2025/01/10 のログ
ご案内:「Free2 未開拓地区:汚染区画/汚染源探査作戦」に神樹椎苗さんが現れました。
ご案内:「Free2 未開拓地区:汚染区画/汚染源探査作戦」に蘇芳 那由他さんが現れました。
■神樹椎苗 >
――閉鎖区画、内側ゲートから真っすぐに進んだ先。
一本の椎の樹が幹をくねらせて、不自然に生えていた。
椅子のようになった幹の上に座り、包帯だらけの脚を組み。
サイドテーブルのようになった枝の上から、ココアのカップを手に取って、悠々としている。
「――今日は冷えますね」
そんな(外見だけ)幼女が、神樹椎苗である。
名実ともに幼女だったのは、すでに数年前。
気づけば十代半ばと、時間が経っており。
椎苗を取り巻く環境も、いつの間にか穏やかなものに変わって居た。
とはいえ。
だからこそ、こうしてタマの無茶振りを無視できなくなっているというのもあるのだが。
なお、この日は人待ち中である。
押し付けられた無茶振りに応えるには、どうにも椎苗だけでは難しそうだったのだ。
■蘇芳 那由他 > 厳重とも言える、複数の身体チェック等を終えて、一人の覇気の無い少年がゲート内部に足を踏み入れた。
ほぼ手ぶらのまま、学生服の上に防寒用の黒いコートとスニーカーという軽装。
更に特筆すべきは、何か道具や武器の類を一切携行していない事だろう。
…そもそも、少年の武器は己の意思で自在に具現化が出来る為、手ぶらで何も問題は無いのだ。
…あるとすれば、少年の心境とかそういうものだろうか。
(…本当に僕が役に立つのかなぁ、この仕事…。)
待ち合わせ相手でもある雇用主の幼女さん直々のご指名だが、果たしてどうなるやら。
少年の持つ【槍】が、今回の目標への特効効果があると見込まれているのは分かる。
…だが、まだ少年は【槍】にきちんと認められてはいない中途半端な半人前の所有者だ。
真の力を十全に引き出せない状態で、果たして足手纏いにならずやる事をやれるか。
「――あ、椎苗さん…どうも、お待たせしました。」
相変わらずゴスロリ好きな人だなぁ、と。この前会った時は社交界ドレス姿だったけれども。
彼女の方へと歩み寄りつつ、何時もの少年らしい敬語と挨拶をする。
■神樹椎苗 >
「――ん、来ましたね」
椎苗が助手の到着を認めると、片手を振る。
すると、もう一本の椎の樹が急速にその幹をうねらせ、椎苗の隣で椅子のような形になった。
座れば、不思議と暖かく、寒空の下でも落ち着く心地だろう。
「まあ、慌てたり急ぐ仕事でもねーですから。
まずは一息入れるといいです。
あー、甘いもんでも構いませんか?」
言いながら、組んでいた脚を降ろして、椎苗の手に対して随分と大きなポットから、マグカップに湯気の立つココアが注がれる。
そして、助手の少年に不愛想にも差し出されるのだ。
そして椎苗はまた脚を組むのだが、中々に丈の短いミリタリーロリータのスカートからは、かなりキワドイ所まで見えかねない装いだった。
■蘇芳 那由他 > 「…おぉ…。」
彼女が片手を振れば、急成長した樹木が既に彼女が腰掛けているそれと同じような椅子っぽい形状に。
いまいち覇気の無い死んだ瞳を丸くしつつ、驚きの声を漏らしながらも取り敢えず座らせて頂く。
「…結構長丁場になりそうな感じですか?
……あ、えぇ。甘い物も人並には好きですね。」
何か彼女のサイズ感といまいち噛み合っていない大きさのポットから、ココア特有の香りが鼻腔を擽る。
無愛想に差し出されたマグカップを、小さく礼を述べながら受け取って。
(――いや、それはそれとして…椎苗さん、そのスカートの丈で足を組むのは色々危険では…!?)
と、ツッコミは一先ず内心で押し殺す。口に出したら絶対にからかわれる気がしたので。
ただ、かなーり際どい辺りまで見え隠れしているので正直落ち着かない。
何とか気を引き締めようとするが、この仕事は長そうなのでココアを一口飲んで少し落ち着きを。
「…それで、汚染源の探索…でしたっけ?手掛かりとかはあるんですか?」
ただ、闇雲に探せばいいというものでもないだろう。彼女にそう質問を。
■神樹椎苗 >
「うん?
ああ、そうですねえ」
そのつもりはなく、無意識に脚を組み替えながら、幼くも細く白い色の脚が付け根近くまで見えそうになりつつも、当人は何も気にする様子はない。
「例えば、衛星写真で確認できたのは一度だけ。
大きさは推定で百メートルほど。
目視でも一度確認されていますが、全身が汚染物質だらけで、恐らく二足歩行である。
――という情報が伝わって以降、航空映像でも目視でも、姿の確認が取れていません」
両手でネコマニャンのカップを持って、息を吹きかけながら、ちょっとずつ口を付ける。
ココアを味わうと、ほう、と白い息を吐いて幸せそうに緩んだ、外見相応に穏やかな表情を見せた。
「つまり、何らかの方法で姿を消せるのか。
何らかの方法でその巨体を隠す事が出来る能力があると言った所でしょう。
――さて。
『非凡人』、映像でも目視でも観測出来ない、となると、その巨体はどこにいるのでしょうね。
お前はどう考えますか?」
そう、柔和な表情のまま、目を細めて、助手くんへと顔を傾けて視線を向けた。
ご案内:「Free2 未開拓地区:汚染区画/汚染源探査作戦」に蘇芳 那由他さんが現れました。
■蘇芳 那由他 > 内心でドキドキしつつも、一先ず顔や態度には出さないように努めつつ。
今回の仕事はかなり大変になりそう…だと思っているので、彼女の説明に意識を傾けて。
「……その一度だけ…ですか。」
汚染物質、の詳細などは彼は全く聞いていないので分からないが、危険なのは流石に分かる。
それよりも、いきなりこちらへと質問されて危うくココアを吹き出すところだった。
(…え?いきなりそんな質問!?…どうしよう、全然分からないんだけど…!!)
…映像でも目視でも観測できない――つまり透明になっている…迷彩的なものだろうか?
そうなると――…
「……仮に、その汚染源が――透明とかになれるなら、別の場所に潜んでいるか――あるいは。」
観測された場所から全く動いていないか…いや、だがそれはありえるのだろうか?
あまり深く考えすぎてもいけないのかもしれないが、”凡人”には中々難しい質問だ。
■神樹椎苗 >
「――あるいは、動いていないか。
まあ、悪くない推測です。
及第点ですね」
そもそも経験の少ない助手にしては、十分な発想力だと言える。
椎苗は満足そうに、機嫌の好い笑みを浮かべた。
「迷彩のようなものであれば、科学的、超常的な看破すら凌ぐ強固なモノとなりますね。
ただ、実体そのものまで消えていなければ、必ずその痕跡が残ります。
足跡のようなものですが――そういう物は見つかっていませんね」
となれば、それが見つかっていない以上、単なる迷彩ではない。
実体すら消せる能力があるという事になる。
それを見つけ出すとなれば非常に厄介だろう。
「観測された場所から微動だにしていない、その可能性はあり得ましたが、それであれば調査の初動で捕捉されているでしょう。
ん、どちらかと言えば、前者――姿を消している可能性の方が高いでしょうね」
そう話すと、椎苗はココアを呑み切って、カップを置いた。
そして、助手の少年に向かい合うように体を向けて、大げさな動きで脚を組みなおす。
――本人としては、古傷がむず痒いから落ち着かないだけなのだが。
少年からすれば見せつけられているようにも感じるかもしれない。
「となれば――まず最初に可能性を排除するべきなのは、なんだと思いますか?
ヒントは、そうですね。
ここには、実体であっても非実体であっても、問答無用で斬れる死神が派遣されました」
くすくす、と笑いながら。
妙に機嫌よく、少年に問いかけた。
■蘇芳 那由他 > そもそも、少年は戦闘経験も含めて色々と経験不足だ。それは彼自身が一番よく分かっている。
及第点はギリギリ貰えたようで、僅かではあるがほッと表情が弛緩する。大外れではなくて良かった。
「――…つまり、痕跡すら残さず姿を消す・隠す能力を持っている。
そんな相手を見つけるには、普通に探してもまず見つからないですよね。」
少なくとも、その汚染源に何らかの発信機…みたいに、居場所を示す”印”でもなければ。
ただ、疑問なのは姿は消せても匂いは?音は?気配は?そういうのも気になる所だ。
例え、観測されなくとも確かに”そこに居る”という確証が持てればいいのだけど…。
「――その場から動いていない、というのは除外するとして見えないだけでも十分に厄介だなぁ。」
例えば人間などは外部情報のおよそ8割近くを視覚情報に頼っていると聞いた事がある。
目に見える情報、というのはそれだけウェイトを占めており…そしてそこを”潰される”となると。
(…見て探すのはまず分が悪い――って、だから椎苗さん!足!足が危険ですから!!)
いけない、気が散ってしまう。少年は意外と集中力はある方だが時と場合と状況による。
心頭滅却すれば何とやら。彼女に勘付かれないように、ゆっくりと深呼吸をして気を取り直そうとしつつ。
「――少なくとも、最初に観測された場所から動いていない、というのは”無い”でしょうね。
仮に、その死神さんがその場に赴いて斬ったら…姿を消していようが斬られる羽目になるので。」
そんな間抜けを晒すならとっくに汚染源の現在位置は割れて下手すれば討伐されている筈。
あくまで素人考えでハズレたら恥ずかしいが、その時はその時である。僕は頭の出来も凡人なので。