2025/01/03 のログ
ご案内:「伊都波家・道場前」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
早朝。
道場での朝稽古を終えて、学生通りに面した敷地の一部を掃き掃除。
「ふぅ…」
いい天気。寒空の下ではあるけれど朝日が心地よく、暖かく感じる。
竹箒を手に、集まった落ち葉を一箇所に纏めて、一息をつく。
今日は非番だし、家でのんびりしていてもいいけれど。
せっかくだしどこかに出かけるのもいいかな…なんて思える、良い天気だ。
■伊都波 凛霞 >
この時期は里帰りしている生徒も多いので、意外と遊び相手が捕まらなかったりもする。
悠薇に声かけてみようかな…なんて思ったりもしたけど、嫌がられそう。
初詣に連れ出しただけで、結構ぐったりしちゃっていたし。
「と…お掃除おそうじ……」
そんなことを考えていると動きが止まっていた。
せっせと道場前のお掃除を終えてしまおう。
時期も時期なので落ち葉はそれほどないけれど、
公園から風なんかで運ばれてくるものがちらほら散らばっていたりするものだ。
てきぱき、まだ年始でお客さんなんかはあんまりこないけど、竹箒で掃いて綺麗にしておくのが大事。
ご案内:「伊都波家・道場前」に麝香 廬山さんが現れました。
■麝香 廬山 >
「へぇ、早朝から精が出るねぇ」
そんな凛霞に声を掛ける屈託のない男の声。
足音を立てながら歩み寄ってくるのは見知った青年の姿だ。
ニコニコとした笑顔を浮かべて手をヒラヒラとご挨拶。
そんな青年の足元には、赤い舌を出して息を切らす犬。
真っ黒い毛玉。魔物との配合種である通称"モップ"と呼ばれる犬種だ。
その名前通り、モップみたいにまん丸い。首輪はついておらず、飼い犬の気配はない。
「あけましておめでとう……かな?
いやぁ、残念ながら新年を迎えっちゃったみたいだからね。
どう?今年もよろしくしてくれるかい?凛霞ちゃん」
実に気安く語りかけては、握手を求めるように右手を差し出す。
■伊都波 凛霞 >
背後から声がかかる。
聞き覚えのある声。
伊都波家は学生通りの一部に面しているため、そこで出会うのは別に不思議でも、何でもない。
ただその声の持ち主は、少女が苦手意識を持っている数少ない生徒の一人だった。
「…おはよう。あけましておめでとうございます。何が残念なのかは、わかんないですけど」
振り返り、ぺこりと小さく会釈を返すもそれはどことなくぎこちない。
「…わんちゃんの散歩なら、ちゃんと首輪とリードはつけたほうがいいですよ」
手は、竹箒につがえたまま。伏し目がちに黒い犬を見て…。