2024/12/09 のログ
ご案内:「麺処たな香」に田中 浩平さんが現れました。
ご案内:「麺処たな香」に伊都波 凛霞さんが現れました。
田中 浩平 >  
夕方くらい。
店のテレビを眺めながらのんびりとした営業時間を過ごしている。
日が落ちるのが早くなり、最近フルフラットとかいう怪人が跋扈する今。

なーんとなく客足は落ち着いていた。
くそー、迷惑なヤツだな悪党ってのはだいたいにして!!

テレビでも暗いニュースが続いている。
放送部のドラマ早く始まらないかな……

伊都波 凛霞 >  
寒くなってきた昨今
丁度近くの友人の家に用があって、その帰り
あっ、そういえば…なんて思い出して踵を返しやってきたのはとあるラーメン屋さん
異邦人街オレンジストリート3番14号、場所は間違いない

時間的には少し客足が落ち着いた頃だろうか
やってるのかな?と少し少し心配しつつも軒先へ
どうやら営業中らしく、ちょっと安堵

引き戸の独特の音と共に店名のかかれたのれんをくぐって顔を出したのは、焦茶の髪をポニーテールに纏めた、鈍色の瞳の少女

「あのー、一名なんですけど」

そう、言葉を発しつつ、いかにもといった大衆ラーメン屋へと足を踏み入れてみた

田中 浩平 >  
ぼんやりテレビを見ていると来店が。

「いらっしゃいませー」

美しい御髪。
星の鉄を思わせる瞳。
心臓が。跳ねた。

この前、名前叫びながらハイパーセルフプレジャーのネタにした伊都波先輩じゃねーか!!
待て、落ち着け、バレてるわけがない。
即風紀(隠語)なわけない!!

「どうもー、来てくれたんすね」
「カウンター席へどうぞ」

暖房の効いた部屋とはいえ汗が出てくるんじゃあ!!
お冷を前に置いて、熱々のおしぼりを出した。

「寒くなかったっすか」

平常心だ田中ぁ!!

伊都波 凛霞 >  
「ふふ、近くまで来てたから、やってるかなーと思ってきちゃった」

見知った顔をちゃんと確認できれば、ひらひらと手を振ってにっこり笑顔
促されるまま、カウンター席へ失礼しますと座らせてもらう

「もー冬だねー。いつ雪が積もってもおかしくなさそう」

着込んでいた厚手のダッフルコートを脱いで、椅子の背にかける
店内は流石に空調が効いているし、ラーメンを食べたらきっと身体も温まる
首元まである白いネックセーターに黒のストッキングにブーツ、
制服姿とはまたちょっと違った雰囲気の少女は表情に笑みを讃えたまま、言葉を続けて

「でも寒くなってきたからこそ、ラーメンだよね♪ あ、ありがとう~」

ほらほかのおしぼり、綺麗に爪の整えられた両手でそれを受け取る。とてもぽかぽか、冷えた身体に熱が伝わる感覚が心地よくて思わず頬がもっと綻ぶ

「おすすめとか、あるのかな?」

前にもらったクーポンも使えちゃう?なんて、お財布から取り出して見せればぱっちりウィンク

田中 浩平 >  
「やってますとも、まぁ客足はぼちぼちでのんびりやらせてもらってますよ」

あの笑顔……夢想していたまま、いやよりキレイだ…!!
くそう、伊都波先輩彼氏とかいんのかなぁ!!
いるだろーなぁ!! キレイだし!!

「夏がすごい暑かった分、冬の寒さも際立ちますね」

でもラーメンを食べに来てくれたの実際かなり嬉しいー!!
客足が減れば減るだけ萎れる自信、それもラーメン屋のサガ。

「そりゃもう塩ラーメンですよ、うちの顔ですからね」
「夏場はつけ麺ばっかり出てたんですが、この季節となるとさすがに復権しますねぇ」

「……ここだけの話、つけ麺のほうがコスト低くて儲かるんですよイヒヒヒヒヒ」

特に憚らない声量で喋ってチャンネルを変える。
ちょうど天気予報をやっていた。

「そのクーポンあったら塩ラーメン200円引きで」
「そっちのクーポンが味玉無料です」

伊都波 凛霞 >  
眼の前の少年の内心知らず
あまり男の影を感じさせないような容貌ではあるし、自分からそういったことを口にしたりするタイプでもない
目立つタイプ故に知られている部分はあれど、知らないのであればやはりそれまで
んー、と唇に人差し指をあててメニューを眺めながら

「ラーメン屋さんが儲かるのかなー、とか、いまいちお客さん側だとわからないよねえ。
 でも一人できりもりしてるんだもん、すごいよー」

そんなに年も違わない、なんなら年下かな?
そんな男の子が一国一城の主なのだから、この島の環境と住人は本当に凄い

「ね、ついつい厚着しちゃう。
 あ…やっぱりそうなんだ?つけ麺最近あちこちで流行ってるもんねえ」

くすくす
ここだけの話、と言いつつなんかいやらしく笑う少年に笑みを返しつつ…

「よし!塩ラーメンに味玉トッピングで! とびっきり美味しくしてね♪」

味がそれほど変わるようなものではないと思いつつ、そんな軽口もきっと愛嬌だ

田中 浩平 >  
あの柔らかそうな唇!!
(平常心フィルター)
でラーメン食べて欲しい!!

「普段はバイトめっちゃいるんすけどね」
「テスト前でシフトいれる人が減っちゃって」

あとはまぁ、普通に例の甲種犯フルフラットの影響もあるけど。
風紀に言っても文句にしかならないだろう。
(俺より絶対詳しいしね)

「はいよー」

ラーメンを作り始める。
明日の天気は晴れ模様。

「先輩、勉強のほうはどうです」
「俺は部活の単位がなかったら卒業まで六年かかっちまいますよ」

やべぇ手が震える!!
お前ラーメン屋だろ!?
ラーメン作るのに手を震わせてたら失格オブジイヤーだろうが!!

伊都波 凛霞 >  
平常心フィルターのおかげで邪な雰囲気はでていない、きっと
でも、フィルターがなくっても、妙にそういうところに鈍いこの少女は気づかないかもしれない

「そっか、そういう時期だもんねぇ。
 そういうことまで考えないといけないのかぁ…経営って大変そう。」

お店の経営をしていると、勉強の時間なんかないんじゃないかな…と思ってしまうけれど

威勢のよい返事と共に調理に入る彼
程なくしてあの独特の、小麦と脂のなんとも言えない良い香りが漂って来る──

「勉強はちゃんと時間見つけてやってるよ~?
 風紀委員だし、ちゃんと他の人の規範になれるようにしないと、だしね」

カウンターに腕(と胸)を乗せて、調理中の会話に興じる
こういう会話は、学生ならではといった感じがする
普通のラーメン屋で出てくるような会話とはまた違う趣があって、少女は割とそういう会話が好きだった

「だよね? お店の経営しながら勉強なんて、ふつーはどっちかだもの」

頭が下がっちゃうよ、なんて言葉を続けつつ、苦笑
それをなんなくこなしている島の住民もいるみたいだけれど、素直に尊敬に値する
自分なんて神童や完璧超人なんて揶揄されたところで、本人的には抜けているところもたくさんあるし、学生としてのスペックが高いにとどまっている…と、思う

「ね、ね。やっぱり困ったお客さんとか来る? 異邦人街だし、やっぱり学園のほうとは少し違うよね?」

田中 浩平 >  
「経営学総論もマクロ流通にミクロ流通も常世で学ばせてもらってますよ」
「俺にとって常世学園は第二の師匠です」

そう、経営学部と経済学部が一緒になったような授業を受けられる。
そして部活として店を出すに辺り支援も手厚い。

常世島に人が来る理由、それは学びが二重に得られる場だからかも知れない。

「風紀委員って大変そうですね」
「ラーメン屋は他の人の規範にならなくていいのは気楽です」

「生活委員会の下部組織なんで生活態度は改めろってぇ話ですがね」

軽妙な(自己評価)トークと共にラーメンを出す。
煮卵は小皿で出した。

…カウンターに胸が乗っとるんじゃあ!!
どんな質量なんじゃあ!!
後でカウンターのあの部分削って持って帰ったらダメかな!?

「ここで学んで本土で店を出せたら話題性十分なんで、ぼちぼちっすね」
「困った客……とは違うんですが」

「めちゃくちゃ厳つい竜人? みたいなお客さんはこの前来ましたね」
「食べ終わった頃に泣きながらこんな美味しい食べ物知らなかったって握手求められました」

伊都波 凛霞 >
「向上心がある人にとっては良い環境、なのかな?
 本土と比べたらすごく濃密な学生生活を過ごせそうではあるよね」

勉学も、それ以外も
異能者でなくったって、この学園にいるメリットは大きいのかもしれない
そういったモデル都市である…というのもあるけど、この規模で…と考えるとそんな場所は島外にはそうそうなさそうだ

「学生やりながら、だからどこの委員会も大変だよね。充実してるって言いかえてもいいのかもだけど。
 そう?でもライバルなんかも多いんでしょ?なんか前に対決してたみたいな……」

学生の規範にならねば、なんてプレッシャーはないのかもしれないけど
店の存続やライバル店の存在、埋もれ客足が遠のけば店は畳まねばならない、シビアな世界だ
そしてそれは頑張れば必ず結果が出るという類のものではないとも思う
だからこのお店をやっている彼、田中くんはとってもすごいのだ

お出しされた煮卵
これは是非ラーメンにオンしてから戴きたい
彼の内心はいざ知らず
少し姿勢を変えたり身体を揺するだけで視覚的に変化する肉鞠
もしカウンターに変化があったら、次回訪れた時に眼を丸くするしかない
胸にフィットする形に削られているのだろうか

「へぇー、へぇー。
 異界から来た人なんかには衝撃なのかもね。
 ラーメンっていう食べ物に慣れてる私達でもすごく美味しいラーメンに出会ったら感動するんだもんね」

知らない存在がそれに触れたらその衝撃たるや計り知れないのかもしれない
麺処たな香…異邦人街に在るということも手伝って、ラーメン文化を広めることの一翼を担っていそうだ
…なかなか凄いのでは?

田中 浩平 >  
「そうですね……」
「こう、異能がどうとか。魔術がどうとか」
「世間じゃ常世をそういう目で見る人結構いるんですが」

「個人的には超一流の学び舎として見てるんで、すごくありがたいです」

その生徒が風紀委員使ってハイパーセルフプレジャーしたのはいいのか?
よくないね!!
知ってる!! わかってる!! オール俺の罪!!

「ライバル店に負けてたら本土で10年看板守れないです」
「ラーメンバトルは店の宣伝も兼ねるので避けがたいんですが」
「あーれ結構楽しいんですよ」

ニヒヒと笑って。
ラーメンバトルはプライドを賭けたバトル。
勝てば嬉しい、負ければ悔しい。
そこにはシンプルな勝負の流れがあって、青春を感じるのだ。

「まー……色々あるんですが」
「基本、ラーメン屋って笑顔が集まる場所なんですよ」

「だから人生賭ける価値があって」
「だから全力出してます」

「でも店主が腕くんでハチマキしてる立て看板の意識高いラーメン屋とはどこまでもバトりますよ」

オチをつけるなオチを。
それはそうと美人ってラーメン食べててもサマになるっていうか。
良いな!

伊都波 凛霞 >  
なんてしっかりした考え方の子なんだろう
自分と殆ど年も違わないのに、経営に手を出して、店を切り盛りしているとやはり立派に見えるものなのかもしれない
そんな子が自分を使ってハイパーセルフプレジャーしてるなんて思えるわけもなくそんけーの眼差しである

「うん、配信で見たけどすっごい盛り上がってたもんね。
 ああいうエンタメ?的な感じで味も名前も宣伝できたり、こう対決要素があって白熱するし」

やはり社会は競争なのだ
競争社会こそが成長を促す
不正みたいな、悪い部分ばかりが目立つけれど
ちゃんと鎬を削って頑張っている人たちのことは評価されるべき、少女は深く頷いた

「それじゃあ、いただきまーす…」

出されたラーメンから香る良い出汁の香り
側に添えられた煮卵の色艶までもが食欲を唆る…
ふわりと靄のかかる湯気と共に、塗り箸に絡む小麦色の麺と色鮮やかなトッピング、そして見るからに美味しそうなスープを絡ませて
するすると上品に啜って見せれば、思わずをの眼を丸くして…

「んん~~~♡ 美味しい~~!
 こんなの食べさせられたら、そりゃあみんな笑顔になっちゃうよ!」

冬場に食べるラーメンの格別さ
それでいて、塩を食べればそのラーメン店の実力が理解るという言葉もある
ラーメンバトル勝者の看板に偽りなし、思わず次、次…なんてお箸が進んじゃう!

「腕組みしてたら意識高いんだ?」

あはは、とオチに笑って見せたりもしつつ、美味しくラーメンをいただいて
食べ姿なんてあんまり意識したことはないけれど、おうちが武術の家系なのもあってか姿勢も含めて妙に綺麗ではあるのだった

田中 浩平 >  
手のひらの汗を見せないように顎に手を当ててうんうんと頷いて。

「結構、金が動くイベントなんで」
「スタジアムの許可の通りもいいですしね」
「でも普段、ライブとか見に行くステージに自分が立ってるの違和感すごいっす」

なんだかんだで基本は資本。
社会を動かすのは貨幣、マネー、紙幣。
だからこそ、食べ物屋は社会の一員であることを忘れてはならないのだ。

李下に冠を正さずじゃないけど、善良であるに越したことはない。

「メンマを変えてみたんですよ」
「あとは来年春までに麺とスープに手を加えてバージョン2で売り出せたらいいなって」

言うは易し。
スープのフォーミュラや基本のレシピともなれば、安易に手を加えたら崩れるもの。
ここからは試練の冬だ。

「そういう店に限って私語厳禁だの撮影禁止だのお冷もお残しダメだのしゃらくさいんですって」
「うちは意識低い通り越して意識ないですからね」

意識ないのは気絶しているが。


こうして話していると、先輩はキレイだけど普通の女の子だ。
誰しもが特別な人生を生きている。
でも、普通の人なんだ。

二度と性消費するなよ田中。

伊都波 凛霞 >  
「ふふっ、そうなんだ。また見たいな~。いや、むしろこのクオリティ…会場にいって食べたいかも…。
 …あ、別に食い意地張ってるとかそういうんじゃないからね?」

こんなことばっかり言ってると勘違いされそうなので念のため釘を差した
美味しいものを食べるのは幸せなことだけど、そう思われるとは女の子としてちょっとだけ不名誉なのだ
そんなこと、思われてるとは思っていないけど口にしてしまうあたりは、一応気にしているらしい

「へー、バージョン2!
 これは、でたらまた食べに来ないと…!」

気がつけば完食…アッという間だった
しっかりと味が染みた煮卵を割って、片方はそのまま、もう片方は断面をスープに浸して戴く
透明感のあるスープそのものも、れんげに掬って味わって……
カロリー?
ラーメン屋に来てるのにそんなこと気にして美味しく食べられるわけがない!

「意識高い、かぁ…確かにそれは窮屈そうかも…って、あぁっ」

はっとしたように、ちょっと大きな声をあげてしまう

「…美味しそうすぎて、写真撮るの忘れてた……」

はぁ…と、食べ終わってからちょっとだけ悲しげな少女であった

性消費したって構いやしないさ、どうせ相手が一ミリも疑ってないんだからな…バレなきゃOKだぜ
そんな悪魔のささやきが田中少年に聞こえた
…かもしれないし、なかったkまおしれない