2024/06/25 のログ
ご案内:「常世総合病院 個室型ICU」に緋月さんが現れました。
総合病院 > 常世総合病院の個室型ICU。
その一室は、今も尚厳しく立ち入りが制限されている。

訪れるのは定期確認を行う看護師と、容体を確かめに来る医師のみ。
それ以外は、一定の周期で繰り返される医療機器の電子音だけが支配する部屋。

緋月 > ベッドの上には「緋月」と記載されたネームプレート
多数の機具に囲まれ、コードで繋がれて今もベッドに横たわるのは、一人の少女。

医療器具を除けば、病室にあるものは片隅の刀掛台に丁寧に置かれた白い刀。
電子音が定期的に響く以外は、何者の声もしないその病室で。


――――ぴくり、とその指先が僅かに動く。

緋月 > 小さく瞼が震え、ゆっくりと目が開かれる。
はっきりとした風景は見えない。瞼に力が入らない。
ぼやけて見える天井は、一度見た事のあるものによく似ていた。

身体を起こそうとする。が、動かない。
力が入らない、身体中がひどい倦怠感と時折走る鈍痛に支配されている。
それ以前に、何やら身体中にくっついていて邪魔だ。
外したいが、腕が動かない。

ため息を吐いて、身体から力を抜く。

緋月 > から、と音がする。扉の開く音。
億劫ながら、何とか少しだけ首と目をそちらに動かす。
何か、板のようなものを抱えた白い服の女性が入って来たようだ。

此方が視線を向けている事に気が付くと、その表情が驚愕のものになる。
少し失礼ではないかと思った。
だが、それを言葉にする程、気力がない。

緋月 > 乾いてかさかさの唇を、何とか開く。
声は、出るだろうか。少し、喉が痛い。

「すみません………ここは、どこですか……?
その……水が、欲しいのですが――――。」

総合病院 > ――先生、至急先生を呼んでください!

――信じられん、こんな速度で意識が戻るとは…

――点滴に、経絡修復薬の追加を――


その日、総合病院の一室は、俄かに慌ただしくなった。

ご案内:「常世総合病院 個室型ICU」から緋月さんが去りました。