2024/08/13 のログ
ご案内:「数ある事務所/幻終決戦の前日」にDr.イーリスさんが現れました。
Dr.イーリス > それは幻終の決戦が始まる前日の話。
応接間にて。

「……《試作型感情エネルギー砲》、中々うまくいきませんね」

決戦の前日は右脚を失ったまま、イーリスは応接間にあるPCのモニターと睨めっこしていた。
そして頭を抱えている。

イーリスの傍に置いてあるのは、機械式の大砲。手に装着するタイプのものだ。
その大砲に繋がってるコードはPCに接続されている。

Dr.イーリス > 《試作型感情エネルギー砲》、それは強力な兵装……と思ってエルピスさんのために開発したもの。
しかし、全然うまくいかない。

「このままでは、エルピスさんの感情エネルギーを吸いつくしてしまいます。とても危険です……。それに、エルピスさんから吸い尽くした感情エネルギーに大砲自体が耐えられません」

強力な武器……。
《感情魔力混合炉》で感情をエネルギー化したものをエルピスさんの継ぐ力により大砲に送り、それをビームにして放つ武器だ。
エルピスさんにしか扱えないがその分高いポテンシャルを発揮できる……はずだった。

その分威力そのものは凄く高い。
いや、破壊力が高すぎたかもしれない……。

「この大砲そのものは失敗作ですね……。後日分解しましょう」

がくり、と肩を落とす。

Dr.イーリス > 「……この大砲の事は後で考えましょう。今は、“王”との決戦に備える必要があります」

イーリスは《試作型感情エネルギー砲》を応接間に放置して、お部屋を後にする。
その《試作型感情エネルギー砲》は決戦当日も、そのまま応接間に置いたままにされていた。
《試作型感情エネルギー砲》に接続されたコードは外してある。

決戦前にエルピスさんとイーリスが応接間で解呪したり、鼓舞していただいたりしていた時にはこの大砲が背景のどこかに何気に置いてあった事になるだろう。

ご案内:「数ある事務所/幻終決戦の前日」からDr.イーリスさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所 / 永遠夜の嵐の前」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
 光が降り注ぎ、再び赤い月が登る頃。
 最悪の事態を確信した少年は、ありったけのアンプルを身体に打ち込む。
 劇薬に近い活性剤や興奮剤。心身を奮い立たせる。

 少しでもカッコつけられるように、お気に入りの学ランを羽織る。
 魔王たるお義姉ちゃんから授かった、契約の印である本を取る。
 イーリスが置いて行った、何らかの試作品を背負う。落さないように学ランごと鎖で縛る。

 契約を履行する。代価として、少年は女性に変貌する。

「ごめん。ナナ、待ちきれなくなっちゃったから、迎えにいってくる。」
「一緒に待つって決めたのに、ごめんね。かえってきたら、怒ってくれてもいいから。」

 "行ってら、恋人なんだからしっかり助けてきてよね。"
 そんな言葉と共に、手を振って見送って貰った。
 

エルピス・シズメ >  
 最悪の最悪の斜め下を確信して、日常を取り戻すためになりふり構わず全て切った。
 事務所をひっくり返して、使えるものを搔き集めた。

 こんなことは起こってほしくなかった。
 けれど、起こってしまったからには仕方ない。

 どうしたってやらなきゃいけない。
 日常を取り戻すためにやらなきゃいけない。


 既視感。継いだ経験から、先を読む異能。(僕の異能だと思っていたもの)
 想いを継いで。精神──感情や意志、精神の媒介・継承・再現を行う異能。(僕の異能だと思っているもの。)
 囚う心。再現と継承を繰り返し、英雄の無尽再現を試みた形ある異能群。(ほんとうのかたち。)

「……ぜんぶの、想いを、継いで。」

 異能を使い、すべてが成立する自分の形を思い浮かべて、その他我(自我)を借りる。
  
 『想い人が』残していった、 《試作型感情エネルギー砲》(イーリスのユニット)
 『お姉ちゃん』より授かりかった、《剣帝魔王としての力》(剣帝魔王アスモディス)
 無意識から掬い上げる事の出来た、《自我を得た殺害欲》(ロッソルーナ・エミュレイタ)

 過積載な英雄再現で壊れそうな、僕の自我を繋ぎ留めるのは《混沌の魔力の残滓》(ナナの声)

「いってきます。」

ご案内:「数ある事務所 / 永遠夜の嵐の前」からエルピス・シズメさんが去りました。