2024/06/20 のログ
■シャンティ > 「あ、は……」
笑いが、こぼれる
どうしよう
ああ、どうしよう
こぼれてしまう こぼれてしまう
「痛かった?」
くすくすと くすくすと
「いい、え……いい、え……
なに、も……どこ、も……」
■ノーフェイス >
「……………」
告げられた事実に。
ほんのわずかばかりに。
「……そ、か」
こぼれた感情は。
らしくなく静かで、潜むように。
冷たい甘さを口に含んだ。
それは安堵だった。
■シャンティ > くすくす、という笑いはやがて静かに収まっていく
まるで、何事もなかったかのように
「……ど、う?
すこ、しは……満足、した、の……かし、ら、ね?」
まるで薄皮を一枚一枚剥がすかのように
自分に踏み込んでくる相手
と言って、別に不快ではない
「……ふふ。
大した、話、でも……なか、った、と……想う、けれ、ど」
■ノーフェイス >
「…………」
まあ、もともとそうなんじゃないか、とは思っていた。
驚きはない。そうなのか、とも思う。
哀れみもしない。なくしてしまったことのほうが、自分にとっては重く感じられた。
が――
「キミのことを教えてくれって、ずっと言ってたつもりだぜ。
たいした話だよ。ほかのだれかにとっては、どうかは知らないケド……」
満足したのか、という問いには。
「ん、ぅー……まァ、満たされようと思ってきいたわけじゃない、かな。
それそのままなの、なんでかな、っておもったし……、残しとく理由も……わかったけど。
わかっていうか、ボクなりに解釈した、けど――」
考えている、というよりは。
歯切れが悪い。珍しく。
■シャンティ > 歯切れが悪く、口ごもるような態度
いっそ返事など気にしないくらいに話を進めることがあるような相手にしては、珍しい
小さく、首を傾げる
「あ、ら……めず、らし、い……」
思わず、”覗き込む”
見えてくるのは、なんともいえない感情の色
「……不思議、な……色……」
小さく、つぶやく
「……ねぇ、どう、した……の……?」
■ノーフェイス >
「…………」
じっとりと目を細めた。
こういうときには食いついて来るんだな――と思いつつ。
ノーフェイスが、ブレている。まいったものだ。
ず、と目の前で、だいぶ減ったアイスのダージリンで喉を潤す。
「…………」
嘘は、つけない。
「い……わなきゃダメ、だよな」
それは、不公平。
■シャンティ > 「……」
いつもの笑いも収めて、静かに
まるで彫像のように、そこに在った
「ダメ――か、どう、か、は……
あなた、自身、に……聞い、て?」
別に強要などしない、と
自分の想うままにすればいい、と
寄り添うように
見守るように
ただ、じっと待っていた
■ノーフェイス >
「…………」
答えは決まっている。
決まっていないのは腹のほうだった。
それもじきに、わずかにため息をついて、肩を落とす。
深く席に座り直し、ほんの僅か、覗き込む顔から距離を取った。
「―――……」
■ノーフェイス >
「……それだけだよ」
そういう人間だ。だから安堵した。
憮然と顔をそむけた。窓もないのに、背表紙の群れと向き合っていた。
■シャンティ > 「ぁぁ――」
これが、そういうものなのか
真に”それ”を識った、と言えるかもしれない
女は、小さく吐息を漏らした
「そう……そう、なの、ねぇ……」
小さく、首を傾げて……しばし、考える
いつもと違う左の人差し指を唇に当てて
「そう、ね……それ、は……
謝、る……べき……かし、らぁ……?」
小さく、頭を垂れる
■ノーフェイス >
「イーよやめろよミジメだろー。……アタマ上げろってば」
彼女の気遣いっぽいことばに、犬のように噛みつきかける。
意識的にとられたその仕草、気遣いに、じっとりと視線を向けた後に、ため息。
「ボクがまだまだってだけのハナシ。
そこはべつに、ごまかすつもりもないし。
キミにとってはそれだけのコトだったんだろう、とも思った」
あの浜辺で伝えた、願う野望の在り方は、だれかにうけいれてもらう、というよりは。
もっと能動的にすることであるので。
年下扱いなんか別に望んじゃいないし、似合いもしない。
「林をかき分けてったら怪我もするさ」
ふん、ともうひとつ、息を吐いて。
「……いこ、っか」
ちょっと苦しいごまかしではあったが。
ここから、もともと予定してた本題を切り出すこともなし。
ひりつく火傷の感覚を覚えつつも。
■シャンティ > 「これ、は……真摯、さの……問題、だ、もの」
すっかり頭を戻して微笑む。
「……」
まだまだだ、と
その発言には、沈黙を返す
肯定するでも、否定するでも、なく
「……えぇ、そう……ね」
人は思わぬ時に怪我だってする
思わぬ時に運命に出会いだってする
そこになんの違いがあるだろうか
「……ええ、そう……ね」
おそらく、相手が呼んだのはこんな話のためではなかったはず
ただ、空気がそういうものではなくなってしまった、と立ち消えてしまったのだろう
理解ねば
そう、想いながらも席を立つことにした
■ノーフェイス >
「ていうか言えよケガしてるって。もぉ。
ボクがキミを無理して連れ回したみたいじゃんか」
半分は事実。もう半分は、不思議な耳打ちを食らって今日を楽しみにしていたから。
裏を読みきれなかった自分も、至らぬまま。
「イイとこまで送るからな」
まったく――、と憮然にしながらも。
裂けた指先、生まれた擦り傷、それらを代償に識れたこと、識ったこと。
読み手の解釈の断片に、ほんの僅かに指先を触れながら。
果たして次はあるかどうかの、その日はそうして暮れていく。
ご案内:「「ひみつの通路」」からノーフェイスさんが去りました。
ご案内:「「ひみつの通路」」からシャンティさんが去りました。