2024/10/08 のログ
ご案内:「【委員会合同慰安旅行 - 二人の帰り道】」にレイチェルさんが現れました。
ご案内:「【委員会合同慰安旅行 - 二人の帰り道】」に園刃 華霧さんが現れました。
レイチェル >  
非日常な日常は、終わりを告げて。
慣れ親しんだ日常への、帰路へと足を進めていく。
帰って休んだら皆、明日からはそれぞれの居場所に戻っていく。
そんな、帰り際の時間。

『先輩、お疲れ様でーす』

声をかけてくる風紀委員の後輩達。

「おう、お疲れさんだ。気ぃつけて帰れよ」

普段は眉間に皺寄せながら頑張っている彼らも、
少しは羽を伸ばせたのなら。
そんな風に思いながら、その背中を見送るレイチェル。

更に遠くを見やれば、後輩の伊都波姉妹もあった。
それぞれが、あれこれ話しながら帰っている様子。
とてもあたたかい光景に感じた。

「さて……オレも帰るとするか」

この場に留まっている者は殆ど居ない。
皆が散り散りになったところで、一人歩き出すこととする。

園刃 華霧 >  
「……」

風紀委員たちが挨拶をして帰っていく。
それを少し離れてみている。

友人は相変わらず、しっかり先輩らしいことをしているようだ。
まあ、いいことだ。

ちょい向こうにはリンリンが見える。
横にいるのは……あれ、確か妹、だっけ?
家族、か……

軽く、あれこれ考えている内に、友人も帰ることにしたらしい。

「ふーん?」

あれだけ後輩やらがいても一人帰り
しゃーない

「ヨっ、帰んノ?」

小走りに近づいて、相手に声を掛ける

レイチェル >  
「……わ。 よっ、華霧。
 見ねぇから、さっさと帰っちまったかと思ってたぜ。
 いつも、気がつくと居なくなっちまってっからなぁ……」

それなりに勢い良く近づいてきたその相手の声――聞き慣れた声に、
一瞬耳がぴく、と動く。
見やれば、そこに居るのはこれまた見慣れた顔で。
オレにとっては、かけがえのない日常を象徴する、大切な存在で。

「なるべく多くの奴らに声かけてから
 帰ろうと思ってたが……皆、もう殆ど帰ったみたいだし、
 そろそろな。
 せっかくだし、途中まで一緒に帰るか?」

頭の後ろに腕を回して、空を見上げた後。
改めて華霧を振り返って、そう口にする。

「飯が足りてねぇなら、道中ちょいと買い食いでもしようぜ」

にっ、と。笑って見せる。

園刃 華霧 >  
「ヤ、だっテさ。アタシは不真面目が売りダし?
 面倒ハ逃げっチまうノさ?」

けらけらと笑う。
適材適所?でしょ、と

「まっジめだネぇ……一々そーユーことスるとこ。
 ま、らしイっちゃらシいけどサ。
 お上はさっサと先に帰ルのも優しサだぞ?」

だって、先輩を差し置いて帰るなんて、というやつだっているかもしれない。
まあいないかもしんないけど。

「ン、せっかクだし、帰ろッカね。
 と、飯か……いいネ」

にっとこちらも笑うのであった

「しッカし、わザわざでバったし……ドっかおもシろそーナとことカあるかネ?」

レイチェル >  
「お前のらしさとオレのらしさで、おあいこだな」

真面目と不真面目。
少なくとも表面上は、対極的な二人ではあろう。

冗談っぽく笑いながら、
華霧の言葉を聞いて、歩く速度を合わせて歩き出す。

「面白そうなとこ……かぁ。
 良いぜ、せっかくだ。オモイカネに頼らず、ぶらぶら歩いて
 楽しそうなところ見つけたら一緒に顔突っ込もうぜ。
 慰安ついで、今日は仕事も入ってねぇ。
 どこでも付き合うさ」

一部の風紀委員が慰安旅行に向かったとて、無論、委員会がその動きを
止めることはない。ローテーションを組んで、上手に運営を回している。
事実、レイチェルは今日の午前中まで仕事が入っていて、
慰安旅行に来たのは昼過ぎからだった。
今は別の委員が、レイチェルの行う仕事を手伝っている最中だ。

「あんまり行ったことないとこの方が面白ぇかな。
 華霧、近頃はどんなとこに顔出してんだ?」

まだ少し、ゆっくりしたい気持ちはあったし、
その提案には快く乗ることとしつつ、行く先を絞る為に
華霧の方を見やって、質問を投げかけた。

園刃 華霧 >  
「あー、ナるほろ? そレなら、アリ……なのカな?」

けらけらと笑う。
確かに、バランスはいいのだろう。
ま、どっちかに偏ってもよくないだろうし

「お、ソれいいナー。ンじゃ、てきトーに歩きマわっか。
 そイや、そうイうのも久ブりか?」

仕事は……ま、どうせいつもの感じだし平気平気
やんなきゃいけないことも特にないし
それに、アタシ一人抜けても仕事は十分回る

「あー……ヤー……アタシはいツも通り、ダな。
 あっチこっち、てきトーって感じ?」

以前から大体、あっちこっちフラフラしている。
まあ、そんな感じなので何処?ッて言われるとちょっと困る

「そーイう、チェルはどーナん?
 どーセ、仕事ばーッカで、あんマあちコちしてナいんじゃナい?」

レイチェル >  
「おあいこってことにしといてくれよ。
 上は先に帰るのも優しさって言葉、結構刺さってんだからな」

近頃は随分と自重しているが、華霧と約束をするまでは、
後輩の仕事もどんどん巻き取って残業を続けていたものだ。
正直痛いところを突かれたので、睨まない程度に、ちょっと目を細めて。
じとっとした視線を向けてやる。
まぁ、すぐに笑って視線を外すのだが。

「はぁ、分かってたぜ。
 お前に聞くと、大体『てきトー』が返ってくるからなぁ。
 ま、いいぜ。
 んじゃま、こだわらず、適当に見繕おうじゃねぇか」

歩みを進めていけば、商店街が見えてくる。
当然、美味しそうな香りも漂ってくるわけだ。

焼き鳥屋は、炭火で焼かれる香ばしい肉の匂いを漂わせ、
たこ焼き屋は、ソースの甘い香りで鼻をくすぐってくる。

「仰る通り、なかなか出歩けねぇな。
 近頃も、色々忙しくてな。
 
 ……だからこそ、今日を楽しみにしてたんだよ。
 それも、今日は華霧っていう相方が居てくれんだ。
 これほどありがてぇことはねぇよ。
 
 …………って。」

ちょっとだけ恥ずかしくなって。

「て、適当にまずは、あれでも食おうぜ」

そうして誤魔化すように、軽く鯛焼き屋を指さした筈だったのだが。
指の先を見れば、『鬼キング極ステーキサンド』と書かれた
看板が立っていた。

レイチェル >  
 
肉厚のステーキ――なんと、カットされていない!――が、
まるごとゴロンッと挟まれた、わんぱくすぎる料理がそこに並んでいた。
 
「……は?」
 

園刃 華霧 >  
「ひひひ、まーマーよそードーりってとこかナ?
 はいハい、おあイこにしトくよ」

今はマシになってるだろうけれど、どーせ無茶な仕事してたに決まってる
刺さったのは自業自得
とはいえ、それを責め立てるのが目的でもなし
これにてオシマイってことにしておく

そして、じとっとした視線などなんのその
涼しい顔で受け流す

「そりャそーデしょ。アタシからてきトーとったラ、なーンも残らンし?
 そーソー。そノ場かギりの思いツき。
 てきトーに、ノリと勢イで見てみンのも悪くナいよ」

何かをしっかり計画して出歩くのも多分悪くないのだろう
けれど、それでは新しい出会いというのは難しい
無計画で適当に、なんにも考えずに歩いて、その先にある面白い出会いを探すほうが好きである

チェルもたまにはそうした方がいい

「だロー? なーンか、最近やーナ匂いがにオってるシさー。
 リフレッシュにゃあ、いいチャンスだったンじゃナい? 今日は。」

昨今、またあれやこれやの匂いがしてくる。
一つなんかは、ちょっと複雑な気持ちになったりしないでもない。

「まー、気ィ抜いテもなーンも言わンしね。
 アタシとなラ、ま。存分にゆるリとできンじゃン?」

けらけらと笑う。
後輩と一緒じゃ抜ける気も抜けないだろうし。
その点、立場的には後輩かも知れないけれど自分は気にしなくてもいい相手だ。
休養にはうってつけだろう

「ン? おー……!」

レイチェルが指さした先を視線で追う。
その先には……実に豪快な肉厚ステーキサンド!
チェルにしては珍しい選択な気もするけれど、羽目を外しにきたか?

「いッキなしヘビーじゃン! やルなぁ、チェル!
2つくらいいっとく?」

楽しそうに笑って、歩き出すのであった。

レイチェル >  
「…………」

色々と思うことはある。
拭い去れない思いもある。
特に、逮捕した元後輩のことは。
華霧とて、知らぬ相手ではない筈だ。
それでも、表情には出さずに。

「……そ、良いチャンスだ。
 華霧(おまえ)とならほんと、リラックスして帰れっからさ」

ちょっぴり緊張しないでもないが、それでも今は、
この旧くから縁のある相手と居る時は、心地よさの方が上だ。
だからそう言って、緩く笑ってみせた。

―――

「えっ? あ、い、いや……その……!」

わたわたとして、思わず耳が揺れ動く。
鉄板でステーキを焼いている店員は、
ニコニコしながらこちらを見ている。
横には、テンションの上がっている華霧が居る。

――ひ、退くに退けねぇし……退くくらいなら……!

「こっほん。店員さん、そいつをオレに2つくれ」

観念し、覚悟した。
しかし、とんでもない肉の圧だ。
本当に食い切れるのか? いや、食ってみせる。
小さい頃は、強くなる為には食えって、
無理やり飯を食わされたもんだし……。
いや、それでもこれは、相当……。

「……華霧は幾つ買う?」

意気揚々と肉厚ステーキをサンドに挟んで包んでいる店員を視界の端に入れつつ、
華霧に問いかけた。

園刃 華霧 >  
「……ン?」

チェルの慌てる雰囲気が伝わってくる。
ちょいテンション上げすぎたか?

そっか、飛ばしすぎたらこの後で引っかかるかもだしな
ちと自重しないとか……

「って、おーマじかー」

そんなことを思っていたら、チェルがホントに2つ頼んだ。
2人分かと思えば、アタシに数を聞いてくる。
つまり、あれはチェルだけの分ってことだ

「ンー……」

楽しそうに肉厚ステーキを仕上げて挟む店員の様子を軽く眺めながら考える。
あの肉をあれだけ入れて挟んでるわけか……
で、まだ食べることも考えると

「ここで食いすギてもなんダし、4……いや、3つにシとく。
 おにーサン、それ3つ、よロしく!」

朗らかに注文を出すのであった。

レイチェル >  
『ささ、早く食べた方が美味しいよ?』

店員に促されて。
両手に渡された巨大サンド、おそるおそるかぶりつく。
師匠が小さい頃に作ってくれたバカデカサンドの、1.5倍はでかい。

「……んっ」

ぶ厚い牛のステーキだ。めちゃくちゃに、美味い。
噛んだ瞬間に、熱々の肉汁が口の中にじゅわっと広がって、
一瞬にして口の中が幸せに染まる。

――2つくらい、いけるんじゃねぇか?

そんな風に思ってしまう程には、美味であった。
それでも、口を離してもう一度見ると、そのサイズに圧倒されるのだが。

「3つって。相変わらずだな、華霧。
 でもま……さっき、あっちで腹減ってたって言ってたしな。
 
 ……あの時のお前、苦しそうだったから……結構心配したんだぜ。
 今は、元気そうで何よりだけどな。
 でも、しっかり食えよ、こいつは奢ってやるからさ」

女湯での出来事だ。転ぶ華霧を抱きとめようと身体を滑り込ませた筈が、
いつの間にか二人で足から着地していた。

初めて、彼女の異能の何たるかを、
何となくでも把握するに至った出来事だった。

サンドイッチ5つ分の出費はなかなかのものだが、
華霧が楽しんでくれて、嬉しそうにしてくれるのであれば、
安い出費だ。オレも無計画に無謀な冒険して、良い出会いもあったし。

園刃 華霧 >  
「お、いーイ食いップりじゃン?
 やルなー、チェル!」

恐る恐るながら、巨大サンドにかぶりついた様子を楽しむ。
サンドイッチ(?)は、やっぱり汚れとか気にせずガブッといきたいね。
あふれるような中身と、汁とかそういったものも気にせず豪快に!

「んァ? アー……
 アレ、なー」

思い出すのは、女湯での出来事……でもあり、そして少し昔の出来事。
ハラヘリ状態で力を使いすぎた結果、空腹でダメになった経験
昔はもうちょっとうまくやってたんだけどなあ
気が抜けてるのは自分だろうか

「いヤ、苦しーってカ、腹減っターって感じナのアレ。
 誰か二言ワせりゃ、エネルギーをカロリーで補っテるってコトらしーケど。
 詳しくハ、わかンない。」

かつて自分を調べようとした変態博士の言である。
まあ、間違っちゃいないんだろうとは思う。

「……ァー……うン。なっツかしーナぁ。
 ちょい前モやっちャってサ。貴子ちゃんに世話ンなったンだよ。
 あー、あンときもめっちゃ心配サせちっタんだヨなー。
 腹減ったダけって言っタら、呆れナがら色々持っテきてクれてサ」

おまえがそんなになってるのは珍しい、みたいなこと、言われたんだったっけか。
……ホントに、懐かしいなぁ

「ッと、奢り!? マジで!? ひひ、あんガとさん」

少し浸るような素振りだったのもほんの一瞬。
奢りと聞いて、テンションも上がり、「お嬢さんやるねぇ」みたいに差し出されたサンドを受け取る。
そして、そのままの勢いで豪快にかぶりつく

ぶつり
歯が、肉を噛み切る。厚みの割に、意外に柔らかい。
じゅわり、と肉汁が口の中に溢れる。
それを追いかけるように、肉の旨味が広がる。
脂が多すぎない、肉らしい肉の味。

「オ、うっマッ!! チェル、いい店みっケたじゃン!!
 どウよ、こレ?」

そんな語りかけをしつつ、サンドにかぶりつき続ける。