2024/08/06 のログ
ご案内:「トコケット会場」にミア・コレットさんが現れました。
■ミア・コレット >
「ありがとうございましたー」
笑顔でメタラグ同人誌『めたらぐっ4コマ漫画激情』を頒布した。
今ので完売。
今の私は大人気VRロボットゲーム、メタリック・ラグナロクのオペレーター。
メリッサ・アーデルハイドのコス売り子というわけ。
「完売しましたので今日はこれで失礼しまーす」
と言ってブースを出る。
へへ、結構な額と同人誌を数冊もらっちゃった。
バイト感覚とはいえ、私もこういうイベントに興味がないわけじゃない。
楽しもう、まずは近辺。メタラグ島から。
■ミア・コレット >
さて、このサークルは……
サークル、ウリョツキーPencil堂か。
「新刊見てもいいですか?」
と声をかけてみる。
見本誌を渡してもらった。
ってこの本……!?
『コンパクトステーション2版メタリックラグナロクの思い出』……!?
メタラグはゲーセンが初登場だしこんなレトロなゲーム機で出ては…
あっフル妄想って書いてある!! センスの塊か!?
つまり『メタラグが旧世代家庭用ゲームとして最初に発売された頃の思い出話』を全部妄想で書いてあるのだ。
すごい情熱……!
「一部ください」
思わず買うわこんなの!!
ホクホク顔でバッグに本を入れた。
ご案内:「トコケット会場」に橘壱さんが現れました。
■橘壱 >
トコケット。要は常世版の聖地、祭りである。
ともあれば一介のオタクとして出ないはずもない。
人混みを練り歩く少年。今日は分け合って色入眼鏡。
まぁ、要するに度数入りのサングラスだ。
「向こうにも負けない熱気だな……此処にも相応のマニアは多いらしい。」
顔も知らない連中ばかりだが、此の島にも相応のマニアがいるとはなんだか嬉しい。
オタク、仲間意識だけは無駄に高い。ふ、となんだか得意げなのは何処目線なんだ。
そんなわけで、ある意味古巣であり自らの原点、聖地のメタラグ島。
此の島でも流行っているのは間違いないようだ。
かつて、玉座に居座ったものとしては、今もこうして人気があるのは嬉しい限りだ。
「(だからこそ、一介のファンであることに徹しないとな……。)」
自慢じゃないが此の界隈だけなら名のしれた人間である自覚はある。
だが、飽くまで自分は参加者でありその律を見出してはならない。
わかる人間だけわかればいい。だからこそ、変装(言うほど変装か???)を凝らしたのだ。
正しくその態度は後方彼氏面に他ならない。メタラグ、今日も賑わっている。
それだけ見れれば満足な気もしたけど、せっかく来たんだしサークル巡りでもしようかな。
そう思った矢先目に映ったのは、忘れるはずもない姿。
何度も見てきたその姿。忘れるはずもない。
「メリッサ・アーデルハイド……!?……の、コスプレ、か。」
思わずゲームから飛び出してきたかと思った。
そんなはずはないな。しかし、そう見間違う位にはいいクオリティだ。
ちょっと大きめの声を出してしまったので思わずは、とコスプレ少女を見てばつが悪そうだ。
「あ、ど、どうも。ごめん、いいセンスだったものでつい……。」
若干挙動不審。オタクはコミュ障である。
■ミア・コレット >
声が聞こえてきて振り向く。
同人誌を物色中だったので気まずいけど。
メリッサを知っているとならば恐らく同好の士。
「どうも、メリッサ・アーデルハイドのコスプレです」
小さく手を振った。
笑顔も忘れない。
今の自分は非公式ながらコスプレをさせてもらっている立場。
誰に対しても失礼があってはならない。
「ありがとうございます、いいセンスでしたか」
なんだかんだで友達と真面目に改造に取り組んだ逸品コス服。
褒められれば、それはもう嬉しいというもの。
「って……あなたどこかで見たような…?」
どこだっけ……?
でもサングラスがどうにも引っかかる。
気の所為かな……
「ここの同人、面白いですよ」
「あ、もう完売しましたけど“ゆるカラー本舗”のコス売り子だったんでそっちも宣伝しときまーす」
と言って笑った。
■橘壱 >
小さく手を振られてちょっとドキッと胸が高鳴る。
オタク、二次元の、しかも好きな女子のコスプレに弱い。
鼻の下伸ばすほど下賤ではないが明らかにキョドッてる。
「(元がいいんだろうな……普通に可愛いんだが……。)」
可愛げのあるこじんまり感に将来美人に成りそうな顔立ち。
何よりもキャラを崩さない雰囲気が出ている。
というか、やっぱり此のオペ子の衣装際どいな。
なんでオペレーターのくせにへそ出してるんだ。お腹壊すぞ。
結果、見惚れてしまったと言うべきだろう。
再びは、っとしてあ、あー、と気を取り直したかのような唸り声。
此処が公然の場なら挙動不審で掴まってる。公然の場だった。おしまい。
「あ、ああ……うん、そう。"いいセンスだ。時が違えば、肩を並べていただろう"……ってね。」
メタラグのNPC、ロベルト・ハイマンの台詞だ。
台詞デッキにも封入されるほどに人気が高く、その渋みから人気の高いキャラでもある。
こういう場なんだ。そういう台詞をしれっといれるのはマニアのアピールとして十分なはず。
「……あ、いや、トコケット自体に来るのは初めてだから気の所為じゃない、かな……!?」
再びドキリと肩が上がった。
何だ、もしかしてバレたか。
いや、そんなはずはない。完璧な変装だ。(※サングラスだけ)
「そうだろうね。昔から人気があるし、良く見たら老舗のサークルの名前もちらほら見る。
パラレル・ローチンカに、三霊堂、昔から今もずっと描いているんだなって、少し安心した。」
「……何?ゆるカラーの売り子だったんだ、キミ。
そっか……途中で寄る予定だったけど、完売か……。」
ちょっとガックシだ。
■ミア・コレット >
どうしよう、相手の視線が定まらない。
ヘソか。ヘソ周りが際どかったか。
一応、ガイドラインには収まる程度になっているはずだけど。
それはそれ、これはこれだ!!
相手に不快な思いをさせたらそれはレイヤー失格……!!
不安に眉を下げると、ロベルトのセリフがすっと出た。
あっこの人かなりディープ!!
「ロベルト・ハイマンですね……!」
「そのセリフ、課金しても出なかったのが悔しいです」
さっきまでの不安も吹っ飛んだ。
思わずニッコニコになってしまう。
「気の所為でしたか、それは失礼しました」
「私もまだ回り始めたところなんで楽しみです」
言われると、ちょっと肩を落としたように見えた。
かなり早い段階で完売したしなー。
って……こんな時のためにサークル主さんは
同じ本を数冊渡してくれたんじゃないかな!?
さっと4コマ同人誌を取り出して差し出す。
「どうぞ、次があったら買ってあげてくださいね」
そう、全ては同好の士に本という形にした“好き”を伝えるために!!
■橘壱 >
「(……あ、なんか気を使わせたか……!?
違う、決してキミが悪いわけじゃないんだ……!!)」
まずい。キョドッたせいで何かちょっと変な目で見られてる。
違うんです。好きなキャラの綺麗なレイヤーさんだからキョドッてるんです。
オタクでしかもコミュ障よりでごめんなさい。
せっかく会場を盛り上げてくれてる為にコスプレしてくれてる子なんだ。
何か、何か気の利いたことを……!
かつての尖り具合が丸くなったせいか、脳内フル回転。
オタクが導き出した答えは……!
「あ、いや、すっごい綺麗だったんではい。
つい見惚れて……クオリティも、はい。写真って有料ですか?」
ちょっと挙動不審気味に褒める…べた褒め…!
いけない、これは典型的なキモヲタムーブだ────!
「わかってくれるなんて、流石だね。
確かに人気も高いけど、別に課金だけが全てじゃないさ。
僕も課金はしていたけど、ディープな程じゃないしね。」
「機を待てば、セレクションチケットでもらえるようになるよ。」
お金だけでどうこうなるゲームなら人気にはならない。
尤も欲しい気持ちはわかるから、ちょっと月並み程度の慰めだ。
今のご時世、課金する側にも優しい仕組みは幾らでもある。
「まぁ本土の方では似たようなイベントに……え、いや、流石にそれは……。
こういうのは自分で買ってこそ意味があるし、今日限りってワケでもないだろうから……。」
差し出された本には少し抵抗がある。
これは彼女が受け取ったものだろう。
そんなものをいくら欲しいからって横取りみたいな形はよくない。
転売ヤーのようなことはしてはならない。軽く首を振って軽く断りを入れた。
「……それよりも、今回り始めたばかりなら一緒にどうですか?
知識だけは無駄にあるので、宜しければ……。」
こういう事はす、と言える。
意識するとキモヲタになるらしい。ダメな男だね。
■ミア・コレット >
「わ、ありがとうございます」
綺麗と言われれば嬉しい。
それは単純ながら真理なのです。
「写真くらいいくらでもどうぞ」
と、隣に並んで自分も彼と一緒に映るように写真を撮った。
携帯デバイス+自撮り棒=コミュニケーション。
「そうなんですよね、結局タクティクスが八割で」
「その辺理解が足りなくて負けるとムキーってなって」
「これだけ好きになって、これだけ熱くなれるゲームって最高だなって」
でもセレチケはそろそろメイン機体の強化に使いたいなーと悩む。
理想を言えば“好き”で勝ちたい。
「そうですか」
本を引っ込める。
会ったばかりの人に善意と本を押し付けるわけにもいかない。
「え、そうなんですか」
「じゃあ一緒にお願いします!」
やった、詳しい人と一緒にトコケットを回れるとは僥倖。
順路を見て。
「人の流れ的にああいってあっち行く感じですかね」
■橘壱 >
「いや、事実を言ったまでで……は?神かよ。」
思わず出てしまいました、オタク語録。
なんだって、こんな可愛いのにただで撮ってくれるのか。
おまけに一緒に撮ってくれた。神じゃん。
感情が一周して逆にすん、と落ち着いた。
写真に映ったのはそのおかげでちょっとキリッとしてる。
元の素材は良いらしい少年。
「……"好きなものこそうまくなれ"。って、月並みに台詞だけどね。
熱くなれるほど好きなら、嫌って人はいるけど勉強あるのみだよ。」
「タクティクスに、座学。一筋縄じゃいかないゲームだから大変だ。
特に、"好き"で勝つにはね。その分楽しいのは間違いないさ。」
知り尽くしてるからこそわかる。
コレはゲームである以上、相応のバランスが存在し
そこには必ず強弱が存在する。
勿論、出来る限りその幅は狭めてあるバランスではある。
だが、どうしても生まれるのだ。人が作るものに完璧はない。
その"好き"が弱によってしまった時、特にゲームは苦しくなる。
そうなったら正念場。最後に物を言うのは学んだ事と、情熱だ。
「そこまでハマってるなら、キミなら出来るよ。」
そう言って微笑む少年にこそ、強い意思がある。
その言葉を実現したからこそ滲み出る説得力だ。
「ん、まぁ、僕で良ければだけど。
……そうだね。基本は列っていうか、案内の矢印に従うんだ。」
「列を乱すのは良くないからね。場合によってはローペースになっちゃうけど、仕方ない。
後は狙い目のサークルがあるなら、それこそ効率よくいかないとね。」
「そういうわけで、キミは何処に行きたい?
……コスプレイヤーの名前を聞くのって、トコケットでもNGかな?」
■ミア・コレット >
「ポーズ取りますよ、周りに迷惑がかからない程度に」
「って……オペレーターのポーズって言ったらこれですよね」
手をすっと横に差し出した。
メリッサは基本的にこのポーズで喋る。
「なるほど、含蓄がある言葉ですね」
「さてはお兄さん相当やり込んでます…?」
そして背中を押すように応援の言葉をもらうと。
サムズアップで満面の笑み。
「ありがとうございます、頑張ります!」
へへへー。今日は良い日だなぁ。
「矢印……なるほど、人はその流れに沿って歩いてるんですね」
「あ、私は今日時間取れたら“キミニエール”のメタラグ合同誌『鋼の黄昏よろず本2』が欲しいって思ってたんですよ」
カバンから取り出した配置図を見る。
「別にいいんじゃないでしょうか、ミア・コレットです」
「あなたの名前は?」
■橘壱 >
「そうなんだよね。そのポーズなんだよね。
何時も聞いてたよ、『おかえりなさい』の声。」
ログインボイス、何度も聞いた。
メタラグを起動すれば何時も彼女が声をかけてくれる。
そう、此のポーズだ。懐かしい。
「……"答える義理はない"……ってね。
まぁ、それなりだよ。最近はせいぜいログインと情報集めくらいだけど。」
エメラルドファントのパイロット、NPCノリアキの台詞だ。
独特な髪型とチェリーが好物のパイロットの台詞である。
サングラスをくいっと上げれば、どことなく得意げだ。
「キミニエールか。いいサークルだよね。
独特なふんわりとした可愛らしい絵柄と空気、僕は好きだな。」
良く覚えている、サークル主が変わっていなければだけど。
配置図を横から見ながら脳内シュミレート。
キミニエールの配置が此処だから、最短…いや、寄り道を考えると……。
「左手の列の方に行こう。
最短ではないけど、色んなサークルを見ながら進める。」
「そう?人によっては、そう、コスプレだからさ。
あんまり名前聞くのも良くなかったりはするんだよ。」
特に、アイドル的側面もあるし、マナーの悪いストーカーまがいの行為をするやつもいる。
そういうのが横行しないように、プライベートを守秘するものだっているのだ。
「僕は……、……あ、"アイン"で。」
名前を名乗るのも此処では危ない。
ゲームプレイヤーとしてメディアにも出ていた立場だ。
とりあえず、偽名っぽいのを即興で名前を借りることにした。
■ミア・コレット >
「おかえりなさい」
「いやー、テンション高いオペ子の印象も強いんですけどね」
「カナ・インテグラルの『ウェルカムバーック!』ってやつ」
ポーズを取り終えると歩きだしていく。
ついでに塩分タブレット一枚。
「ふーん? ならいいんですけど」
なんとなく大物感があるなぁ。
そしてノリアキは好き。声が良い。
ストーリーモード終盤で死んだのかなり悲しい。
「ねー、しかも合同誌ですよ合同誌」
「うち7サークルは名前知ってる人だったんでテンション上がりっぱなしですよ」
そして示されるルート。
おお、これは頼もしい……!
「おおー、じゃあこっちから順番に見ていきましょう!」
ウッキウキで歩きだしていく。
「私なんて普通ですよ普通、一般人ですし」
そして彼が明らかな偽名を名乗ると。
ふふっと笑ってから、こう言うのだ。
■ミア・コレット > 「──嘘つき」
■ミア・コレット >
「あはは、名乗れない事情ってものがあるんですねー」
そう言って道すがらサークルを見て回る。
あっここ!! 攻略関係の同人誌だ!!
■橘壱 >
「ハハ、たしかにね。イオリのおとなしめなオペレーターも好きだけどさ。
僕の中ではやっぱりメリッサが一番かな。うん、オペ子の数も結構多いからね。」
此処はかなり好みが分かれるところだが、最初期の付き合いとしては思い入れが深い。
だからこそちょっとキョドッた節もある。
ちょっと慣れてきたので、今はだいぶ平常状態だ。
案外人馴れするとそういうものらしい。
よし、上手いことコミュニケーションが取れているぞ。
コミュ障故にちょっと内心ガッツポーズ。自らの成長を感じる。
「そういうモン……だと思うよ、ゲームでもなんでも。」
努力は裏切るかもしれないが蓄積は裏切らない。
此れは本当だ。短い人生で良く学んだ。
「確かに……全部聞いたことあるようなサークルで……、……!?」
"嘘つき"。
たった一言ではあるが、人が息を呑むには十分な一言だった。
確かに嘘を吐くのが得意なわけじゃない。
だが、そんなに嘘つきだとわかるような部分があったか。
わからない。ただ、一瞬で看破された。
じんわりと背中を伝う冷や汗。ぎゅっと無意識に、衣服の胸元を握った。
「……あ、いや、その……ご、ごめん……
……名乗れないわけじゃなくって……まぁ、"訳あり"というか……。」
そればかりは嘘じゃない。
実際、あんまり名乗るような名前でもない。
とにかく、落ち着こう。落ち着かないと……。
早鐘を打つ心臓を抑えるようにもっと強く、胸元を抑えた。
「あ、そ、そう、だね……攻略コーナー。
ちょうど行き詰まってるならちょうどいいと思う、よ!
ほら、アソコの天犬サークルはかっこいい絵と一緒に中々いい戦術とか書いてくれるし……!」
■ミア・コレット >
「そうそう、メリッサの初期からいる安定感すごいですからね」
「根強い人気があるのも頷けますよ」
ゆえにメリッサのコスプレに気合を入れすぎたのもある。
既製品買って着てハイ終わりにはしたくなかった。
裁縫部と映研を頼ることになったのもそういう事情なわけで。
でも、メリッサが好きだって人と会えて良かった。
私もメリッサが好きだしね。
そして、彼のごめんという言葉に対してはオーバーに左右に手を振って。
「訳ありなら追求しませんよ」
と言ってから上機嫌に同人誌を見て回る。
「なるほど、天犬サークル……!」
「すいません、この新刊を一部ください」
早速買ってみる。
なんだかんだでメタラグが大好き。
「アインさんは欲しい本ないんですか?」
「私の買い物に突き合わせてしまっていますが」
■橘壱 >
「……臨場感のあるゲームだからね。没入感も凄い。
だから、PvEでもPvPでも負けた時の悔しさは凄いんだ。」
「プレイヤー次第ではあるけど、大抵の場合はメリッサが慰めてくれる。
優しいからさ、彼女。その優しさに救われるプレイヤーは多いんだよ。」
かつてのゲームは、モニターとコントローラーで操作していた。
一枚の画面を隔てたゲームでさえ人は熱くなったのだ。
それがよりリアルなVR空間になった時、その没入感はリアルと変わらない。
そんな時の人間は大小なり失敗には傷つくものだ。
プレイヤーを慰めるオペレーターの存在は、プレイヤーならば誰もが感じるだろう。
そのありがたさ、温かみに。好きなものを語る少年のは楽しそうに微笑んでいた。
「……そう言ってくれると助かるよ。
まぁ、此処を出るときにでも……。」
トコケット、特に此の島では言えない。
ともかく、落ち着いた。…あんまり慣れないことはするものじゃない。
「決断力早いな!?迷いもしないや……。」
それくらい好きが伝わってくる。
そういうプレイヤー達がいる限り、此のゲームは暫く安泰だ。
「僕かい?僕は……うん、"今は"大丈夫。
今日は顔見せ、というか雰囲気を確かめたかったんだ。」
「此処でもどんな風になってるのか気になってね。
そう、本土の方でも似たようなイベントには参加者として出たことあるからさ。
向こうのサークルもこっちで本を出してるし、活発なのは安心したよ。」
「何よりも、キミみたいなメリッサ好きに逢えただけでも、収穫だ。」
■ミア・コレット >
「負けた時にオペレーターに溜息なんてつかれたらイヤですもんね」
「VRゲーでやられたら数時間立ち直れませんよ」
それはそれとして。
メリッサはプレイヤーの味方だ。
ストーリーモードでも。
ランクマッチでも。
今日の自分はそれっぽくなっていたかな。
「やっぱり大物なんじゃないですか」
トコケットで名乗れないってどんなだろう。
色付き眼鏡の下にその秘密があるのだろうか。
「大丈夫です、私の良いものセンサーがバリバリ働いてますから」
帰ってから戦利品を読むのが楽しみ。
というかメタラグ島でこれって相当おっきいイベントだなぁ…
「そうなんですか、じゃあ今日は案内に甘えておきます」
「メリッサ好きなんですよー、だから今日はこうしてコスで参加できて」
「……本当に良かったなって」
それから合同誌を無事買って。
着替えて帰り際に挨拶に行った時に。
アインさんが。
元・メタラグ全1の橘壱だと知ったのだった……
■橘壱 >
「ハハ……一応そういう子もいるけどね」
特に尖ったキャラというのは、カルト的人気がある。
とは言え、一般受けし辛いのも事実であり、魅力が伝わりづらいのも事実。
僕は好きなんだけどな、メスガキオペ子のカンザシちゃん。
なんて、一人胸中ぼやいておいた。
「……どうだろうな。少なくとも、"大物"にはなりたいよ。
誰もが知っているような、僕の名前を知っているような位には、ね。」
そうだ。世界を股にかけるなら、それくらい大きく成らなきゃいけない。
ゲームの世界だけじゃない。企業の広告塔、No.1操縦士。
目指すべき空はまだ広大で、果てしないけど、確実に近づいているのはわかる。
…かつての自分なら、それこそ鼻にかけて"当然"と言っていただろう。
視野が広がった今は、そうやって夢を語れるくらいには余裕ができた。
「また今度も来るからさ、その時もまた一緒に回りたいな。
同じ好き者同士の、パイロットとしてね?」
それこそ心底楽しそうな彼女を見て、此方も自然と笑みが溢れる。
色々あるけど、ゲームっていうのは娯楽。
何事も好きで、楽しんでるプレイヤーが一番なんだ。
まだどうやら、自分が翔けた空はそこに広がっているらしい。
……久しぶりに、今度は挑戦以外で遊ぶのもいいかもしれない。
こうして、一通り周り終わって合流した夕暮れ時。
茜色の空で少年はもう一度、少女に名乗った。
「────はじめまして、橘壱。しがないメタラグファンだよ。」
メディアに取り上げたときよりも一層、自信に溢れた笑顔で名乗るのであった。
ご案内:「トコケット会場」から橘壱さんが去りました。
ご案内:「トコケット会場」からミア・コレットさんが去りました。