2025/05/26 のログ
ご案内:「常世城塞」にシェン・トゥアールさんが現れました。
ご案内:「常世城塞」にウィンドミルさんが現れました。
シェン・トゥアール > 常世城塞の一角に、ネオンに彩られた一部屋が存在する。
何処かから漏電しているのか、じりじりと音を立てて明滅するネオンが示す文字は
『白兔偵探社』……すなわち、シェンと、もう一人の事務所である。

「今日から見回りをするときに、ミルさんにも一緒に行ってもらおうと想う。」
可愛らしい装飾に彩られた、探偵社というよりドールハウフと呼ぶのが的確であろう
一室…部屋の真ん中にあるソファに腰掛け、優雅にコーヒーをやりながら
もう一人の人物に語りかける。

「ちなみに、この件はガラテアは絡んでいない。 俺の意思だよ。
 もちろん、ミルさんがOKを出すなら…だけれども。」
コーヒーは苦い。 このボディは苦さを強く感じるように設計されている…。
子供舌なのだ。 それでもこらえながら、ゆっくりと彼女…ウインドミルに視線をやった。

ウィンドミル > 事務所にいる間の彼女は意外にもおとなしい
と、言うより。『理由がなければ動かない』が正しい表現

目の前に出されたコーヒーも、飲むのは大抵次の用事が差し迫ったころ
苦みに堪えるように。耳や尻尾を立ててぐいっと呷る仕草は最早茶飯事
俯き加減で主人であり、先輩であり、" "でもある。(彼女)の声に耳を高くつき上げた

「ミルも出るの?もちろんだわ」

今日も留守番を申し付けられていれば、変わらない日々をこの愛らしいソファのドールとして終えていただろう
そんな提案、願われるまでもなく楽しそうなものなのだわ!

「どこ行くの?おじさま、最近ミルのお出かけも申し付けなくなってたのよ」

シェン・トゥアール > 「うん。 今日はそれなりに時間がかかるだろうから、事務所での仕事を終えたら出発しよう。」
お耳をぴんと立てる彼女に頷きかける。 嬉しそうな様子に、軽く深呼吸。
彼女の反応に身構えながら続ける。

「君には、助手として…ここの連中に顔を覚えて貰う必要がある。」
はっきりと、そしてゆっくりと…。さらにちょっとだけ気をつけつつ告げた。

「事務所のお茶くみというのも面白くないだろうし、君も望んではないだろうしな。
 それに…俺も、その、そろそろいいと思っていたんだ。
 きちんとした仕事をしてもらうにはね。」

ドアの方を指しながら、相手の言葉に答える。
「このあたりをくまなく回って…いる連中に声を掛けるんだ。
 前もやってたの、覚えてるだろう?」
前に彼女をお散歩に連れて行った時のことだ。
通路を巡り、人に声をかけ、歩き回った…。
アレを”彼女を相棒として”やろうというわけである。

ウィンドミル > 「以前とは全く違うってことよね?
 前のミルは、逃げ道を教えて貰ってたから……」

確かに逃げ込む先だとかで顔なじみを作っていたけれど
その同時に、人目のつかない裏道も何度か教えて貰っていた
紹介の仕方もなんだか余所余所しいもので、当時はなりきりに必死だった覚えもある

……が、少し思考してみよう。普段から、おつかいはしている身だ
彼がすでに根回しをしていた為か、『相棒』という立場はある程度浸透していたハズ。何度もおまけをもらったことがあるもの。今更改めて、『二人並んで紹介』だなんて事が必要な場面って何かしら?

彼女は『何をするか』に頷いた。でも『どうしてするか』には答えがまだ出せず、首を傾げる仕草を見せている
それになんだか、今日のおじさまは緊張をしているようにも見えるのよ?

「ドレスはいつもの物でいいのだわ?ミルを紹介するのに、適した衣装があるなら着替えるのよ」

それでも、疑いに至るほどでもない。立ち上がった彼女は承諾する
今日もコーヒーを一気に飲んでクローゼットの方へ歩み寄り、中身を俯瞰するように目線で物色を始める

シェン・トゥアール > 「ああ、前とは違う。 前よりもちゃんとした道を使うよ。」
彼女の言葉に頷いてみせた。 彼女と最初にあるいたのは…、
そう、保護のための逃走経路確認だった。

「いつもの服で構わない。 めかし込んでやるような何かがあるわけじゃないんでね。」きちんと装いを考えるのは、彼女の良いところだ。準備しているのをちらりと見やってから、
自分もいつものジャケット…暗器や武装がしこまれたそれを羽織ってから、
ゆっくりと彼女に近づいた。

「さて…準備ができたら行こうか。
ぐっと背伸びをすると、うさぎの耳の先端までがぴんと伸びる。
気合を入れ直してから、改めて彼女に声をかけた。

ウィンドミル > 「ミルは普段通りね。わかったのだわ」

そちらを見て返事をして、改めてクローゼットの中を窺う
扉を閉ざす手はゆっくりと……場合によっては、名残り惜しさも見出し得るのかも

この中の服も、考えてみれば手入れを重ねていても使われない衣装たち
たまに写真をガラテアに送る時に、一着二着選んで着せる程度だろう
そして彼女が着替える時も、決して事務所の中では行わない
普段の着替えで会っても扉を一つ潜った先のドレッサールームにて必ず行う

彼女は本来、『決まったこと』をこなすロボットだ。インプットされているなら大人しく従う
出会った当初に起きた事件は、まさしく彼女に引き起こされたバグの結果に他ならない。アレから同様の積極性を見せるのは2.3回あれば多い方だった

己の長い髪を結いあげて、バイザーを乗せる最後の手順。それで今日の身支度はおしまい


「おじさま、おまたせしたのだわ。早く行きましょ?」

腕に寄り添い、同じ目線で問いかける。爛漫な少女のとしてのスイッチは、誰かとの出会いと共に入れられよう

シェン・トゥアール > 「よし、準備ができたな。」
クローゼットの中には、ガラテアが用意したたくさんの…2人分の衣装がみっちりと詰まっている。
使うこともあろうが、それは今ではないのだ。
自分脳でに寄り添って準備が出来たことを教えてくれる彼女に頷きかけてから、
事務所を出る。 狭い通路、階段、そして道とも思えぬ道…
初めて訪れた人なら混乱必至であろうその場所を、二人はすいすいと進んでいった。

「まずは管理人に挨拶をしにいこう。
 この辺の顔役で…探偵の仕事をくれる人だ。」
彼女に告げながらすすむ通路、徐々に整理されたものへと変わっていく。
すなわち、居住環境としては”よりよい”場所へと移動しているのだ。
事務所があるゾーンとはことなる、整然と扉が並ぶ”普通の”空間…
その中でも目立つ、開いたままの大きな扉を指して頷きかけた。

「見た目は派手だが話がわかる人だよ。
 緊張せずに…話をしてもらって構わないから。」
行こう、と彼女の背中にそっと手をやって、一緒に向かわんとした。