2024/06/09 のログ
追影切人 > で、路地裏を抜けて学生通りにカムバックする訳だが…。

『あれ、あの風紀の人、何で頭に猫を乗せてるの?』

『うわぁ、あんな強面でチンピラみたいなのに意外…』

『でも、あれって猫があのまま催して来たら最悪な事にならん?』

おい、最後は洒落にならねぇから言うんじゃねぇ!!と、そいつにガンは飛ばす。こいつ風紀です(二回目)。
しかし、このクソ猫はどうしたもんか…こっちはさっさと帰って一眠りでもしたいんだが。

ご案内:「学生通り」にホロウさんが現れました。
ホロウ > ここ最近では日常的な風景となりつつある赫耀が学生通り上空を通過する…と思いきや、そのままUターンし、地上に向けて急降下する。
地上に近づくにつれて減速し、ふわりと着地したのは最近新たに監視対象となったアンドロイドのUnknown。
周囲の視線を集めつつ、意にも介さぬ機械的で感情の薄い真顔で先輩監視対象の切人へと歩み寄っていく。

「初めまして、追影切人様。」

一礼。

「私は風紀委員会所属のホロウと申します。等級は異なりますがあなた様と同じ監視対象です。
此度は任務も兼ねてご挨拶に伺いました。」

すらすらと述べれば、頭の上に乗った猫を見て。

「聞いているのとは少し異なる様ですね。猫がお好きなのでしょうか?」

などと、無神経にもたずねてみた。

追影切人 > 「――あぁん?」

何やらいきなり急降下してくる”気配”を感じ取れば、胡乱げにそちらを隻眼が見上げて。
急降下してくるそれはやがて減速し、ふわりとした動きで着地をする。
やたらと機械的、といった感じの喜怒哀楽があまり感じられない希薄な表情を眺めて。

「……監視対象だぁ?また面倒な…まぁ、いい。つぅか別に律義に挨拶する事もねぇだろ。」

と、ぶっきらぼうに淡々と口にするが、頭の上で猫が鎮座しているのでいまいちサマにならない。
どのみち”リスト”入りしているタイプかそれとはまた”別”の監視対象の区分か。
正直そこは興味が無いしどちらでもいい。そもそも監視対象に碌なのはいない。自分込みで。

「はぁ?むしろ動物とか苦手だし勘弁だっての。コイツが勝手に乗ってきたんだよ。」

と、頭の上の猫に片手を伸ばしてぺしぺしするが猫はリラックスモードのままである。

ホロウ > 「いえ、私が果たす役割を考えれば、顔合わせも兼ねてご挨拶させていただくことは必要と判断致しました。他の監視対象の方にもご挨拶に伺う予定です。」

観測、別の言い方をするなら監視。
それが専門ではないし、むしろついでに行っている部分が強いが、指示があれば今後彼の観測を行う可能性がある。その際に必要以上に警戒されない為にも顔合わせを行っておくべきであると判断した。
なんなら、今目の前にいる彼は飛ぶ斬撃を使うという。
遠距離を高速で飛行しているとはいえ、場合によっては撃墜されかねない。
それを避ける為でもある。

「そうは見えません。そちらの猫も随分とリラックスした様子ですし。
隠れて野生動物にエサをやる人間は珍しくありません。あなた様もそういった方なのではないでしょうか。」

リラックスする猫の様子は完全に信頼している人間に向けるそれである。
見た限りでは、彼の言葉は素直ではないだけに見えるだろう。

追影切人 > 他の監視対象、と聞いて数名思い浮かぶが…何とも言えない表情を浮かべてから頭を振った。
タチの悪い、というかアクが強い面子が多すぎる。まぁ監視対象に限った話でもないが。
どのみち、こっちに”挨拶”して顔通しをしてきたという事は…だ。
 
(いざとなったら俺の”処分”にも一枚嚙んでくる可能性があるっつぅ訳か)

少なくとも、自分含めた何人かの監視対象は何かあれば処分も検討されるレベルだ。
まぁ、そんなの今更なのでいちいち深読みしても無駄な時間というものだろう。

「いや、それはねぇ。むしろコイツぶった斬りたいくらいなんだが?」

真顔で即否定する。実際ぶった斬りたいが地域猫だし小動物殺しとか風紀がやらかしたら面倒だ。
特に、監視対象の一人である青年はそういう事でも厳罰化は確定であろう。
尚、そういうあれこれが無ければ割と遠慮なく斬っていた。そういう男だ。

なので、そう見えても仕方ないしこれも言い訳や照れ隠し、などと誤解されてもおかしくはないが。

追影切人 > ――彼の本質は”刃”なのだ。最後に行き着くのは『斬る』事に他ならない。
ホロウ > 少女が監視対象である理由はその目的や正体が長らく不明であった点や不法滞在者でありながら大変目立って居た点、そして都合よく運用するうえで大変有用な点が挙げられる。
少なくとも凶刃と呼ばれる彼とは、同じ監視対象の中でもカテゴリーが大きく異なる。
何なら、今後もその有用性が持続し、危険性がない事が立証されれば監視対象から外れる可能性も高い。

「それは非推奨ですね。野生とはいえ、往来で動物を殺めるのは私やあなた様のような立場の存在にとっては自らの立場を危うくすることになりかねません」

本音からのアドバイス、のつもり。
観測機として知っておかねばならない情報は、それほど多くない。
せいぜいその能力や科せられた責務や枷の内容の把握など。
彼がどういう人間であるかも、精々危険な存在である程度の認識であった。
だからこそ、猫を頭に乗せている様を見て疑問に感じたりしたわけだ。

「一先ず、本日の観測結果は後ほど報告させていただくことになります。
監視対象『凶刃』は平和的に猫と戯れていた、という風に報告させていただきます。」

あくまでも観測結果。真実と事実は異なるものだ。

追影切人 > 「知った事かよ……と、言いてぇ所だがな。」

ほとほと面倒臭そうに嫌そうに、溜息交じりに肩を竦めてみせる。
何重もの”枷”と【恩人】への恩返し。この二つが青年を学生として留めている。
それが無ければ、とっくに死んでいるかさっさと落第街へと戻っていただろう。

そして、今の自分が昔に比べてどれだけ”腑抜けて”いるかも痛感している。
人間的には成長した、かもしれないが刃としては鈍った所ではない。

「…観測結果ねぇ…いや、待てやコラ。んな報告すんじゃねぇ、ふざけんな。」

上の連中が失笑するのが目に見えている。腹が立つのでマジで御免被りたいが。
ちなみに、その件の猫はといえば目を閉じてお休みモードになっていた。ゴロゴロとした音も聞こえる。

ホロウ > 「御理解いただけているようで安心しました。」

ため息まじりではあるが、理解している様子の彼に一度頷く。
彼にも彼なりの行動原理があるだろう。
その行動原理が彼を非行から遠ざけているのだろう。
詳細は一切分からないが、そこまでは知ろうとは思わない。

「申し訳ないですがこれが私の任務ですので。」

冷酷にもそう告げれば腰のジェットにエネルギーが収束し、飛び立つ準備を開始する。

「本日はここで失礼致します。またお会いすることになると思います。
その際はよろしくお願い致します。
それと、余計なお世話だとは思いますが折角ですしその猫、飼われてはいかがでしょうか。
それだけ懐いているのであれば悪くないと思います。」

それだけ言い残し、風圧も衝撃もなく飛び立った。
そして、そのまま島のどこかへと消えて行くだろう―


帰還後の報告の際、宣言通り猫の事も報告するだろう。

追影切人 > あくまで、そういう縛りがあるからかろうじて学生の面を保てている、とも言える。
結局、何処まで行こうが危険人物に変わりはない。だから監視対象のままなのだ。

「…クソが、やっぱ監視対象には碌なのがいねぇ。」

自分も含めてどいつもこいつも…と、言いたげに苦々しい表情を浮かべて。
そして、今まさに飛び立ちそうな相手を睨むように見据えて。

「ふざけんな、監視対象同士が会う機会とか厄介の種みてぇなもんだろが。
あと、それは絶対に御免だ。冗談じゃねぇ。まともな奴に飼わせる方が遥かにマシだ。」

と、きっぱり。飼う義理もないしそもそも世話とか面倒だから本気で嫌そうに。
そして、あっという間に飛び立ち去っていくのを眺めてから、クソでか溜息を再び。

「…ほんとよぉ、今日は厄日じゃねぇのか?」

ぼやきながら、軽く八つ当たりのように頭の上の猫をぺしぺし叩く。
結局、そのまま頭の上に猫を乗せた珍妙な隻眼の風紀委員の男が歩く姿を学生の多くが目撃しただろう。

追影切人 > 尚、猫は何時の間にか途中でさっさと青年の頭から飛び降りて去っていった。猫は気紛れ。
ご案内:「学生通り」からホロウさんが去りました。
ご案内:「学生通り」から追影切人さんが去りました。