2024/08/20 のログ
ご案内:「『数ある事務所』」にDr.イーリスさんが現れました。
■Dr.イーリス > 地下が掘り進められている『数ある事務所』。
その応接間。
イーリスは、PCの画面を眺めていた。
画面に映る字面には、『英雄開発プロジェクト』『リビド・イド』『感情魔力混合炉』など。
「かつて行われて今は凍結されている《英雄開発プロジェクト》……。『故エルピス』さんの義手や義足、《感情魔力混合炉》が開発されたのもそのプロジェクトで、リビド先生が関わってます……」
今のエルピスさんも義手や義足、《感情魔力混合炉》は“引き継いで”いるけど、それは後に行われた《英雄継承プロジェクト》の“成果物”によるもの。
■Dr.イーリス > 《英雄開発プロジェクト》は元々、公安委員会により行われていたプロジェクト。途中から公安から離れたプロジェクトとなったらしい。
プロジェクトの核となるのがリビド先生が開発した《感情魔力混合炉》。
「英雄の開発は一度打ち切りになりましたが、今度はとてつもなく惨い方法で英雄を造り出そうとしたのが、《英雄継承プロジェクト》……」
イーリスはコーヒーカップをお口につける。
■Dr.イーリス > 継承プロジェクトにおいて、説明も省きたくなる残虐すぎる方法で、“成果物”が造られた。
その“成果物”とは……今いる“エルピスさん自身”ともいえるもの。
あまりに過酷な現実だ……。エルピスさん自身とも言える“成果物”がどういう風に造られたかイーリスは把握しているが、エルピスさんにはまだ伝えていない。
「……《英雄継承プロジェクト。どこの誰が主導していたのでしょう」
もしかしたら、《英雄開発プロジェクト》に関わったリビド先生なら何か知っているのかもしれない。
リビド先生は最近まで、島のお外にいたようだが……。
■Dr.イーリス > あれからも《英雄開発プロジェクト》を調べ上げて、リビド先生とコンタクトを取るところまできている。
今日、リビド先生に会う予定だった。
「ナナさんの保証人になる方もリビド先生でしたね」
エルピスさんが用意した保証人。
多分、ナナさんがリビド先生の保証人になっている事は、当のリビド先生には何も話さない方がいいのだろう……。
■Dr.イーリス > そっと、自身の胸部を右手で触れる。
心臓の近くにはまだ、《感情魔力混合炉》が埋め込まれていた。
元々は《パンドラ・コア》の動力源。
その《パンドラ・コア》は“王”との戦いで崩壊したが、《感情魔力混合炉》はまだ体内に残っていた。
もう何にも繋がれず、ただ埋め込まれているだけの状態の《感情魔力混合炉》は現在何の機能もしていない。
エルピスさんに返却しなければいけない事もあり、近々摘出する予定だ。
イーリスはそっと、ディスプレイの傍に置かれているハート型の機械に触れる。
《パンドラ・コアMk-Ⅱ》。それは、《感情魔力混合炉》を参考にイーリスが開発したものだった。
《感情魔力混合炉》を体から取り出した後、それと入れ替えるようにイーリスの体に《パンドラ・コアMk-Ⅱ》を搭載する予定。
イーリスはPCの電源を落とし、《パンドラ・コアMk-Ⅱ》を白色のトートバッグに入れて、応接間を後にするのだった。
ご案内:「『数ある事務所』」からDr.イーリスさんが去りました。