2024/11/29 のログ
シャルトリーズ >  
「はっはっは~! 
 ……お嫁に貰ってくれませぇ~ん?」

言葉尻、酔っ払いの顔に影がさした!

さて、このドワーフ。
酔っ払うのは良いのだが、その後に限界というものが訪れる気配が
さっぱりない。生酔いと酩酊の間を無限に揺蕩っている。
一体その小さな体のどこにそんな酒が入るのか、と。
口にするのは禁句である。

「……なんかぁ、ファレーマン先生大きくなってませ~ん?
 あ、地ビールもいっちゃいますかねぇ~!」

まだ飲む気らしい。
ふいふー、と手を振って店員を呼び止めて注文をする。
店員は無論、呆れ顔である。

さて、視線をファレーマンへと戻すシャルトリーズ。

「……大きくなってるというか、
 ナイスダンディになってきてるような……?」

体質云々の話はあったし、もしかしたらこの現象もそれに付随するもの
だろうか、と。頭の中でふわふわーっと考えつつ。

「ナイスダンディさいこ~っ!」

ジョッキを突き上げた!

ファレーマン >   
「ははは、なら今度『でぇと』でもしますかな?
お互い、一生を共にするのを決めるには未だお互いを知りますまい」

影が差したその姿に何を思うのか、グレーがかった髭を撫でながら。

あなたのそれが種族故ならば、ファレーマンのそれは異能故であった
酒による『酔い』を身体の異常と判断し、強制的にアルコールが抜けさせられる。
そして、それに応じて肉体が増強されていく… 異能による変化。
ともあれ、傍から見るとうわばみが二人、と言う事に変わりはなく。

「IPAでしたかな、こうした鋭い切れ味のビールもいいものですなぁ」

結果、普段は学校で教鞭をとる二人が、あきれ顔を尻目にがぱがぱと酒を飲み交わしていく訳である。
一人ならばそろそろ〆を注文する頃合いではあるのだが、今日はとことん付き合うつもりのようだった。

「あぁ、儂も大分『酔って』きたようですなぁ、いやはや、この体質の性で服も余り選べなくてのぅ
今の服も特注で作ってもらったものなのですじゃ、まぁ、喜んでいただけたなら幸いですが」

突き上げられたジョッキに、またこつり、とジョッキを打ち合わせる。
もうこれも何度目かだろうか、突き出た喉仏を鳴らしながら飲み干せば、また一つ精悍な顔つきへとなっていく。

「今日はとことん付き合いますぞ、年の終わりも近いのにまた最近事件が増えたものですし
どうやら今年も、色んな意味で慌ただしい年末になりそうですじゃ
汚染区域… シャルトリーズ先生ももし向かうのでしたらお気をつけくだされ」

シャルトリーズ >  
「えー、もう良いじゃないですかぁ~!
 可愛いって言ってくれたんだからもう、これは結婚ですよねぇ~?
 ほら、けーっこん! 即、けーっこん!」

手拍子している! すっかりできあがったドワーフは心底楽しそうだ。
その横で、すっと扉から入ってきた店員が、
凄まじい顔で酒を置いて去っていった……。

「体質……魔術ではなさそうですしぃ、異能ですかねぇ?
 詳しいことはわからないですけど~、ダンディになるなら
 良いと思いま~す!」

いえーい、とジョッキを掲げる。
そしてまた黄金色を喉に流し込んでいくのだ。

「……色々放っておけないこともありますからねぇ~」

す、と目を細めて真剣な眼差しになった後。

「ま、でも今日だけは! ぱーっとやりましょう! 
 ぱーっと! どこまでもお付き合いいたしますよぉ~!」

またジョッキを掲げるのであった。

ファレーマン >   
ぱちぱちと手拍子している姿を見て、流石の老人も少し苦笑するが…。

「気持ちはとても嬉しいのですが… 順序は大事ですぞ?
それに、結婚してからでは出来なくなることもありますしのぅ
勿論、チャーミングと言う事を撤回するつもりはありませんが
儂としては、出来るならば… おっと、ビールと… 追加でハツを」

また顎に撫でるように触れながら、ちらりと一瞬入ってきた店員に更に追加注文。
焼けた肉をひょいひょいと二人の皿に上げながら、また黒色の液体を飲み干して。

「ダンディ、というのは聊か照れますのぅ… そう言われたのは初めてかもしれませぬな」

此方もまた、楽し気に、陽気に杯を交わしつつ、目を細めて。

「それは此方も同じ事、シャルトリーズ殿が満足するまでお付き合いいたしましょう
何、多少明日に残るとも、偶にはこんな日も悪くありますまい」

――そう、本当にとことん、この日は飲み明かしたのだった。
何なら翌日は有休を消費する気かもしれない、仕事は家でするだろうけれど。
この心地よい時間を、老人もまた目いっぱい楽しむことにしたようだ。

ご案内:「焼肉屋「胃候」」からシャルトリーズさんが去りました。
ご案内:「焼肉屋「胃候」」からファレーマンさんが去りました。