2024/06/15 のログ
ご案内:「常世総合病院―病室―」に蘇芳 那由他さんが現れました。
蘇芳 那由他 > ハッ、と目が覚めたらそこは男子寮にある自分の部屋の天井…ではなく。

「……あ、れ?」

無機質な白い天井をぼんやりと見上げたまま違和感に気付く。
自分の部屋の天井じゃない……首を巡らせて周囲を寝起きのはっきりしない頭と目で確認。

(…これは……病室、かな?)

そして、昨夜の紅い鮫との(少年にとっては)死闘を思い出して、一気に目が覚めた。

「……!!」

だが、そこで上半身を思い切りガバッ!と、身を起こした――それが不味かった。

蘇芳 那由他 > 「~~~~~~っっっ…!?」
蘇芳 那由他 > 既に全身あちこちに食らった激酸の飛沫の火傷などの手当てはされている。
だが、痛み止めが切れていたのかそれでもカバーしきれない傷の多さだったのか。

そのまま、起き上がった状態で悶絶するようにプルプルと体を小刻みに震わせる。
そもそも、普通に結構な怪我なのでいきなり動いたらそうもなろうに。

(…き、昨日よりは全然マシ…だけど、痛いものは痛い…っ!)

蘇芳 那由他 > 痛みに耐えつつ呼吸を整える…ヒー、ヒー、フ~…いや、これは違う呼吸だった気が。
ともあれ、痛みにまだプルプル小鹿みたいに体を震わせながら己の姿を確認する。

簡素な病院着…あの後、街に戻る途中で倒れてしまった記憶が朧げにあった。
それが、こうして今ここに居るという事は、通りすがりの誰かか風紀の人達に発見されたのか。

巻かれた包帯は全身あちこちに及んでいるようで、特に両腕が念入りだ。
二の腕から肘関節の少し先あたりまで、感覚的に特に痛みが酷い。
確か、昨夜あの紅い鮫が逃亡する間際に放った激酸を咄嗟に腕で防いだ記憶があったりなかったり。

「…命があるだけ儲けものだよね……うん…。」

これは本当にそう。あの鮫が何者かさっぱりだけど、凡人の自分が本来撃退出来る相手じゃない。

蘇芳 那由他 > (…問題は、多分…いや、必ず事情聴取されそうな事なんだけど。)

ただの怪我ではない事は明白で、相応のトラブルに巻き込まれたと判断されたのかもしれない。
そもそも、わざわざ個室部屋に入院させられているのが変だ。

「…事情…方向音痴で落第街に迷い込んだら、変な穴に落ちて死にかけて。紅い凶暴な鮫に殺されかけました、と。」

…うーん、事実なんだけど呟いて顧みると何だこれは、となる。
あの紅い鮫…ただの怪物とかではなさそうだ。破邪の戦槍の力が発揮されていた事からして…。

「―――怪異…なのかなぁ、アレも。」

痛みがちょっぴり引いてきたので、大人しくまたベッドに横になる。
正直、死神の神器が無ければ最初に穴に落ちた時点で人生終了だっただろう。

蘇芳 那由他 > そういえば、怪我は兎も角あの変な衝動みたいな感覚が消えている気がする。
少年はまだ知らないが、不完全とはいえ感染して危険な状態ではあった。
どうやら、何らかの治療法にて一先ず事なきは得たという事らしい。

ただ、酸による怪我は皮膚や一部筋肉へのダメージが有り、直ぐに治るという訳にはいかなそうだ。

「…どのくらい入院する羽目になるかなぁ。」

一週間とかでせめて退院出来ないかな…と、思いつつベッドに横になったまま呟く。
…そういえば、携帯もあの酸の攻撃でお釈迦になっていたのを思い出す。
…最悪だ、時間を潰す手段がほぼ無くなってしまった。

蘇芳 那由他 > それでも、命を助けて貰っている以上、そこは我慢するのは当たり前だ。
それはそれとして、自分の方向音痴は何とかしないと今回みたいに命の危機がありそう。

(…空間認識が一部おかしい、って話だけどピンとこないし。)

精神的にも一部欠陥、欠落?みたいなのがあると言われた事もあるけれど。
自分ではそもそも何を欠落してしまっているのか全然分からない。

「…傷跡とか残らないと有り難いけど、そんな贅沢言えないし…少しでも早く回復するといいなぁ。」

呟きながら目を閉じる。目が覚めたとはいえ色々消耗していたのかまた眠気が来たようだ。
数分もすれば、静かな寝息が聞こえる事になるだろう。

ご案内:「常世総合病院―病室―」から蘇芳 那由他さんが去りました。