2025/10/27 のログ
ご案内:「風紀委員会本庁 アウルム小隊執務室」にリリアナさんが現れました。
ご案内:「風紀委員会本庁 アウルム小隊執務室」に霜月 湊さんが現れました。
■リリアナ >  
アウルム小隊。
「黄金」や「輝き」を意味する名を関した小隊。
まさに今日正式に発足したばかりの小さな部隊は、その規模に見合った小さな執務室を与えられた。
腕を組んで真新しい机やキャビネットなどの並ぶ室内を見渡す金髪碧眼のちっこい少女は、
「――うむ。
 なかなかいい執務室だな」
扇子をパチンと閉じて満足げに頷く。
■霜月 湊 > 「まあ、派手過ぎないってーのはいいもんっすね」
ソファに腰かけ、ぐでーっとしている。
あんまりこう、派手だったりギラギラしてたりすると気疲れしてしまうので、ちんまりとしたザ・執務室と言う感じが好みだった。
「んでまあ、今日は何するんです?隊長」
■リリアナ >  
「何より備品が全て新品だからな。
 見ろこのキャビネット、扉がするする開くぞ。
 中身は空っぽだがな!」
手近なキャビネットの扉を開け閉めして見せる。
軋みも引っかかりもなく、見事にするする開閉する。
中には青いファイルがぎっちり詰められているが、その中に詰められるべき報告書はまだない。
「うむ。
 顔合わせのつもりだったのだがな、もう一人が少し遅れている。
 あとはまぁ歓迎会と、」
つかつかと歩きながらソファでだらける彼の横に立ち、その顔へびしりと扇子を突き付けて見せて。
「任命式だ。
 副隊長のな」
■霜月 湊 > 「逆にしょっぱなからスルスル開かなかったら、そりゃ不良品でしょーよ」
とは言え、所謂『お古』の部屋を回されたりせず、ちゃんと一式新品で揃えて貰った辺りは待遇としては悪くないだろう、とは思う。
そんなピカピカの部屋で頑張っていく、と言うことに若干の気遅れを感じなくもないが……とぼんやり考えていたところで。
「……まあ一人遅れてんのは待ちますけどね?待つのは得意ですし。
その扇子がこっちにビシーッと向けられてんのと、副隊長の任命式って不穏なワード、関係性はないんすよね?」
あからさまに嫌そうな、うへぇと言う表情になりつつ。
■リリアナ >  
「小規模とは言え新しい試みの新設部隊だからな。
 中古を回してくれるなよと言い聞かせた甲斐があったものだ」
ふふん、と腕を組んで自慢げな表情。
こちらは新品の揃った部屋で気合が入っているようだ。
「あるに決まっているだろう。
 貴様は副隊長向きだ、やれ」
ちょいちょいと扇子の先を動かして見せる。
何を言っているのか、と言う表情。
■霜月 湊 > 「ああ、そこら辺は圧掛けてたんすね……」
なんせ目の前の隊長様は実家が太い。実は自分もまあまあ太いのは横に置いといて。
その上優秀なもんだから、その手の圧を掛けるくらいは色々と簡単ではあろう。
それが私欲によるものではないのだから、隊長向きなのもわかる。
が。
「マジで言ってます?
一応聞きますけど、なんで俺?俺の異能は『アレ』だし、剣にしたって探せばもっと『遣える』奴はいるでしょ。性格も、まあサブ向けってのは自覚ありますけど、下をビシーッとまとめる感じじゃ無いですし?」
冷や汗ダラダラ。
■リリアナ >  
「マジで言っているに決まっているだろう」
眉をひそめて「お前は何を言っているんだ」と言う顔。
「まず異能が何かは関係ない。
 それを乱用するような者なら私も考えるが、貴様はそうではないだろう。
 次に貴様の剣は十分「使える」。
 私と違って一対一に強いしな、隊長の補佐にもってこいだ。
 まとめるのは私がやるし、貴様に求めるのは私の補佐だ」
一つ一つ指を折って数えていって、
「――正直これが一番でかい理由だが、現段階で正式に小隊所属となっているのが三人だ。
 もう一人の方は、まぁ、なんというか身内でな。
 家族、と言うわけではないが、まぁつまりそういうことだ」
要は隊の上の方を身内で固めるわけにはいかないと言う話。
■霜月 湊 > 「ああ、そういう……」
今はいい。
今なら、別に自分は副隊長なんて立場に固執する性格ではないし、身内人事だろうがそれがお友達内閣を作りたいからと言うわけじゃないのもわかる。何の不満もなく駒として使われるだろう。
だが、今後小隊を育てていくつもりならば、拡大していくつもりならば話は別だ。
なまじっか太い実家を持つ故に『お嬢様の私兵部隊』みたいな認識を持つ物も出てくるだろう。トップが身内で固まっていると余計だ。
そう言ったノイズとなる要素は、拡大時にもそうだが、拡大後……小隊が力を持った時にこそややこしくなる。批判的な立場の者にとっては付け入る隙になるからだ。
そういう意味で、最初から別の色を混ぜておくのは必須と言える。
「あいあい。そういう事ならまあ、暫定で引き受けさせて貰いますよ。
で?補佐つっても何をやりゃあいいんで?」
事実上お飾り……であっても。いや寧ろ、お飾りならば余計に、職務はちゃんとやらねばならない。
時にこの隊長に待ったをかける姿勢を示し続けることが、将来のノイズを取り除くことになるのだから。
■リリアナ >  
「そういうことだ。
 理解が早くて助かるよ」
くっくと笑って。
この理解の早さも副隊長向きである。
「暫定も何も、私は貴様が動けなくなるまで副隊長をやってもらうつもりだがね。
 そうだな、差し当たっては――」
そうして真新しい冷蔵庫を開ける。
唐揚げやらエビフライやらのやんちゃなおかずの盛り合わせのパックとか、大容量のジュースとか、ケーキとか、その他もろもろ取り出して応接スペースの狭いテーブルに並べていく。
「食べたまえ」
歓迎パーティである。
■霜月 湊 > 「俺よりも向いてる奴が入ってくるかもしれませんぜ?」
そもそもが、虚無主義なところのある自分に務まるか不安でもある。
この隊長が行き過ぎそうなときにストップかけるなどはするつもりではあるが。
それはそれとして。
「……なんつーか、フツーのパーティメニューっすね」
こう、無駄に豪華なのが来る可能性も想定してた。どごーんと。
■リリアナ >  
「だとしてもその頃には貴様が一番よく私とこの隊を知っているだろう?」
正式メンバーはまだ三人だが、一応目ぼしい人員のリストはもらっている。
それを読む限り、一番副官にふさわしいのは彼だと判断したのだ。
だから何も問題はない。
「普通で十分さ。
 こんな普通の執務室でフランス料理のフルコースなど並べるわけにはいくまい?」
それこそ贅沢と言うものだ。
人員も少ないし、普通の学生の普通の歓迎パーティで十分である。
■霜月 湊 > 「まあ、確かにそうなりますかね、結局……」
なんせ最古参だ。実務的な経験もあるし、余程早期に適した人材でも来ない限りは、このアドバンテージはあまりに大きい。
こりゃあ逃げられなさそうだ、と観念しつつ箸を手に持つ。
「そりゃそうだ。なんつーか、そこら辺の感覚がちゃんとしてるってーのはある意味信頼出来るっすね」
所謂庶民感覚がちゃんとあるというのは大事なのだ。そう言ったものに欠けていると、いざと言う時に交渉などでやらかしが出る。価値観の相違と言うのは、本当に厄介なのだ。
その点問題なさそうなので、その分は楽出来るかな、などとしょうもないことを考えている。
■リリアナ >  
「はっはっは、あきらめろ霜月 湊、
 もっとも戦場でそうそうに諦められては困るがな?」
豪快に笑い、目の前の唐揚げを手で拾い上げる。
マヨネーズをたっぷり付けて口に放り込む。
手についた油も舐めとり、ご満悦。
「父がよく言っていてな。
 客商売をするならばその感覚を忘れてはいけない、と。
 客のほとんどは一般庶民だし、私たちの活動を一番見ているのもそうだからな」
冷めても旨いな、などとこぼし、揚げ物どもをパックごと電子レンジに叩き込む。
電子レンジと冷蔵庫だけは良いものを選んだ。
食事は安いものでも良いが、まずいと士気にかかわる。
■霜月 湊 > 「にしたってくつろぎすぎっつーかなじみ過ぎでしょアンタ!?」
流石にから揚げ手づかみマヨたっぷりは想定してなかった。
と言うかどっちかと言えば古い家の出である湊からしたら逆にびっくりである。こっちの方が庶民感覚ないかも。
「そこら辺はしっかりした親父さんすね。だから成功したんすかね」
言いつつ、どっちかと言えば丁寧寄りの所作ではむはむ。
こっちは染みついた所作が抜けない。うーん本当に隊長の方が庶民感覚あるかも。
■リリアナ >  
「む?
 いやしかし、私が見たアニメではこうやって食べているシーンが多かったぞ?」
こう見えてドイツ系の人間である。
多数の外国人がそうであるように、自身もアニメで日本語を勉強した口だったりするのだ。
「私は商売のことはわからんが、きっとそうなのだろうな。
 と言うか貴様の家も結構立派じゃなかったか?」
明らかに所作に品がある。
霜月、と言う名前も聞いたことがあるし。
■霜月 湊 > 「いやー、どうなんでしょ?俺は実際には見たことないな……」
ももも。
とか言いつつ丁寧にもさもさ食べている。
「あー、まあそっちとは別方面っすけどね。
所謂武門ってやつっすわ」
これでも本家分家双方それなりのデカさだ。自分は分家だが、それでも結構デカい武家屋敷に住んでいたし、実家もちゃんと太かった。
■リリアナ >  
「ふむ。
 まぁまだ箸と言うものに慣れんからな、今日は許せ」
言葉は完璧だが、箸の扱いはちょっと自信がない。
とは言え少し持ち方が汚いな、と言う程度ではあるが。
ピピピ、と鳴いたレンジから揚げ物を取り出してテーブルへ。
「サムライと言うやつか?
 いや、武家ではないのか」
エビフライの尻尾をつまみ、頭からサクサクサクとスナック感覚でかじっていく。
■霜月 湊 > 「ああ、まあこれって中々扱い難しい食器っすよね。
日本人でも普通に扱い苦手な人いるし」
若干の特殊技能感すらある。フォークやスプーンに比べてあまりに扱いづらいな、とも。
「尻尾食べない方がいいって聞いたっすよ。消化できないとかなんとか。
まあ、武家っちゃ武家だけどちょいと特殊っすね。うーん、どっかに仕えてたってよりは、退魔のお仕事をやってたってのが大きいっす。なんで時代によっちゃ、公的な扱いも受けたらしいっすけど」
今じゃ退魔と武術やってる古い名家、ってくらいなもんである。
■リリアナ >  
「食事と言う生活の基礎に習熟が必要な道具を必要とするのは東アジアの国々ぐらいのものだ。
 そこは理解に苦しむな」
今度はテリーヌ的な何かをつまんでひょいぱく。
ウーン雑な味。
それがおいしい。
「多少なら問題あるまい。
 タイマ、――ああ退魔か。
 なんだ、割といい家柄じゃないか」
公的な扱い、と言うことは割と家の格としては結構上位だろう。
■霜月 湊 > 「まあぶっちゃけ同意っす。
つってもそういう文化なんでしゃーないっすけどね」
言いつつもさもさ。やっぱ男の子、から揚げとかをよく食う。
「まあ、ガチで退魔でやってたんは主に本家で、分家筋は武家の側面強い感じっすけどね。
俺の霜月詠心流も、大本は本家の霜月流ですし。退魔ってよりは道場で糊口をしのいでたクチらしいっすわ」
湊の分家筋は、霜月流系における退魔技術の一つ『符術』及び『巫術』をあまり用いない。
湊も通り一遍遣えるが最低限程度、本領は対人の剣士だ。
逆に、それ故に異能を持て余したところはあるが……。
■リリアナ >  
「それはそうだ。
 フォークだって慣れないと扱いずらいだろうしね」
野菜も食べたまえよ、と言いつつ自分も春雨をもきゅもきゅ。
しなしなだけどこれはこれで。
「我が家は商家だが、父親の家計がそうと言うだけでね。
 母方は魔術師の家計だった。
 操糸魔術もそちらからの引継ぎだよ」
流石に「アラクネ」は父親からの贈り物だが。
コーラのペットボトルをプシュと開け、でっかいグラスにどぼどぼぶちこむ。
それを喉を鳴らして半分ほどを一気飲み。
■霜月 湊 > 「まあ、そう言ったところ込みでその土地の文化文明ってやつっすな」
お野菜もさもさ。とはいえやっぱりお肉に箸が伸びるのは男の子故か。
「広範囲を纏めて相手できる魔術ってのは羨ましいっすわ。まあ俺も多人数相手の立ち回りとかはありますけど、基本タイマンのが得意っすからね」
お茶をコップに注いでコクコク。美味しい。ちょっと濃い目が好き。
「いやーしかし、こう言っちゃアレっすけど、この手のジャンクな味イケるんすね。
マジモンの金持ちって、こう言う雑な料理を美味しいって言うのはファンタジーで、ちゃんとマズく感じるらしいって聞いたんすけど」
■リリアナ >  
「それを言うなら、私は貴様の基礎スペックの高さが羨ましいよ。
 多数を相手に出来るとは言え、スペック差はいかんともしがたいからな。
 貴様と同等の相手が数人いたら流石にどうにもならんさ」
対多数相手が得意とは言っても、あくまで数の差をある程度埋められるというだけの話。
基礎スペック差が開いていればどうにもならない。
「まぁ確かに、平均よりは良いものを食べてはいるがね。
 だからと言ってジャンクフードの味が変わるわけでもあるまい。
 金を取って提供しているものである以上、これはこれで旨いよ」
■霜月 湊 > 「まあ、そこは一応、ガキん頃から竹刀握ってきた剣士の面目躍如ってとこっすかね。
とは言え……俺の流派の特徴は知ってるでしょう?思いっきり待ち型、ぶっちゃけ暴徒鎮圧には向かなくねぇっすか?」
掛かりがないわけではもちろんないが。
それでも、打たせて打つ後の先の流派が霜月詠心流で、自然奥義の多くもそこに特化している。
自分で大丈夫なのか?と言うのは少し感じているよう。
「確かに……俺もまあ、家の飯ほど繊細じゃねーなとは思うけど、この雑さが気楽で美味いってのもわかりますしね。
しかしまあ、上がお高くとまってねぇってのはいいもんすわ」
やりやすい、とカラカラ笑う。
■リリアナ >  
「貴様こそウチの特徴を忘れたとは言わせんぞ?
 なに、もう一人はメイドのスペシャリストだ。
 問題など何もないよ」
アウルム小隊は「あらゆる状況に対応可能な戦力」として設立された隊だ。
たとえ個人の技能が暴徒鎮圧に向いていなかろうが、そもそもそういうやつを集めた部隊である。
にい、と悪い笑顔を見せてやる。
「それに少なくともこの店のは値段の割にうまくやっている方だよ。
 下ごしらえもさぼっていないし、低コストでしっかり味を引き出している。
 舌が肥えると言うのはそういうことに気付くようになると言うことだ。
 貴様も精進したまえ」
■霜月 湊 > 「なるほどね……まあ、精々上手く使ってくだせぇ。俺と言う刀、どう使うか見せてもらいますよ」
そう言って笑う目には、わずかなギラつき。剣士としての本能と言ったところか。
「うえ、レベルがちげぇや。本家のお嬢さんなら気付くんかねそう言うの……」
言いつつもさもさ。流石にそこまでの違いは分からない。ちょっと格の差を感じた。むむう。