2024/06/17 のログ
ご案内:「月の見える小さな神社」にセレネさんが現れました。
セレネ > ふわり、淡い蒼の光が小さな社から飛ぶ。
それはパチンと弾けた直後、一人の女性がその場に現れた。

『…案外残るものなのね…』

呟く言葉はこの国の言葉ではない言語。
まさか細々と祀られている此処が、未だ取り壊されずに在るなんて。
参拝する者も居ないだろうからと、小さな社に身体を預けて一息つく。
…建物の間から見えるのは、満月。
蒼白い光を注ぐそれと同じ色を放つ月色は、温い風に揺られて煌めいた。

セレネ > 『暑い…』

付けているイヤーカフは自身で作った魔道具だ。
氷属性の魔法を掛けている。この時期は特に諸々過ごしづらいので
少しでも過ごし易いように手を加えていた。

それでも多少は暑さが軽減出来る程度。
湿気混じりのジメジメした暑さは平気な訳ではない。
暑さには滅法弱いので。

『…長居し過ぎると倒れそうだわ』

鳥居は一つの結界。だから、己の姿も鳥居を潜らねば見えない。
陽が落ちて久しい時間帯。道行く人々を鳥居の内側から蒼が見やる。

セレネ > そろそろ帰ろうかな、と身体を社から離す。
愛猫も寂しがるだろうし、同棲中の黄緑髪の彼も帰って来てるかも。
此処には何時でも来れるのだし、この神社は己の領域なのだ。

片手を軽く上げ、指を鳴らす。
身体は光の粒子となって消え、その場には何も残らなかった。
──いや。仄かにローズの香りが残る。
それもやがて風が攫って行き、静寂と月明かりだけが包むのだった。

ご案内:「月の見える小さな神社」からセレネさんが去りました。