2024/08/03 のログ
ご案内:「破壊神の社 プライベートプール」に蒼き春雪の治癒姫さんが現れました。
■蒼き春雪の治癒姫 >
水 着 回 ! ! !
ご案内:「破壊神の社 プライベートプール」に緋月さんが現れました。
■蒼き春雪の治癒姫 > ちょっとばかり面倒ごとがあって何もできてなかったけれど、
やっと緋月様にご連絡が出来ました!
というわけでお誘いしたのはプールです。
……ちょっとヤバいめの知り合いが住んでるっていうか…まつられてる場所。
プールがあったなんて知らなかった。
私は泳ぐのは良いか。
なんか…このプール、やけに涼しい。
周囲より10度ほど気温が下がっているみたい。
なので、いつもの着物でプールの傍のベンチに腰を掛けて
涼をとりながらお待ちしております。
(そうそう、この間の氷祭りのお話しもしないとね!)
■緋月 > 「えーと……此処で大丈夫、ですよね。」
破壊神の社というだけでも大仰なのに、其処にプライベートプールとはいったい。
混乱しつつも、お誘いを受けてやって来た外套に書生服姿の少女であった。今日も刀袋持参である。
「……何だかこの辺、やけに涼しいような。」
気のせいだと思いたかったが、生憎そうではない模様。
明らかに気温差がある。具体的には10度程下がる位。
まあ、高温からの熱中症で倒れるよりはマシなのだが。
「――あ、蒼雪さん、しばらくぶりです~!」
お呼び出しを頂いたお相手の姿を確かめると、軽く声を掛ける。
■蒼き春雪の治癒姫 > 「緋月様~ッッ!!!」
たかたか。どたばたどたばた。
もう見てるだけで涼しくなりそうな蒼き雪柄の着物を着た、
ブリザードの如き女が駆け寄る。
「今日も」
「大変」
「お綺麗でいらっしゃいますねッ!」
んはーっ
すばらしーっ
「いやあ、暫くあえなくって寂しうございました」
「緋月様、お体など壊されていませんでしたか」
「此度の夏は異常なほどに暑く!」
「殺人級と言えます。」
「こちら日陰でございます。どうぞいらっしゃって。」
「なんだか冷房のような風が吹いており大変過ごしやすいです。」
サッ、とさっきまで自分が座ってた場所へご案内。
■緋月 > 「あ、蒼雪さん、あまりそういうことを大声で……。」
大声で……で……。
「……叫んでも迷惑にはならなそうですね…。
私がどう反応すればいいか困るだけで。」
プライベートプールというだけあって、他に人がいるように見えない。
貸し切りみたいに見えてこれは贅沢な。
「あ、どうもです。
確かにこの夏は暑いですよね…。雨避けの為とはいえ、この外套もいい加減暑くなってきて…。」
実は雨が降られた時の対処手段でもある外套。
酔狂で着ている訳ではなかった。それでもやはり夏は暑い。
「しかし、此処は涼しいですね…いや、暑いといえば暑いのですが、それでも外よりはかなり快適な。
ちょっと、温度差で体調崩さないか心配になる温度差です。
蒼雪さんは大丈夫ですか? 温度差。」
■蒼き春雪の治癒姫 > 「失礼いたしました。」
「久しく見た緋月様のあまりの美しさに思わず感極まり叫んでしまいました。」
本心ではある。
うん、やはり美しい。
……今すぐ貴女様に斬られたい……ッ!
或いは…殺―――
違う違う違う。
それは違う。うん、大丈夫。
んん~~~っ、たまらないッ
「はて。あら、それは雨避けに羽織られていたのですか。」
「いつもそのお着物に、マントをされていらっしゃったので、
なにかのこだわりがあられたのかと思っておりました。」
「して。」
「天然の冷房と言いましょうか?」
「ここのあたりだけ随分涼しい目になっておりますが、私は問題ございません。」
「ご心配、ありがとうございます。」
にこり。
■緋月 > 「ま、またそう言う事を……。」
どう切り返せばいいのかやはり困るものは困る。
場数を踏めば慣れるというが、まるで慣れない。誰かどう対応すればいいのかご教授願いたいと
割と真剣に悩む書生服姿の少女であった。
「あ、ええ、雨を避けたり雪を避けたりするのに、こう、被って。
以前は編み笠も使っていましたが、破れてしまった上に修繕に使える材料も売っていないので…。
本当に困ったときは、コンビニエンスストアで売っている安い傘を使う事もありました。」
笠を被っていればそれはそれで立ち絵になったであろう。
確かに現代社会、編み笠を作るような材料などそうそう売ってはいないだろう。
手に入れるとしたらそれこそオンラインショッピング位だろうか。
「それでは失礼して――あ、確かに随分涼しい。
これはこれで長居し過ぎると冷房病が心配ですね…。」
熱中症も怖いが、冷房病で体調を崩すのもアレである。
夏場は厳しい。
■蒼き春雪の治癒姫 > 「…感極まるのは良いのですが、あまり感情が高ぶりすぎて、
抑えが聞かなくなるのは困りものですね。」
(久しぶりだったから、抑え込めなかったのかな……大丈夫。大丈夫。うん。)
ちょっとばかり、考え事の後。
「さりとて」
「あの時貴女様のテンタクロウめを切り裂く雄姿を見た時の感動は。
今も忘れず鮮明に脳裏に焼き付いておりますとも。」
雪柄のくせに、語り口調はとても熱いものを感じさせようか。
「濡れていくわけにもいきませんしね―――大変な思いをなさっていたようで。
……編み笠とは。昔ながらのモノをお使いに。」
なんだか益々、和の国の昔の人みたいな絵を想像してしまう。それこそ侍みたいな…
「寒暖の差は体を壊す大きな要因となり得ますものね?」
「時に。」
「雄姿といいましたら、昨日の氷のお祭り!」
「観客席より、遠くから拝見いたしておりましたよ、緋月様。」
わくわく、きらきらした眼差しを向けている。
「お見事でしたッ!」
■緋月 > 「……私としては、少々苦い記憶ですが。
あの人が、今は少しでも心穏やかであれれば良いのですが。」
ちょっと遠くを見てしまう。
部外者ゆえ、面会その他は不可能の身。
最も、吐き出すものはあの時既に吐き出し切った筈。
互いに二度と会う事もあるまいて。それが良いのだ。
「まあ、編み笠を使っていたのも随分前の話です。
今は安い傘がひとつあれば充分ですし、ないならないで凌げる場所まで外套を被って走ればよいので。」
割と現代社会に染まってしまった気がする今日この頃。
最も、便利なものは使えるなら使えば良いのである。
編み笠が懐かしくなる時がないか、と言えばない訳ではないのだが。
「え? あ、ああ…先日の。
いや、私などまだまだですよ…。直後にあれだけの技を見せつけられてしまっては、未熟を痛感させられます。」
昨日の事を思い出してちょっとだけため息。
…あの強度の氷を、まさか氷菓子の棒で細切れにして、しかも中身を壊したりしなかった。
あの腕前は、尋常のそれではあり得ない。
まだまだ、己の未熟というものを自覚させられる一幕だった。
「あ、でも果物はおいしかったです。同居してる方と一緒に頂きました。」
折角の貴重なフルーツ。夏の温度で傷む前にご馳走になってしまうのが一番だろう。
■蒼き春雪の治癒姫 > 「ふふ……やっぱり、お優しいですね。」
勝ちを誇るでもなく。相手の身を案じる。
救いとして刃を差し出したソレは、今だって偽りない事がわかる。
……美しいものだ、本当に。
見惚れる程に。
「……羨ましいものです。」
呟いた。
"どっちが"とは、言えないけど。
「ふむ。…そのためのマント…。
緋月様程の使い手であれば、雨や雪を斬るなども…できるのでは…?」
……。
(そういう剣技、見たことあるから。)
なんだか、少し確信めいた問いを投げた。
「いやま…あのう、アイスの棒でなんか、されてましたよね。」
あそこまでくると、達人技を通り越してすらいそうだ。
あの場で何が起こったのか、私も理解できていない。
「あれはちょっと驚いたというか。何というか。」
「しかして……そうは言いましても。」
「自らを卑下することはありません。」
「かの不可思議なる斬撃……?は何だったのでしょうか。」
「まるで指先からさえも斬撃を放っていたように見えましたけれど。」
(異能については、しっかり聞いておきたいからね。)
興味津々なまなざしを向けて―――
「それはそれは―――えっ同居人?!」
「同居人でございますかッ?!」
「そうですか。」
(それはそれでうらやましい。)
残念なような、興奮したような顔で、反芻。
■緋月 > 「うーん…どうでしょう…。
斬って斬れない事もないと思いますが、私の実力ではほんの一時のその場凌ぎで終わるのが関の山かと。」
やってみろと言われて、出来ないとは思わない。
だが、雨も雪も延々降り続くものだ。
それを体に触れぬよう、延々斬り続けるだけの技量は今の自分にあるかと問われれば…正直、厳しい。
「はい、私も何とか見えただけでしたが、あの氷菓子の棒で氷柱を斬っていました。
あの氷柱、見た目よりずっと硬いのにです。流石に棒の方は耐えられずに微塵に砕けてましたけど。」
達人は得物を選ばないというが、あれは一種その極みだと思う。
同じ真似をして見せろと言われたら、即座に白旗を上げざるを得ない。
「はい、ここに来て間もない頃、お世話になった風紀委員の方のお部屋に居候させて貰っています。
新学期が始まるころには一人暮らしを始める必要があるとは思いますが。」
同居人については軽く説明。
随分お世話になっているが、流石にいつまでも居候という訳にもいかない。
「ああ……そう言えば、あの時は異能使用も許可されてたので、少し使わせて貰いましたね。
あれが私の持つ能力…この島で言う、異能です。
「斬月」と、呼ばれています。
「斬る」という意志を以て放った斬撃に、特殊な性質を持たせられるものです。」
彼女相手ならば、話してしまっても問題は無かろうと判断。
「一番分かり易いものでは、斬撃を飛ばす事が出来ます。
他にも、斬撃を少しの間その場に停滞させ続けたり、揺らがせて間合いを狂わせたり――。
この島に来てから出来るようになった事ですが、斬撃の後を追わせる形で多数の斬撃を軌道に発生させる事も出来ます。
最初に斬った氷を砕いたのは、これを使ったからです。」
本当に「粉々に」しなければ、礫になって観客席まで飛ぶ危険性があったので、「醒」を使って「粉々に」した。
「後は、今言われた通り、斬ろうという意志があれば指先からでも使えます。
最後に使ったのはそれですね。」
■蒼き春雪の治癒姫 > 「そう。ですか……一時しのぎ、ですか……」
(…………。)
どういうわけか、そこだけは…露骨に、気を落としたようだ。
「…鉄で殴って砕けない程度に、硬かったですからね―――あれを、ただの棒きれで。それも、全体を…。
緋月様すら恐れる技量とは―――。
はえ……いそうろう。そうでしたか…うらやましい。」
どこかろれつが回ってないような声色。
「ふむ。」
「斬る事に関して意思を乗せて放つ―――斬月。」
(凄く丁寧に説明してくれるね。…そっか。飛ばす、とどめる、揺らがす―――そんなことも、出来るんだ。)
「多数の斬撃を軌道に……?」
「何度も同じ軌跡を斬撃にしていけるって事ですか。」
「指からも、斬撃が使える。」
「斬るという意思があれば。」
身を乗り出して聞いている。
顔が近い。
だが、いつもながらの変態的なソレとはまた違った真面目な雰囲気。
「……何点か気になる事を聞いても、よろしいでしょうか?」
■緋月 > 「う…何だか落胆させてしまったようで、面目ない…。
私よりもずっと剣腕の立つ方…それこそ、宗主様程であれば、その程度は苦もなくやってのけるでしょうが…。」
経験が圧倒的に足りていない。
才能があっても、此処だけは如何ともし難かった。
「私も冷や汗を掻いてしまいました。
ある意味、理想のひとつではありますが…はい…。」
思いだしたらまたちょっと冷や汗が出て来た。
結局氷菓子の宣伝だけしていったけど、何者だったんだろう、あの方。
「うーん…分かり易く説明するのは中々難しいですね。」
ちょっと考える。
…この説明なら、分かり易くなるだろうか。
「簡単に言うと、「月」です。
私がこう、刀を振ったとする。刀の軌道の後を多数の三日月が追いかけて来る。
――その月総てが「斬撃」だと思って下さい。」
指を刀に見立てて、軽く振って説明。
他の人に斬撃は見えないようだが、自分には「こう見える」のだ。
ありのまま説明するには、こう言うしかない。
「気になる事、ですか? 私に答えられる事であればいいのですが。」
真面目な雰囲気に、書生服姿の少女も思わず真顔。
■蒼き春雪の治癒姫 > 「い、いえっ!失礼しましたッ!…その方なら、或いは雪でも斬れるでしょうか。
それに―――やはり、居るんですね。雪を斬れる者。宗主様とは…お師匠様でしょうか?」
ふと、剣の扱いに関して2名の名が挙がると、問い。
……そんなにすごい人、やっぱりいるんだな。
「ふむ―――刀を振り、その軌道を追いかけてくる。
後々で斬撃が遅れて三日月を成して、生み出されて弾丸のように飛ぶ。といった理解でしょうか。」
「今指を振られたら、そこから後で三日月の斬閃が飛び、斬っていく、と…?」
ジェスチャーを見せてもらいながらふむふむと聞き入る。
「では、失礼しまして。」
許可頂いたので、聞いてみよう。
「一つ」
「指先から、斬撃を作れるという事でしたが。……少し離れた、遠くを斬っていらっしゃいましたよね。
どこまで先を、遠隔で斬れますか?」
「二つ」
「幾多の斬撃を後から追うように生み出すとのことでしたが…同時にどれ程の数を、斬れますか?」
「三つ」
「異能―――意思一つで作り出せる斬撃がありながら、緋月様は刀を持たれているのは何故なのでしょう?」
「―――ああ、ごめんなさい。もっと、知りたくて…つい。」
貴女の事に興味があるってことは、つまり貴女の強さ、能力にも興味がある。
斬る事と密接に繋がる貴女の事を知るには、斬る異能については―――もっと詳しく知りたい。
ご案内:「破壊神の社 プライベートプール」に土海幸彦さんが現れました。
ご案内:「破壊神の社 プライベートプール」から土海幸彦さんが去りました。
ご案内:「破壊神の社 プライベートプール」に土海幸彦さんが現れました。
■緋月 > 「うーん…実を言うと、確実にそれが出来るという状況を
見た訳ではないんです。私が宗主様に稽古を受ける時は、いつも道場の中でしたから。
――でも、宗主様程の使い手であれば、苦も無くやってのけるだろうという印象は…ええ、簡単に思い描けます。」
あの宗主様であれば、それ位は容易くやり切って見せるだろう。
その印象が、非常に強い。
「あ、はい。私の刀の技の師で………一応、血縁の上では、父上になります。
最も、父と子らしい交流は碌にありませんでしたけど。」
別に大したことではない。
外界に降りてから、家族連れの姿を何度も見る事があって、それが外界では一般的なものなのだ、と、
理解する事になっただけである。
「うーん、弾丸のように飛ぶ…というよりは、その場に少しの間留まって斬り続ける、という方が正しいでしょうか。
斬撃を飛ばす時に同時に発動すれば、間接的に飛ばす事は可能ですけど。」
こう、飛ぶ斬撃を三日月が追いかける形で、と、手振りで話す。
うーむ、こうやってると自分の説明が下手くそな気がしてくる。
「1つ目ですが、そんなに遠くまでは斬れません。
指先から発動したら…そうですね、頑張っても爪2つから3つの長さの先までが限界でしょうか。」
ちなみに、少し指の爪が縦長気味の手であった。
「2つ目についてですが……「数」については実の所、私もどれだけを斬れるかは分かりません。
何分、下手な使用が危険な力なので…氷割りの時は、準備が万全だったので遠慮なく使えたのですが。」
実際、殆ど使う事がない。人や生き物に使ったら大惨事必至の異能だからだ。
「3つ目については簡単です。
この異能は「斬る」という意志が肝要なので、確たる発動にはより強い「斬る」意志を持つ事――
つまり、それを想起させる刃物の類を持っている事が重要なんです。
まあ、私の場合、この刀は私の半身のようなものでもありますから、手放す事を考えられないのもありますけど。
…実を言うと、指先からの斬月では三日月を作るのが非常に難しいので……。」
更に言うなら、よしんば発動出来ても加減を間違えば指が大惨事になる。
兎に角、「斬る」事が第一の、刀のような異能だ。
■蒼き春雪の治癒姫 > 「三日月は飛ばす、のではなく、その場に何度も繰り返す形で斬撃をなす。」
「……斬撃はあくまでも、飛ばせるだけで、そこまで遠くに発生させることは出来ない。……工夫や意思、使うモノ次第では、どうにかなったりしそうな気がしますが。」
「……同時にどれだけ斬れるかはともかく、あの場で魅せたほどの多数の斬撃は可能。限界は、未だ見えぬ…と。」
「……斬る意思を高めるために、その剣を手にしている。それはそれとして、半身というほどに大切なシロモノ。」
「逆に言えば、意思さえあれば、……剣がなくても、出来なくもない、か。斬る、と思うだけで。」
深く、顔を寄せて聞き入りながら頷く。
「これらの話から、斬るという"意思"が非常に重要、という事が理解できました。」
「…………。」
「極限まで"意思"を高めたなら、どれ程の斬撃が見れるのでしょうね。」
「いえ……。」
(それが、あの時―――テンタクロウに見せた斬撃か。)
「それに―――お師匠様が然様な方ならば、いずれ緋月様もそれに比肩する事になるのでしょうか。」
「如何なるお方か等、知る由も御座いませんけれど…」
「なんというか―――緋月さまは。…本当に青春というものをついぞご存じなかったのでしょうかと思いましたね…」
…ご家庭も、何だか苦労していたのが見えてきた。血縁の上ではって。
……剣の道って厳しいっていうけど、やっぱり大変だったんだろうか…
■緋月 > 「はい、そのご理解で凡そ合っています。
まあ、平穏に暮らすつもりなら必要のない力です。何分、攻撃的過ぎますから。」
蒼い着物の少女の言葉にそう答えつつ、軽く息を吐く。
事実として、普通の環境に育った者であるならば不必要どころか危険過ぎる異能だ。
そういう意味では、自身の育った環境はまだ「マシ」だったのだろう、と軽く思いを馳せる。
「一言で言うなら、厳しい方でしたよ。
剣の技は殆ど身体に叩き込まれたようなものです。文字通り。
後は一度実演して見せたものを「盗んで覚えろ」と言われたり。
泣いても怒られはしませんでしたが、無言のまま能面のような顔で見下ろされるのは怒られるより怖いです。」
思い出してみて、ちょっと遠くを見るような目。
現代社会の一般常識的にはとんでもない師匠だ。
無論、青春らしいものなぞ此処に来るまでありもしない。
■蒼き春雪の治癒姫 > 「は、はぇ…」
想像する。
宗主様とやらのその凶行を。
そりゃあ怖い。
下手に顔真っ赤にして怒られるよりよっぽど怖い。
っていうか泣いても怒られはしませんでしたがって、ひづきさま、泣かされてたのか。
緋月さまが?
あのお強い…?
(こわ…。)
何となく想像できて来たんだけど…
「技の腕前は確かだけど…頑固で職人気質で意地を張りがちな人間性がほんのりと想像できました。
というか。体に叩き込まれたって大丈夫でしょうか…。良く生きていらっしゃいましたね…こわ…」
斬られて教えられたりしてないかと凄い不安になって来た。
青春を提案しておいて、我ながら凄く不憫になって来た…。
「その、なんですか。い、色々聞いちゃってごめんなさいね。」
聞いてよかったんだろうか、この話…
(……試してみる、か。)
不意に……
(斬る―――!)
「いっ……」
ちくり。
と。
指に僅かな切り傷が入った。
拙い、錆びた鉄で無理矢理割いたような。
(……ん、やっぱ、贋作は贋作だね…。)
何事もなかったかのように、指の傷を塞ぎ―――。
「今はその。」
「あれですッッ!」
「青春を楽しみましょう。」
「真夏日のプール!」
晴れやかに。
「それとッッ。」
「いつか、私の事も―――聞いてくれたらなって思います。」
(いつかが、最後になるかもしれないけれど。最後まで、居てくれるかな。)
「―――それじゃあ、行きましょうか?水着、貸出してくれるそうですから。」
「ひと夏の思い出作りですよ、緋月さま。」
(でも今は)
(何も考えずに楽しんでいたいな―――。)