2025/01/01 のログ
伊都波 凛霞 >  
「…あ、顔赤くしてた」

くすくす。何考えてたの?
なんて、妹の煩悩をつんつんしながら…。

「だってこうして悠薇とお出かけすることも、最近減っちゃってたしさ」

たまには、もちろん出かけるけれど。
特別な日に一緒に過ごすのはなんだか久しぶり。

「ごめんね、迷惑かけちゃって」

風邪が治って良かったね。
そんな言葉には苦笑しつつ、ありがと。と続ける。
周りの人にも、もちろん妹にも、いっぱい世話になった。

「悠薇に感染さなくてほっとしたけどね…あ」

ぽん、ぽん。と。
夜空に小さな花火があがる。

年が開けた。

伊都波 悠薇 >  
「なんでもないっ」

つんつんしようとしてる指はペシペシ叩き落として。

「そりゃ、そうだよ。お姉ちゃん彼氏いるし。仕事も一杯だし」

仕方ないでしょ、と口にして。

「いいよ。家族だし。迷惑はかけてかけられて、だから」

年があければ。

「明けましておめでとう。今年も、よろしくお願いいたします」

伊都波 凛霞 >  
「悠薇との時間も、私にはすごく大事なものなんだけどね。
 ……悠薇に素敵な彼氏さんが出来たら、さすがに時間を減らすかな?」

くすり、笑って。

「おめでと。今年もいっぱいよろしくね。悠薇」

にこやかに言葉を返す。

淡雪散る境内の二人を、ぽんぽんと夜空を彩る光彩が照らし出していた──。

伊都波 悠薇 >  
「……当分、ないよ」

そういう人もいない。
いたとしても、天秤が動いているのなら。

くすりと、笑った。
同じように。

花火と、鐘の音。

それを眺めながら……からんと、下駄を一回だけ鳴らして。

心地よい時間が年の始まりだった。

ご案内:「伊都波姉妹 - 恭頌新禧」から伊都波 悠薇さんが去りました。
ご案内:「伊都波姉妹 - 恭頌新禧」から伊都波 凛霞さんが去りました。