2024/11/17 のログ
Dr.イーリス > 教室棟の廊下をふたりで歩く。
長い廊下にずらりと並ぶ教室。

「凄く個性に溢れていますね。あの教室見てください」

びしっ、と少し離れた位置にある教室を指を差した。

「動く植物がうにょうにょといっぱい廊下に出てしまっていますよ。えっと、《異世界危険植物室》とありますね」

別の生徒が《異世界危険植物室》の横を通り過ぎる時に、ちょっと気持ち悪がったりもしていた。
そんな時に、エルピスさんとイーリスの目の前の教室の扉が開いた。
そこから、動く人体模型が現れる。

両腕がないタイプの人体模型 > 「ぼくの両腕、どこですか!!」

なんか、人体模型くんのテンションが高い。
その教室には第九理科室と書かれている。

エルピス・シズメ >
「この辺りは個性豊かだね……。」

 動く植物に飛び出る人体模型くん。
 怪異、と言うよりも……。

「……エラーメッセージ?」

 この時間から良く喋り良く動く。飛び出てきたから、足はあるらしい。
 単純に両腕だけがない。もしくは種族毎に別売りのタイプなのだろうか。
 大変容を経た今、人体と言ってもそのかたちは色々だ。

「ううん……一応学園の備品だけど……
  ……理科室に戻しておく? それとも進む?」

Dr.イーリス > 「きゃぁっ……!? び、びっくりしました……!?」

動く植物に気を取られていると、いきなり傍の扉が開いて足があるけど両腕がない人体模型くんが出てきて、とてもびっくりしてエルピスさんに思わず抱き着いてしまう。
エルピスさんに抱き着きつつ、人体模型くんを凝視。

「この世界の一般的な人体の構造にはなっていますね」

種族様々。眼前の人体模型くんは、この世界の普通の人間の人体構造をしていた。

「一応、戻しておきましょうか……」

両腕がないタイプの人体模型 > 「いや戻すな、戻すな。ぼくはいずれこの常世学園を支配する大いなる野望をもった偉い人体模型だぞ。だが、両腕がなければ物を掴むこともできん! 探しにいってくる!」

人体模型くんは理科室を出て、廊下の窓を開けると「とう!」と言いながら跳び下りてしまった。

エルピス・シズメ >  
 
 イーリスを抱きしめて受け留めたまま、流れを放って人体模型を見送る。

「えーと……」

 どこかに行ってしまった人体模型を見送ってから、イーリスを見る。
 今は管轄外だったり、非番だったりするものの……

「生活委員? 風紀委員?」

 戻そうとしたら飛び出てしまった人体模型を見て、
 一周回って純粋な疑問として浮かんだ疑問を尋ねてみる。
 こういうの、どっちの管轄なんだろう。
 
 

Dr.イーリス > エルピスさんの腕の中で、跳び下りる人体模型くんを見守る。ちょっとぽかんとしている。
今のイーリスは腕章をつけておらず、風紀委員としても生活委員としても非番。
だが非番ではあっても、変な現場を見れば立場上対応する必要があるけど……。

備品が学園の支配を狙って逃げ出した……。

「えっと、こういう時は……と、とりあえず両方の委員会に報告しておきましょう……」

スマホを取り出して、今あった事を生活委員と風紀委員にご報告……。
それと、《フェイルド・スチューデント組》でも情報共有……。

イーリスのスマホに着信がくる。
通話ボタンを押した。

「ごきげんよう、ルビー山本さん。人体模型を捕まえたのですね、お見事です! 備品ですからお手間をお掛けしますが、第九理科室に戻しておいてもらえますか? 嫌だと言わずに、あなたも今は正規ではないですけど、観察対象として風紀委員に属していますからね」

通話を切り、エルピスさんに視線を戻す。

「な、なんとかなったみたいです」

エルピス・シズメ >  
 となりで、イーリスの仕事ぶりを間近で見る。

(たまにしか見ないから、ちょっと新鮮かも。)

 ほどなくして連絡が来る。間近で仕事の指示を出すイーリスは、
 擦れた様子こそないものの甘くない凛とした佇まいで報告を受け指示を飛ばす。
 
「ルビー山本さんって人が捕まえたんだね。監視対象……部下?
 とりあえず、……うん、なんとかなったならよし! 他の所も見てみよっか。」

 植物、理科室。
 理学に属するもの。そういうものが多いもの。
 そう言うものを管理しやすいところ。だから、配置的に……
 
 このまま進むと、たしか……。

「保健室だね。
 此処にお世話になったことはないけれど……。」

 少し進んで、保健室の表札。
 石鹸のような消毒液のような、清潔そうな匂いが心地よい。

 

Dr.イーリス > ギフト騒動が勃発した時期。
イーリスはルビー山本に襲われたことがある。襲撃された後、気絶していたところをエルピスさんに助けられた。
ルビー山本は元《常世フェイルド・スチューデント》メンバーだったけど、ギフターさんからギフトをいただいた一部のメンバーと共に《ネオ・フェイルド・スチューデント》を結成した……というところまでは、襲撃があった時にエルピスさんにご説明していた。

「ルビー山本さんは、元々はギフト保持者で《ネオ・フェイルド・スチューデント》のリーダーだったわけですけど、ナナさんが鉄槌をくだしてくださいました。その時に風紀委員に捕縛されて、今は《フェイルド・スチューデント組》主導の更生プログラムを受けている最中という事ですね。プログラムを終え次第、元《ネオ・フェイルド・スチューデント》の面々も正式に《フェイルド・スチューデント組》に加わる予定です。この前、放課後でフェイルド・スチューデントの方々と一緒にいた時、赤い髪の目つきがちょっと悪い人がいたではないですか。あの人がルビー山本さんです……けど、えるぴすさんのことはあんまり好いていないようにも見えます……」

イーリスの目から見てもわかるぐらい、ルビー山本はエルピスさんのことを相当嫌っているように見える……。

ルビー山本のことをお話しながらも廊下を進む。

「保健室ですね。生活委員のお仕事で、保健室で怪我人の手当てをしている事もあります。私、医師免許を持つ生活委員なので、そういったお仕事を頼まれる事もよくあるのですよ」

医療関係も生活委員の管轄。
イーリスは医師免許を持っている医者でもあるので、保健室でお仕事をする機会もあった。

エルピス・シズメ >  
「あの時のことから繋がっている話で、ナナと一緒にどうにかしていたんだね。
 ……いつのまに……じゃなくて、ナナもイーリスも、頑張っていたんだ。」

 記憶を掘り返して、眉を顰める。
 色々あり過ぎてそれ(当時)これ(現在)のルビー山本が紐づいていなかった。
 
 紐付かずにぶつ切りになっていた記憶を整合し、どうにか状況を理解した。
 離反した襲撃者は捕縛され、監視下に置かれる形で再統合された。

 よくもわるくも元鞘に収まって、厳しめの更生プログラムと監視対象。 

「どうしてかな。……ううん、今は気にしないで学園探索を続けよう。」

 ルビー山本の状況の記憶だけ更新するにとどめて、探索再会。

 《ネオ・フェイルド・スチューデント》の騒動にはほぼ関与していない。
 それでもイーリス自身がナナと共に落着出来たことに、大きな安心を覚えた。

「いーりすは確か医学も……。
 ……むしろお義母さんを考えると、そうだよね。」

 イーリスの義母、シスターヒガサ。
 スラムでの暮らしや振舞いを見るに、科学技術の核が医療が本分でもおかしくはない。
 医師免許も、鉄道委員や風紀委員など委員らが必要に応じて発行される免許の類と同類のものだろう。
 島の外で通用させるには手続きが居ると聞いたが、業務に必要ならば免許が発行されると聞いたような気がする。

 本日の勤務医は来島 さいこ。らしい。
 声がするあたり仕事中らしいので、軽く通り過ぎるに留めようか。

「一回グラウンドに出てみる?
 そのあと、部室棟も見学で見て回りたいし──。」

 そう言いながら、グラウンドへの移動を促す。
 体育系統の授業の邪魔にならない程度に一旦外に出てみようとの、提案。

「落ち着いたら、二人の部活を作っても良いしね。」

Dr.イーリス > 「そうですね、ナナさんと私で《ネオ・フェイルド・スチューデント》を壊滅させました。ナナさんはとても頼りになります。ナナさんがいてくれたから、ルビー山本をまた引き戻すことができました。ルビー山本さんが離れてからずっと……道を踏み外してしまった彼が、また戻ってきてくださることを願っていましたからね……」

目を細める。ルビー山本をこらしめてくれたナナさんにとても感謝……。

「……えるぴすさんが直接ルビー山本さんを怒らせるようなことはしていない……とは思いますけどね。どうしてでしょうね……」

あんまり心当たりが思いつかない。
なにせ、えるぴすさんとルビー山本の接点がまるでない……。

気を取り直して学園探索ということで、笑顔で頷いた。

「お義母さんのように、色んな方々を救えたら……とは願ってしまいますね。お義母さんは医療やお薬に詳しいだけではなくて凄腕の治療魔法の使い手でもありますからね」

イーリスが医療技術で治療をする事は多いけど、他にも例えばイーリスが改造人間であるが自分で自分を改造している。この改造は当然、医療知識も必要となる。同じ技術を使っているエルピスさんの生体義肢もまた医療技術が深く関与しているる。
イーリスが有する異能の技術さえも、異能者の遺伝子や細胞を扱ったもので、これも医療技術が関わっている。イーリスの技術で医療が関わる範囲は多岐に渡る。

昔の事を思い出して、懐かしさと、そして寂しさを覚えた……。
いなくなったお義母さんを待ち続けてもう十年……。
ふと膨れ上がる寂しさを紛らわすように、エルピスさんのチュニックをぎゅっと握りしめた。

「そうですね、グラウンドに行きましょうか。私は部活に入っていないですからね、部室棟にはあまり行く機会がなかったので、行ってみたいです」

微笑みながら頷き、そしてエルピスさんとふたりで教室棟を出て、グラウンドへと向かっていく。
エルピスさんのご提案に、イーリスはぱぁっと嬉しげに表情を明るくさせた。

「えるぴすさんと私、ふたりの部活、いいですね! つくりたいです! どのような部活にしましょうか!」

エルピス・シズメ >   
「ん……だいじょうぶ。僕が居るよ。」

 寂しさを受け留めるように引っ張られた服を手繰るようにして、
 イーリスをぎゅっと抱きしめる。
 
 『生きているよ』。と、無責任な慰めは択べなかった。

「うん。グラウンドを見ながら部室棟に行ってみようか。」

 冬も近くなった秋の風。
 出入口から入ってくる"それ"は少し肌寒くて寂しさを覚えるけれど、
 
 こうやってふたりでぎゅっとくっついていれば寒くないし、さみしくない。

「ふたりの部活を作るとしたら、今みたいな……常世学園おさんぽ部。
 気分転換にこうやってお散歩して楽しむだけ。その位気楽なのでも、いいのかもね。」
 
「こうやってイーリスと一緒にお散歩するだけでも、すごくたのしいな。」

 言葉と共に教室棟を出て、次の目的地へ──。

ご案内:「えるいりぴすが学園を探索するだけ」からエルピス・シズメさんが去りました。
Dr.イーリス > 「える……ぴす……さん……。ありがとうございます……。ずっと……私の傍に……いてほしいです……」

お義母さんが十年帰ってこなくて、そんな寂しさをエルピスさんが温かく埋めてくれる。
エルピスさんが抱きしめてくださると、イーリスはとても安心した。エルピスさんがいてくれるから、寂しくない。
トクン、とイーリスの心臓が高鳴る。
エルピスさんへの恋心が、イーリスをドキドキとさせつつ、安らぎを与えてくれた。

そうして、秋空の下でえるぴすさんといーりすがぎゅっーと体を寄せながらグラウンドを部室棟へと向かっていく。

「常世学園おさんぽ部、ふふ、とても素敵です。『えるいりぴすがお散歩を楽しむだけ』ですね。私も、えるぴすさんとこうして学園を歩くのがとてもたのしい時間です。こうして、いつも学園を歩いていたいとも思いますので、常世学園おさんぽ部はとても名案です」

目を細めて微笑みながら、こくんと頷いてみせる。
そうして、常世学園おさんぽ部(仮)は部室棟へと向かっていくのだった。

ご案内:「えるいりぴすが学園を探索するだけ」からDr.イーリスさんが去りました。