2024/06/30 のログ
ご案内:「6月末日 落第街路地裏にて」にミア・コレットさんが現れました。
■ミア・コレット >
火事だ。歓楽街の近くを歩いている時にそんな声が聞こえたから。
嫌な予感と、確かな胸騒ぎがして私はその場に駆けつけた。
パンプスなんかで走るから足が痛い。
でも、私の嫌な予感は結構な確率で当たるから。
そんな言い訳を心の中で繰り返しながら急行した。
ご案内:「6月末日 落第街路地裏にて」に紅き烈火ノ侍蟻人さんが現れました。
■紅き烈火ノ侍蟻人 > ガァンッ!!ガァンッ!!
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 強固なる剣と剣を打ち付ける音。
―――爆炎が迸る。
貴殿が走って、そこに居たのは。
明白なる火災の主犯。
深紅の体。
二刀流の剣。
燃え盛る蟻。
怪異と戦う貴殿なら知っているかもしれない。
かつて常世島を騒がせた"あの怪異"だと。
■ミア・コレット >
こいつか、建物に火をつけたのは。
そして深紅に染まっている。
落第街にいる汚染の怪異の影響だろうか……?
しかも蟻型の亜人、蟻人(ギジン)だ。
A級怪異災害としてかつで常世島を騒がせた、あの。
異界から迷い込んだクイーン討伐の後、あの事件は過ぎゆく季節と共に収まったはずだ。
分が悪そう。逃げたほうがいい。
けど……
脳裏に瑠音の笑顔が浮かんだ。
この街のどこかにいる友達に恥ずかしい行いは…できない!!
「待て、凶行はそこまでだ」
「武器を捨てろ、わかる? Drop your weapon」
「今なら風紀委員も悪いようにはしない……」
いつでもエトランゼが出せるように戦える精神状態を作る。
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「ああ、そうですか。」
「はいどうぞ、武器を捨てます。投降します。」
―――その蟻人は。
喋った。
そう。
あの襲撃の時"一匹たりとて存在していなかった"
人語を理解する知性のある超上位蟻人。
火蟻と侍蟻の良いところだけを掛け合わせ、更に知能すら持つ危険極まる存在。
「とでも言うと思ったか?」
「バカにしているのか?下等種族」
武器を捨てる。
などそんなはずがない。
「大成功したいか?」
「支配者でありたい?」
「なら殺戮だ」
「殺戮あるのみだッッ!!」
ガァンッ!!ガァンッ!!
燃え盛る二刀流の剣を手元で叩きつけるッッ!!
「命令を返そう」
小ばかにした態度で蟻人は嗤う。そして―――
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「死ね」
「今すぐ死ね」
「今なら楽に殺してやるぞ」
■ミア・コレット >
相手の言葉にオーバーなリアクションを返す。
額に手を当ててやれやれ、と口に出して言ってみた。
「喋れるの? アンタ特別だわ」
内心で焦る。
蟻人は人の言葉を理解しない。
ゆえに対話が不可能な怪物として“討伐”されるに至った。
その前提が崩れるほどに進化した相手。
上位種。
勝てるか? いや、時間稼ぎくらいはできるか。
この街の正義は屈したりしない。
「そのスペシャルな知性で少しは考えてみた?」
「この街にどれくらい戦闘能力を有する法の守護者がいて」
「それらに喧嘩を売る蛮行をしていることに」
ふぅぅ、と深く息を吐いた。
燃え盛る建物の隣。熱を帯びた空気が、私の精神を昂らせる。
「一市民として抵抗させてもらうわ……この街の」
「正義がたどり着くまでの時間稼ぎをね!!」
先にエトランゼを使うのは悪手だ。
相手にとって能力は不明瞭であればあるほどいい。
狙うは後の先、切り返しで一撃を浴びせること。
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「クックック……」
「―――ハーッハッハッハッハ!!!」
貴殿の言葉に仰々しく嗤う蟻人。
「貴様は、知らぬようだ」
「我はもはや蟻人などどうでも良い」
「我らは紅き屍骸の共生関係にある」
「"戦闘能力を有する方の守護者"となッッ?!」
「結構、実に結構ッッ!!」
過熱した炎のような口ぶりから、
一転して狡猾で冷静な口調に変わる。
「殺戮だ」
「そいつらも殺戮して」
「我らがその"戦闘能力を有する方の守護者"とやらも取り込んでくれよう。」
そうとも。
紅き屍骸は殺せば殺すほど増える。
故に喧嘩を売るのは蛮行ではない。
より集まれ
より傷つけ
より死ね
「―――では、我が相棒を御紹介しよう。」
「刮目せよ」
二刀流の剣を振りかざし、
貴殿に殺戮の二連斬を振るう。
―――ただの斬撃ではないぞ!
「焔刃ッッ!!」
一つ。
焔の軌跡を残して相手を執念深く切り刻む刃!
「爆刃ッッ!!」
二つ。
切りつけたところより爆轟を引き起こし敵を叩き潰す刃!!
それを一度ずつ
下等種族と我らとの
"力の差"を理解させるべく
振るうッッ!!
■ミア・コレット >
「……!!」
伝播する悪意ッ! 感染する悪夢ッ!!
その異常さに少し気圧される。
ダメだ、戦闘能力を持ったエトランゼを呼ぶためには…
戦う気迫がないと!!
相手が駆けると同時に叫ぶ。
「エトランゼー!!」
影が波打つと形を変え。
異文化の鎧を着た幻影が実体化する。
「汝の名は、ポイヤウンペ!!」
霊刀クトネシリカで相手の燃え盛る刃を受ける。
二刀を受けた時。
爆発が発生した。
「!!」
エトランゼごと吹き飛び、衝撃で影は自分の足元に戻ってしまう。
片方が燃える、もう片方が爆破を伴う刃……!!
「エトランゼッ!!」
再び異能の名を叫んで影を再形成。
「汝の名は……ヘルハウンド!!」
地獄の猛獣を造り出し、凍結するブレスを浴びせる!!
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「ハーッハッハッハッハ!!!死ね死ね死ね死ね死ねェェェェェ!!!!!!!!」
「何ィ…ッッ?!」
見た事のない摩訶不思議な術!
なんだこれは?!
鎧?!
幻影……?!
否
片方は止められ…もう片方が刺さった……!!
だが…止められようとこの一撃で潰す!
そう思ったッッ!!
なッッ?!
「貴様ァッ!!氷の術を使えるのかァ!!」
放たれる凍結ブレスを二振りの刀で凌ぐが…
これは…我の弱点だッッ!!
そのブレスに煽られて焦土と化した街を転げるように吹き飛ばされるッッ!!
ズザァァァァーーーッッ!!
ガァンッ!!
「……フッ、やるな!下等種族のクセに……」
地面に片方の剣を突き刺して、その体制を立て直す!
■ミア・コレット >
「やっぱ燃える相手には一度は試すよねって…」
なんとかその場に立つけれど。
額から血が流れているのがわかった。
斬られて傷口を灼かれるのも。
斬られて爆砕されるのも。
どっちも致命傷だ、上手く立ち回れミア・コレット。
魔獣の影がどろりと溶けて足元に溶け落ちていく。
今のままのテンションだとこのレベルのエトランゼは長く維持できないか。
でも。
「エトランゼーッ!!」
叫ぶと同時に氷の毛皮を纏った怪獣を呼び出す。
「やっちゃえ、ウェンディゴー!!」
凍気を纏った両拳の打撃で、蟻人に襲いかかる!!
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「クックック……バカが!」
また、氷ッッ!!
おのれ……!!
だがッッ!!
「なぜ貴様は我がスペシャルな知能を持っていると知りながら」
「同じ手が二度も通じると思う?」
「愚直ッ!愚劣ッッ!!愚鈍ッッ!!」
蟻人が大きく飛び退き、
ウェンディゴーと呼ばれた怪獣…ッッ!
その拳の射程範囲外へ引き下がるッッ!!
焔刃でどうにか凌ぎながらも叩きつけられ…
だが…
爆刃を建物に投げつけるッッ!!
直後、建物が爆炎に包まれて燃え上がる!!
「フゥーーー……!!」
燃え上がった建物に灯された火炎を蟻人が吸い上げる…ッッ!!
直後
凍てつく存在を焼き払う火炎を、
その身に纏いなおしていく…ッッ!!
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「火力上昇してやる―――この可燃ゴミでッッ!!!」
■ミア・コレット >
「!?」
爆発炎上、建造物を一撃であそこまで……
でも、でも。
アンタが燃やしたのは。
人の居場所じゃないか。
「なるほど、アンタ確かに特別だわ」
「結構焦ってる、正直、逃げたほうがいいかもね」
「でも」
精神統一。
呼気を整えながら、自身のダメージを確認する。
「アンタが今やったことは私の怒りに火を注いだわ」
「アンタがゴミみたいに燃やしたものは人がいた場所だ」
「パワーアップのために爆破したものは人の安寧だ」
許すな。怒れ。決して目の前の悪を、野放しにはするな。
「うわああああああああああああぁぁ!!」
右手を前に突き出す。
集中────再形成ッ!!
「エトランゼッ!!」
巨剣を持った光の戦士、バルドル。
その両手剣での斬撃で圧しきりにかかる。
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「……ハーッハッハッハッハ!!!」
「そうだ。我は下等種族を燃やした。それの…何が悪い?」
仰々しく大笑いする蟻人
そうとも
こいつらは元々
"人の命で遊ぶ敵対性怪異"
知っているだろう?
面白半分で人を拷問するような怪異
それが蟻人
ジュースにして飲み干した蟻人は
建物と同じほどの
爆炎をその身に宿す―――!!
「く…ッッ!!」
焔刃と、爆刃。
2つそろえてもこの剣は重い―――ッッ!!
「燃えろ、燃えろ燃えろ燃えろォォォォ!!!」
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねェェェェ!!!!!!!!!」
さりとて潰されるものかッッ!!
「我が名は"レッカ"!」
「蟻人の拠点襲撃特殊部隊四天王、烈火ノ侍、"レッカ"なるぞッッ!!」
「下等種族が我を…ッッ!!」
「侮る、なあああァァァァァッッッ!!!!!」
名乗りと共に、
叫ぶ。
この我が!
この四天王たる我が!!
このレッカが!!!
偶然駆け付けた下等種族なんぞに負けてたまるかァァァァ!!
■ミア・コレット >
気迫と共に振り下ろされる爆炎を宿した蟻人の重斬ッ!!
爆裂を伴うそれにエトランゼは耐えられても……私が…!
再び爆破を受けて鞠のように転がる。
影は解除され、戦う力が血と共に抜けていく。
「あ、あ……」
このまま倒れていれば、ラクに死ねるかも知れない。
そんな弱い気持ちを打ち払い、立ち上がる。
「お前がゴミと断じたものに」
「お前が下等だと唾棄したものに」
「誇りがあることを見せてやる」
幽鬼のように、それでもしっかりと二本の足で立ち上がる。
私の双眸は、金色に染まっているはずだ。
「エトランゼ………!!」
最後の力を振り絞り、血塗れのままそれを呼び出す。
美しい女性の上半身、腐りきった死体のような下半身。
「汝の名はヘル、眼の前に立ちはだかる尽くを冥府にいざなう者なり!!」
相手の足元から空へ向かう力が発生する。斥力。
同時に、相手の頭上から押し潰す力。重力。
空中で拉げさせてやる、レッカ!!
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「ハーッハッハッハッハ!!!」
「死ね…!」
ついに、倒れた。
爆刃に倒れ伏したぞ…!
「焼却処分だ。下等種族め…!」
とどめを刺してやろうと迫ったところで、まだ、立ち上がる。
…!
まだ?!
何故だ、ゴミめ。
我が…この我が…!
"ゴミに気圧"されるだとッッッ
「クソが…!!」
「紅き屍骸の殺戮目標は落とさせん…!」
「遊びじゃないんだよ―――」
「我らが殺戮は―――本気ッッッ!!」
なんだこのパワーはッッ?!
潰される…ッッ!
まずい
まずいまずいまずいまずい。
「―――!!!」
だがなああああ!!
「やめろ!!!」
「その術をやめろおおおおおおおおおォォォォォ!!!!」
「今すぐやめねば…我が獄炎で自爆し、貴様諸共火炎に包み込み殺戮してくれるううううッッッ!!」
「今すぐにやめろ!!」
悪足搔き。
人質作戦。
卑劣と嘲るが良い。
卑怯と罵るが良い。
そうだ。
そうだよ。
黙ってこのまま殺される?!
冗談じゃないッッッ!!!
「このレッカ――刺し違えてでも貴様も、この街も、全て、全て、全て―――」
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「殺戮だ!!殺戮あるのみだッッッ!!!」
■ミア・コレット >
「あっそ……じゃあやめてあげよう」
重力だけ解除する、そうすると当然斥力がかかった蟻人は。
空へ空へと上がっていく。
「こうすることで利点はあるよ」
「アンタの声をもう聞かなくて済む」
豆粒のように見えるそれはさらに高高度へ打ち上げられ。
「欠点もあるかな……」
「こうしちゃうと」
■ミア・コレット > 「アンタが花火になった時に見えづらいからなッ!!」
■ミア・コレット >
「ヘル、ナグルファルだッ!! あいつをゴミに変えろーッ!!」
再び拳を握る。
成層圏で蟻人に超重力と超斥力が同時にかかるだろう。
■紅き烈火ノ侍蟻人 > 「な……ッッ!!ふざけ……!!」
飛んでいく、蟻人。
高く、高く、高く―――
夜空に飛んで逝く。
成層圏―――
■紅き烈火ノ侍蟻人 >
「我が…下等種族に?!」
「この我がッッ?!」
「敗北するだとッッッ」
「畜生がッッ!!!!」
「畜生がァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
■紅き烈火ノ侍蟻人 >
空高く打ち上げられた紅き蟻人は。
天高くでひしゃげながら…
見事な花火を一つ、描いた。
■ミア・コレット >
「ふふ、なかなかキレイな花火じゃないか……」
その場に崩れ落ちるように座り込む。
血を流しすぎたか……!
「さす、がに……強、かったな…」
女神がどろりと溶けて自分の足元に戻る。
あとは……風紀委員に、お任せか…
そんなことを考えながら、意識を手放した。
ご案内:「6月末日 落第街路地裏にて」から紅き烈火ノ侍蟻人さんが去りました。
ご案内:「6月末日 落第街路地裏にて」からミア・コレットさんが去りました。