設定自由部屋です。常世島内であるならご自由に設定を考えてロールして戴いてかまいません。
また、ここでは回想的なロールも可能です。ですので常世島の外でも構いません。しかし、あくまでメインは常世島の内部でお願いできればと思います。
その他常世島内の特殊な場所や、シチュエーションなどにご利用ください。
参加者(0):ROM(1)
Time:18:38:13 更新
ご案内:「作刀部活「韴霊」事務所」から御津羽つるぎさんが去りました。
ご案内:「作刀部活「韴霊」事務所」から青霧在さんが去りました。
■御津羽つるぎ >
「ええ、お気をつけておかえりくださいね。
引き受けた以上は満足していただけるお仕事を致します。
ですので、無事にお渡しできますよう…」
深々と頭を下げて、去っていく後ろ姿を見送る。
自由だ。枷もない。鎖もない。自分でつけたもの以外は。
だが――
「羨んでいるのは」
そんなことではない。
すでに訪客は去って、扉越し、無人の地下駐車場に向けて。
「自分のための剣を、誰かがつくって差し出してくれるなんて」
妬みと、
「当たり前のように、剣を振るうことができるなんて」
嫉みなど、
「それがどれだけ幸せに見えているかなんて、
あなたにはきっとわからないんでしょうね」
相手に聴かせる必要はない。
枷を羨む心が自分には判らなかったように。
大人だなんていうよりは…余分を排除しただけだ。鉄を打って鍛えるように。
寒い季節に、隣の芝は青かった。
■青霧在 > 「…おかしな話を聞かせてしまってすまない」
むしろ仕事上でしかない関係だからこそ逆に話せた部分もあるのだろうか。
もしそうだとすれば、猶更哀れでみじめな話だ。
加えて身勝手でもある。
これ以上の自分語りは身勝手極まりないだろう。
誘導され入り口へと向かう。
「改めて、《聖蛇》をよろしくお願いします」
出入口から一歩出れば、もう帰路の場所で、改めて首を垂れる。
「賠償金の返済…終わるといいな」
「……今のは秘密にしておいてくれ」
「失礼します」
軽く会釈し、別れを告げる。
次ここに来るのは修復が完了した時だろう。
そのままいつも通りの歩調でその場を去った。
帰り道は何事も無かった。
■御津羽つるぎ >
捜査の手が及ばなかったということではあるまい。
裁かれたいのなら自首をすればいいだけ。今はその仔細を問える身でもない。
疑問は浮かぶ。でも、問われたいわけではないと思う。
そこまで親しくもない。仕事上の間柄。
「私は…」
述懐できることがあるとすれば。
「生まれついたことで、納得のいっていなかったことがあったんです。
そのために刀鍛冶なんて始めちゃったりなんかしたりして」
立ち上がり、入口のほうへと誘おう。
「色々考えて、色々あって、納得というか、覚悟はできたんです。
そうなると自分のまわりへの、世界への見え方が変わったっていうんですかね」
とどのつまりは、
「いつか、納得できるといいですね」
気持ちの問題なのだろうと。
罰されない悔いに理解が至らぬ以上、そして裁きは法の下にのみ成される。
ならば彼は裁きを受けることは永劫なく、納得を如何に得るかだろう。
刀工の領分ではないので、そんなことしか言えないのだが、いつまでも柔らかく。
「羨ましいといえば、私のほうもですよ」
■青霧在 > 「そもそも、俺が過ちを繰り返す事は無い」
「この島に来る前にすでに終わっているからな。この島での生活とは一切縁がない話だ」
青霧の過ちと咎について知る者はこの島に居ない。
知る者が居る可能性は0ではないが、少なくともこの四年間で出会ったことは無い。
「その時俺は裁きを受けられなかった」
「俺以外は裁かれたというのにな」
裁きから逃れた訳ではない。にも拘らず、裁きはくだらなかった。
「そして今後裁かれる事も無い」
「……バカな話だが、俺はお前たち監視対象に引け目を感じている」
「正しく裁きを受けて枷を課されたお前たちにな…」
そこまで言って封筒を脇に挟んで立ち上がる。
「さっきは羨ましいなんて言ってすまなかった」
「…嫉みのようなものだ、妙に聞こえるかもしれないが」
自分に呆れてしまう。
枷を羨むなど、到底普通じゃない筈だ。
そんな事で妬み嫉むなど…規範としてあるまじき発現だ。
■御津羽つるぎ >
「甘いんですけど、甘い!というわけではないといいますかねえ。
お気に入りなんです。また新しいのを仕入れてこないと」
こちらも摘んで、お茶と一緒に味わった。
渡してしまった。けれど、客人はもてなすものだから。
これを受け取ることに妙な負い目は、持ってはいないだろう――と思う。
そんなことを考えてすぐ頭の隅に追いやったものだから、
問いを向けられると、不思議そうに手を止めて。
「どうぞぉ」
そんな穏やかな声が返る。
もう契約は結ばれたのに、とも思う。
けれど、明かしたいなら拒む理由もない。
湯気の薄くなった湯呑みを手に、その言葉を鷹揚に受け止める形を取る。
■青霧在 > 「こちらこそ、よろしくお願い致します」
大切な武器だ。それを考えれば、金額など些細な事だ。
大金には違いないが、金ならまた貯めればいい。
立ち上がり封筒を受け取れば、深々と礼。
失礼な事も言ってしまったが、精いっぱいの敬意と言ったところか。
「それではもう少しだけ」
チョコレートまんじゅうを前に座りなおし、茶を飲み干した事を後悔しつつも手に取り一口。
…流石にバレンタインももう先月の話だ。
甘味への飽きなど忘れていたようで、美味しく味わえそうだ。
甘味は特別好きという訳ではないが、脳の栄養だとも言う。
脳の栄養を取った故だろうか。
答えられていなかった問いを思い出した。
「なぜ過ちを繰り返すような真似を繰り返すのかという問いだが…答えてもいいか?」
何ともなしに、まんじゅうを一つ食べ終えた所で尋ねた。
■御津羽つるぎ >
「…確かに。ありがとうございます
それではこちらの控え、いちおうデジタルでも送付されていますが、
持ち帰って保管しておいてください。もしなにかがあったときに必要になります。
……このあたり一帯が焦土になったりしたら。ええ、ないとは思いますけれど」
落第街だ。絶対にない、とも言い切れない。
曰く作業場は更に地下にあるため、品の安全は保証できるものの、
納期通りに届けられなくなる可能性がある――といったもの。
そういった要項も、しっかり書類にはまとめられていた。
二枚重ねになっているほうの裏面、筆跡が写し取られる控えをファイルへ、そして封筒へ。
丁重に封をして差し出せば――
「――お疲れさまでした。御津羽つるぎ、《聖蛇》の沙汰、謹んでお受け致します。
おまんじゅう、よかったらどうぞ。落ち着かれたら、お見送りさせていただきますねえ」
訪客の予定はないものの、多忙を極める風紀委員はこれ以上の長居は望むまい。
特攻課とはいえ帰り道も落第街、帰るまでが依頼だといえる。
■青霧在 > 「この手の作業は嫌いじゃない」
促されるままにアプリを立ち上げ、操作を進める。
元生活委員会、次いで刑事課、特攻課となった今も書類仕事とは仲良くやっている。
故にこの程度でへこたれることは無い。
金額、振込先、アクセスリンク、認証項目、ワンタイムパスワードと進めていく。
額が額なだけに時間こそかかったが、それでも明らかに素早い。
両目を別々に動かして、ものの数分で手続きを完了させた。
「確認お願いします」
手続き完了につき、じき入金されるはずだ。
■御津羽つるぎ >
答えは持たず、言い添えることもしない。
――人それぞれだ。
《聖蛇》が特異な剣であり、その性能に、意味合いに、剣士は千差万別の感慨を持つだろう。
人間も同じ。
その眼の前の刀工は、人間への関心や興味が薄い。
優しい言葉を持ち合わさず、柔和なようで冷たくある。
だからとて…他の関わる者、血の通う者は、青霧在をどう見ているのか。
技術、能力という、確かな判断基準を、性能を、この刀工は備えていた。
それだけで十分であるというように、辺鄙な裏通りの地下に居を構えて。
ひとつ、ひとつ、鍛えていた。
「現金で持ってこられると、ちょっと困っちゃいますね。
銀行までがねえ~、遠いので…。
ですので、はい、こちらで大丈夫ですよお。
高額になりますので、たくさん確認と注意書きが出ると思いますけど…」
それがワンタッチで決済できてしまうと、セキュリティ上も大変だ。
とはいえ、それだけで高額を抜き取る電子犯罪も横行している。
自前の学生手帳で専用のアプリを立ち上げ、宙空に描かれるホログラフィックパネルが、
支払い手続きを案内してくれることだろう。
認可の有無も、その真贋も、風紀委員であれば確かに見極めることができるはずだ。
「少しお時間はいただきますが、必ず元通りに致しましょう」
■青霧在 > 「……」
友人と呼べるのは一人しかいない。
流石にここでそれを口にしない方が良い事は分かっている。
「………」
差し出された書類に記された額はかなりのもの。
これまで増える一方だった貯蓄に使い道が出来たと思えば、覚悟こそ必要だが惜しむ程の物ではない。
それよりは、本来《聖蛇》が持つ筈の価値がこれほどであるという点に目を奪われた。
これほどの価値を持つ武器をあんな安価で引き渡すなど…
「どれほど……」
どれほど俺に信頼を寄せているのか。
どんな感情を持っているのか。
しばしの間、考え込んでしまった。
「…あ、ああ」
「金はある。覚悟もすんでいる。…電子決済は可能か?」
つるぎの声に我に返り、書類に目を通す。
騙すような真似は出来ないだろうが、念のためだ。
最後まで確認を終えれば、胸ポケットから取り出したペンと印鑑で、サインを済ませる。
「これで大丈夫か」
■御津羽つるぎ >
「滅相もない…!その、おともだちがいない、と返されると。
とっても申し訳なくなってしまうので…
剣が入り用でこちらに来られる方には、たまにそういう方も…ね…?」
成立しなくなる話でもある。
裏表のないような。無垢なような。無害なような。
――第一級監視対象。
「はい、確かに。
それではこちらの書類に署名を。内容は、よく考えられてください。
支払いの額は――……相当張ってしまうのですけれども」
ともすれば、宮仕えの年収にもかかろうという額が提示される。
在銘の重文刀一本分に迫る値となれば法外だ。
しかし十五本でひとつ――小型の刀ともなると、時間も手間もかかる。
――そうだ。
《聖蛇》には、それを一から削り出した業と時間には、それに比肩する価値がある。
現代に生まれた、業物。打ち下ろしの一品もの。
支払った分と支払えなかった分の、その差額に何を思うか。
「あの……おかね、持ってます…よね…?」
テーブルに置いた書類から、遠慮がちにおそらく上目遣いの角度で見るのは、そう。
代価を持たずに依頼に来るものも、それなりに多い、ということらしい。
■青霧在 > 「最初からそう言ってくれ……」
つるぎの話を最後まで聞いた上で、最初に出て来た言葉はそれだった。
一体どれほど恐ろしい条件を突き付けてくるのかと、戦々恐々していた自分がバカみたいではないか。
脱力し、項垂れる。
数秒で体を起こし、一度呼吸を整え。
「分かりました、その条件でよろしくおねがいします」
受けると決めた。
正直軽い条件ではない。しかし、それはあくまでも自己完結する負担で周囲には迷惑をかけない筈だ。
これなら何とかなる。
覚悟を決めた。
■御津羽つるぎ >
「あ、交友関係はお広くいらっしゃるんですね。
私はあまりお友達が多くないので、少し羨ましいです」
問いを向けられて、まずはそう笑った。
「"在さんがどんな方に見えているのか"。
その方々に訊いてみてほしいんです。
人数は、多ければ多いほどいいですね」
時間がかかる、事後報告。
それは関与する人数、交友関係の広さによって変動するが、概ね、
組織人ともなればそれなりに関わる人間は多いと見てのこと。
「さっきがたの、刀匠のかたの目の話…。
あなたの戦う理由は、聞こえて参りました。
しかしどうやら、あなたが思う在さんと、周りの見る在さんは、
ひょっとしたら大きく違うのかも。
そう思いまして、そうしたらもっと素敵な物語がきけるかな、と」
だめでしょうか?
手を合わせて、お願いのポーズ。
裏があるようではない。ただ気になった部分を解決したい。
ともすれば、仕事をする後押しが欲しい――そういったものだ。