格の人間であるというのがとてもよく伝わる、そんな雰囲気。

彼女、緋月の言葉を黙って聞く。
記憶に新しい。連続事件のうちの一つ。
最後まで言葉を聞いて、んー…と小さく唸ってから、口を開いた。

「知ってるし、聞いてるよ。
 怒られてもいたし、反省もしてたように見えたけど。
 まぁ、風紀委員っていっても十人十色。
 彼女みたいに武人!って感じの子は、そうなっちゃうこともあるかもね」

そう言って、苦笑する。
心配はあるけど、必要以上に咎める必要もない。という様に。

緋月 > 「聞いておられましたか…。
私も――仮にも武者修行の身の上です。
先に噂の方を聞いていたら、私も緋彩さんと同じ事を考えたかも知れません。」

理解はしてくれているようで、助かった。
少なくとも、彼女は同居人を咎める事がないようで少し安心である。
一つ息を吐き、話を続ける。

「…その、緋彩さんはもうあの怪人に挑むつもりはないと、話してくれました。
ただ、その時に一緒に話してくれた事が、気にかかって…。

えと、凛霞さんは、どれだけお話を聞いておられますか?」

どこまで知っているのか、ストレートに探りを入れる。
状況によって、何処から次の質問につなげるべきか、出来る限り冷静に考えつつ。

伊都波 凛霞 >  
凛霞もまた武人としての側面は在る。
禁じ手の一切ない古流武術を幼い頃から…となれば恐らく彼女達と大差はない。
理解は出来る。あとはきっと自制心の問題。

「私は刑事課所属だから、情報は色々と入っているし」

「当然、犯人像もそれなりに捜査されてるからね」

隣に座る彼女の赤い目をじっと見る。
捜査という関係上、知っていることを全て明かすことは当然出来ない。

「刑事課としてどこまで知ってるか。緋月さんに教えられることは少ないかな…。。
 ──ただ、なんとなく気にかけてることは理解るよ。
 とりあえず遠慮なく聞いてくれておっけー。話せる範囲でいいなら話すから」

そう言って、場の雰囲気を和らげるように姿勢と表情を崩して。

緋月 > 「――そうですか。かたじけない。
では不躾ながら、いくつか。」

改めて、赤い瞳が隣の少女に向く。
何処か、迷いのあった今までとは異なり、真剣な色を帯びて。

「緋彩さんは、かの怪人から捻くれたもの…風紀委員に対する「失望」を感じた、と話して下さいました。
あくまで推測だ、と前置きはありましたが、引っかかる所はあったものだと思います。
――失望というものは、期待かそれに準ずる何かがあってのもの。

例の怪人は、風紀委員と何某かの関りのある者、あるいはあった者ではないか?
それが、今の私の考えている事です。

……凛霞さんは、どう思われますか?」

其処までを言い切って、小さく息を整える。
出来るだけ周りに聞こえないよう、気を払ったつもりだ。

「無論、凛霞さんの立場もございます。
大っぴらに答えられないならば、それでも構いませぬ。」

無理難題を言っているのは自覚がある。
だから、「お答えできかねます」という切り返しを容認する「逃げ道」の用意も忘れなかった。

伊都波 凛霞 >  
真剣な問いには、真剣に答える。

──要するに。

緋彩さんとの交戦の際の機界魔人(テンタクロウ)の言葉。
それは風紀委員への失望を口にしたものだと言う。
(テンタクロウ)の風紀委員への何らかの固執は、それまでにも見られたもの。
よりそれが明確となり…。
その正体が風紀委員の関係者ではないか、とい色が濃くなった。
そういう形だ。

「……まぁ、緋彩さんが色々話しているなら、貴女は信頼に値すると見ているのでしょうし」

確か一緒に住んでいる、とか言ってたっけ。
彼女(緋月)との距離も時間も、彼女(緋彩)のほうがより近く長い。
人柄の理解も、深かろう。

「もし」

「もしそうだったとして…緋月さんがどうするのか…のほうが私にとっては重要かな」

そう言って、視線を深く交わそう。
その情報を得手、眼の前の少女は。

「貴女は何をしようとしているの?」