2024/11/11 のログ
ご案内:「新作を持たないミア・コレットと、彼女の巡礼の都市」にミア・コレットさんが現れました。
ミア・コレット >  
ここはプラモ店『プラッチックユニバース』。
棚を隅から隅まで見渡す。
新作コーナーをもう一度見る。
もう一度棚。
そして新作コーナーに視線を移し。

私は。
BANZAI NAMEKOの新作プラモ『装光刃鬼(そうこうじんき)スサノオー』を買えなかった事実を噛み締めていた。


絶望の味がした。

ミア・コレット >  
落ち着こう。落ち着いて考えよう。
店員さんだ、店員さんに声をかければわかるかも知れない。


売り切れてた。
知ってた。一番落ち着いてない状態だよ私。

ともあれここにいてもスサノオーは手に入らない。
ここから先は祈りだけ。

常世プラモショップお遍路が始まる。
足を使い、どうしても新作プラモを手に入れなければならない。

バンナメを疑ってはならない。
スサノオーを妬んではならない。
それは巡礼にも似た敬虔なりし者の旅路。

私はプラッチックユニバースを出た。
11月なのに、妙に外気は暖かった。

ミア・コレット >  
巡回バスに乗り込む。
中は空調が聞いていたけれど。

私は居心地が良いとは感じなかった。

装光刃鬼スサノオー。
メタリックラグナロクに先行実装と同時にシリアルコードがプラモについた新作。
どうしても欲しい。
ゲームでも使いたいし、部屋にも飾りたい。

でも売ってないものは売ってないから仕方ない。

ミア・コレット >  
降りて歩く。
次の店までは近い。
『グラッジオブアンダードッグ』。
パンク系ライブハウスみたいな名前だけどプラモ店。

とりあえず新作コーナーを見てみる。
ない。POPでスサノオー売り切れですと書いてた。
わかりやすくていい、98点。
(スサノオーが売ってたら100点)

次の店に向かおう。

ミア・コレット >  
『タヌマ』売り切れ。
『スガバシ常世店』売り切れ。
『アーマード・ゾーン』売り切れ。

そしてプラモ店『菅沼プラモ店』に足を踏み入れる。

あああああああ!?
あった!! スサノオー!!
最後の一つ!!

ニッコニコでプラモの箱を手に取る。

ミア・コレット >  
ふと、隣にいた学生さんと目があった。
あっという顔でお互い見つめ合う。

鼓動が高鳴る。
別に恋ではない。

「い……」

「いる系ですか……?」

系ですかってなんだ。
相手は錆びついたくるみ割り人形のように首を縦に振った。


「ど、どうぞ」

冷や汗をかきながら相手に差し出した。
根負けである。
そして相手の靴を見ればわかる。

自分以上に険しいオデッセイの果てにこの店にたどり着いたのだと。

ミア・コレット >  
私は店を出た。
スサノオーを見つけるまで私の旅は続く。

ご案内:「新作を持たないミア・コレットと、彼女の巡礼の都市」からミア・コレットさんが去りました。