2024/06/11 のログ
ご案内:「とこコレ!会場設営地」にマトさんが現れました。
マト >   
「よい、しょっと」

とこトレ!それは今常世で一番熱い(かもしれない)現在進行中のイベント
要は島に住むもの全員を対象にしたファッションショーのようなものだが
同時にミス・ミスターコンテストを兼ねているのが特徴らしい

期間こそ6月末までと長めに取られているとはいえ、いやだからこそ、一つの会場だけでは参加者が十分自己表現できるとは言い難い

「だから複数の会場を設営し、参加希望者は期間中、ステージが空いている時間なら自由にアピールできる」
「……ふむ、場所を考えるとまさにストリートダンス、もといストリートアピールって奴だね」

マト >   
とはいえ、マトが此処にいるのは参加者としてではない
この設営工事中の会場へ日雇いのバイトをこなしに来たのだ
内容は主に運搬作業、主に専門知識がある学生や教師の手伝いに当たる
専門的な知識が必要な部分は兎も角、単純な運搬作業なら猫の手も借りたいという所だろう

「これはどっちに置けばいいんだい?うん、わかったよ」
「ふぅ……」

マトは額を拭う仕草をする、華奢な体躯とワンピース姿はお世辞にも力仕事に向いているとは言えないが
他のバイトへの参加者と共に今の所滞りなく仕事をこなしているようだ

マト >   
「しかし、とこトレか……」
「ファッションショーというものに余り頓着は無いけれど」
「やはりこういった催しは盛り上がるものなんだね」

くぴくぴとスポーツドリンクを飲み、よいしょと機材を肩に持ち、少し屈んでから飛び上がる
筋力と跳躍力が見た目に比例しない事この上ない体質を生かし、工事用の鉄骨などを高所へと運んでいる
危なくないか?と声をかけてくれる人には大丈夫だよ、と軽く手をふって笑いかけながら

マト >   
「僕としてはまずはお金を手に入れたかったから願ったりかなったりだけれど」
「……ん、之はちょっと重いね」
「三回くらい往復すればもっていけそうかな?」

小さくつぶやきながら作業を続ける、実際の所このバイトには金策だけでなく、自身の能力を確認する理由もあった
勿論身体測定等を行っていなかったわけではないが、それと実際の作業の場での能率はまた別という訳で
一応の"目的"が増えたマトにとって、それを確認するのはそれなりに大事な事だったのだ

マト >   
「さて、このお金で何をするか……」

作業を続けながらマトは考えているようで

「初給料、というものは重要なものらしいからね」
「なら、寮母さんと…… 」

自分のため、というのは一旦置いておいて、『誰に』使うかを考えているあたり
彼自身の気質、或いは種族が関係しているのが分かるだろうか

「まぁ、まずは仕事を終わらせてからだね」
「一日で終わる仕事でもないみたいだから、之から何度か"お世話"になることもありそうだけど」

「とこトレ……か」

もう一度だけつぶやき、少しまぶしそうに会場予定地を見上げる

「盛り上がるといいねぇ」

マト >   
鼻歌を歌いながら作業を続ける姿は、何処か楽しげだった

ご案内:「とこコレ!会場設営地」からマトさんが去りました。