2024/08/11 のログ
ご案内:「数ある事務所」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
 応接間のソファーの上。
 珍しく、夢を見た気がする。
 
 その夢が何なのかは良く分からないのも珍しいけれど、
 無意識の内に自分の手を強く握り締めていた。

「起きなきゃ」

 起きて身支度をする。よれた服と意識を整えた。
 

ご案内:「数ある事務所」にアスモディス・シズメさんが現れました。
アスモディス・シズメ > 「よいしょ、義妹弟、最近連絡がないと思えば」

空間を割いてサマーセーター+童貞を殺すルックで現れ

エルピス・シズメ > 「……お姉ちゃん。」
「ちょっと色んなことがあってね。」

 夏を堪能していそうな装いに口元が緩む。
 楽しくやっていそうだと。

「想い人が出来たり、想い人の取り合いの喧嘩の試合に負けて勝負に勝ったけど呪いを貰ったり。」

 書類上からできた、魔王にして義理の姉。
 少しだけ弱弱しく、一連の出来事を話す。

「嬉しいこともあったけど、やっぱり悔しいなあ。って。」
  

アスモディス・シズメ > 「妾とのデートキャンセルは咎めても良いと思うのじゃがな」

くっくっくと笑い

「まあ、確かにオスいや、メス?っぽくなったの?」

おでこを指でつく

エルピス・シズメ > 「ごめんごめん。まさかいきなりタンクローリーみたいのが突っ込んでくると思わなくて。」

 喧嘩で突っ込んできた改造車を思い出す。
 実際にどんな車だったは覚えていない。ロードローラーや戦車かもしれない。

 それはさておき。

「……オスの方がいいかな。好きな子の前では、やっぱかっこつけたい。
 いつか立派な大人()にもなれたら、って思うし。」

 趣味や嗜好は消えないけれど、好きな子の前ではカッコつけたい気持ちを吐き出す。

「可愛いのとか、メスが嫌……とは言わないけれど。それはそれ、これはこれ。」

アスモディス・シズメ > 「全く」やれやれと頭を撫でながら。

「それはそれとして、妾は、なんもせんでいいのか?」怒っている、珍しく

エルピス・シズメ >  撫でられながら振り返る。
 大きく満たされたものもあるし、闘いの過程で失ったものも多い。

「……僕の家族は、お姉ちゃんだけ。」
「想い人ともそうなれたらいいと思ってる、もう一人同居人がいるから、家族みたいに思っているけれど。」

 エルピス・シズメの登記上の家族も架空のものであった。
 誰が用意したのかは分からない。自分が用意した可能性もある。
 そのことは一旦おいておく。事実なのは独りであること。
 
「いろんなこと……頼みたい。
 お姉ちゃんとして支えて欲しいし、魔王としての『力』も借りたい。
 先達としての、アドバイスも欲しい。」

 言葉には、強い『欲』が込められている。
 目の前の姉への庇護を求める欲、物欲、強欲、生存欲、成長欲、想い人への愛欲、色欲。
 
 色とりどりの欲は、魔王の口に叶うものだろうか。
 

ご案内:「数ある事務所」にアスモディス・シズメさんが現れました。
アスモディス・シズメ > 「なるほどの、良かろう、では」

頭を優しく撫で

「お主の欲は甘いの」
くすくすと笑い

「しかし、濃く強い」
黒いもやを吸いこむようにしてから

「よかろ、この“契約”」

ご案内:「数ある事務所」からアスモディス・シズメさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所」に『剣帝魔王』アスモディスさんが現れました。
『剣帝魔王』アスモディス > 「魔王として、承ろう」
エルピス・シズメ >  
「分かった。でも、お姉ちゃんとしてのお願いはお姉ちゃんがいいな。」

 そんな風に、笑ってみせて。

「ひとまず、契約したいのは、ふたつ……受けている呪いに向き合えるだけの、抗魔力の加護。」
「もうひとつは、『僕の魔力ではまだ魔術を扱えないから』お姉ちゃんとの契約で、お姉ちゃんの魔法や技を、兵装として1つ借りたい。」

 一つ目の契約は、呪いを壊すのではなく、対抗できるだけの抗魔力。本能的な勝利への欲。
 
 二つ目の契約は、魔王としての姉を識りたい。魔法を知りたい。『力への探求心』から起因する欲。

「……どう、かな。」

『剣帝魔王』アスモディス > 「全部一気に解決する手があるの」

悪い笑みを浮かべ

「それはそれじゃよ、シズメ、我が義妹弟にして契約者よ」

にこりと笑う

「加護はそうじゃの、神性はちょっと足りんからより強い呪いで上書きする、しかもかなり強いやつでの、淫紋じゃがの?」

「剣帝たる我の所有物の影を貸してやろう、ぞくに言う、魔刃、妖刀、聖剣、これも眷属の淫紋を刻めば貸し出せる」

「で、最後魔力じゃが、淫紋に魔力を貯められるようにする、後は適した淫魔の肉体になるだけじゃが、覚悟は良いか?」

大真面目だ

エルピス・シズメ >  
「ん──それだとちょっと過ぎた契約になる。
 我儘かもしれないけど、『人間のまま』居続けたい。」

 首を横に振る。
 今までの中で一番大きな我欲が発揮された。
 
「……『シズメ』のルーツについても、少し調べたんだ。」
「もともとはサキュバスと旧い女神の混血で、魔力もあって、『本を書いたり読んだりする』ことが出来たみたい。」

 異本(魔本)の書き手、読み手。
 それを知っていて、この提案を出したのかは定かではない。
 ただ、目の前の魔王ならば知っている気もした。

「それを僕は引き継がなかった。
 ……人間のままで居られる範囲での契約だと、どうできる?」

 魔王との交渉。
 単なる落とし子の身に甘えるではなく、契約者として側面を強調した。

『剣帝魔王』アスモディス > 「なら、変身型ならどうじゃ、回数限定すればギリギリ人間の範囲内じゃ」

仕方ない、強い欲だし

「知っとるよ、妾も会った事があるからの」

しれっと

「魔法少女的なもんじゃが、これでどうじゃ?」

エルピス・シズメ >     
「……それなら。いける。承諾できる。」
 
 変身型。回数制限。
 自分の異能とも相性が良い。 
 自我を保てば問題ないし、回数型は管理がし易い。
 
「そっか、あるんだ。……そのシズメは、どんな印象だった?」

 遠い先祖の話。
 その子はどんなものだったのだろうと、聞いてみる。

「契約する、『剣帝魔王』。」
 

『剣帝魔王』アスモディス > 「良かろ、ならば3回までとしよう、それ以上使えば人間をやめる事にする」

縛りを強くするほど能力は上がるため、あえて上限はかけず。

「おんしにそっくりで、優しく、強く、妾好みの味であったよ」
淫蕩に笑い。

「契約は成った、“堕天の王”、“蝿の女王”、“海嘯の王”、“赤灼王”、“怠惰の女王”、“強欲王”、の連名を持って、色欲剣后が、その契約、承ろう」

光りが、君の手元に集まる、俗に言う変身グッズだろう

エルピス・シズメ >   
「3回。……そうだね。それだけあれば十分。
 人間をやめるつもりはないから……そこからは、正門から覚え直す。」
 
 警句を受け留め、契約に含まれる縛りを理解する。
 光が集い──『手帳』の形として顕れた。

 変身グッズにして、契約の証。
 書物には『剣帝魔王から借用可能な所有物』『契約内容』が記されていた。

「なら、よかった。……契約完了かな。」

 性格は血筋としても継がれている。
 その事実に安堵して、ソファーに座り直して気を抜いた。
 

ご案内:「数ある事務所」から『剣帝魔王』アスモディスさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所」にアスモディス・シズメさんが現れました。
アスモディス・シズメ > 「うむ、ここからは義姉妹対応で行くぞ」

ひざぽんぽん

エルピス・シズメ >  
「……ありがとう、お義姉ちゃん。」

 想い人も、同居人も出払って頑張っている。
 今は義理の姉としてのアスモディスに甘えようと、膝の上に頭を乗せる。
 
 そのまま目を瞑り、眠りに落ちる。
 契約による負荷の回復と、キャパシティの整理が必要なのだろう。
 

ご案内:「数ある事務所」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所」からアスモディス・シズメさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所 / 夜」にエルピス・シズメさんが現れました。
ご案内:「数ある事務所 / 夜」にナナさんが現れました。
エルピス・シズメ >  
 時刻は夜。
 エルピスがアスモディスと別れ、思考の整理を済ませた後の話。

「痛みに慣れるのも…考えものかな。」

 冷蔵庫を開く。ほぼ空っぽだ。
 食糧はあるが、嗜好品は先日出したお茶菓子を出してから補充していない。

「ちょっと食べ物が心もとないね……。」
 

ナナ > 「エルピス、大丈夫?」

そう声をかける
痛みに辛そうなエルピス
新たな呪いをかけられたと聞いた、それもやっかいな

エルピス・シズメ >    
「痛みには慣れたつもりなんだけどね……
 ごめん、ちょっとそこにある鎮痛剤取って貰っていいかな。」

 応接間のテーブルの上に置きっぱなしにしている錠剤。
 一度給湯室の冷蔵庫の前に座り込んで、ナナに薬をお願いする。

「状況は、どこまで伝えたっけ……。
 何にしても、迷惑かけるね。ナナ。」

ナナ > 「痛みなんてなれたって痛いよ。」

言われた場所の鎮痛剤を取る
手渡すが、彼の表情には疲れが見える

「別に今更迷惑なんて思わないって。
状況は、またイーリスのストーカーが襲ってきたって。
それで新しい呪いが。」

知りうる限りの現状を伝える

エルピス・シズメ >  
「忘れかけててたけど、そうみたいだ……ありがとう。」

 疲弊混じりの顔でナナを見上げながら受け取り、
 慣れた手つきで水なしで薬を呑み込む。
 
 ナナはどんな顔で自分を見ているのか。
 そう思って瞳を合わせる。
 
「うん。厄介なものを貰った。一時的にどうこうする手段は整えているけれど、それでも大変な道のりだよ。」

 おどけてみせ、誤魔化して笑う。

「それで、これはイーリスには言っていないんだけど……。
 ……王を倒して、本当にこの呪いが解除されるかどうか。」

 隠していた懸念を小声で告げる。
 
「イーリスは王の招待に乗って近々決着を付けるつもりでいる。
 ……そこは彼女ならきっとやってくれると心配していない。」

ナナ > 「本当に無理はしないでね?」

ほとんど常に痛みが走る状態らしい
心配が顔にでてしまっている
なぜこんな事になったのか

「私もどうにかしたいけど、呪いは専門外で解呪なんて…」

どうにも出来ない
どうにかしたいと思ってもどうにもならない

「王を倒しても、なの?
そんなこと考えちゃだめだよ、王とかを倒したら絶対に大丈夫。
呪いも消えて3人で楽しく遊べるって!」

根拠のない励まし
けれどそれしか今は出来ない

エルピス・シズメ >  
「うん。……素直に心配してくれてありがとう。」

 ちょっとした軽口でも入れて緩ませようと思ったものの、
 心配な顔を見てしまえばそんな気持ちは何処かに行く。

「……ナナに心配をかけるつもりはなかったけれど、
 そんな顔をさせちゃって、ごめんね。」

 落ち着かせる言葉がなかなか浮かばない。

「『死後強まる呪い』でなければ供給源がなくなるから、弱まりはする。
 あるいは……本体でなく別に供給源が設定されている場合も弱まらない。」

 自分自身に向けられた呪いがどうかは定かではない。
 案外さっくり弱まるかもしれないが、どうにも自分の事は楽観視し辛い。

「そうだね。きっと楽しく遊べる」
「イーリスと一緒にお仕事して、ゴミ処理とブラウンリヴァイアサンを撃退したんだっけ。」
「おかげで遊びに行くお金ができたってイーリスがほめていたよ。」
 
(何か、考えないと。)

 ナナを見る。
 今一度何か手段はないか、全力で思考を回転させている。

(ナナの魔力は混沌。)
(能力は姿形を自在に変えるもの。)
(混沌で、魔力は『多い』とも聞いた。)

 ナナの話を思い返す。
 自分の属性と魔力量を誇っていた記憶がある。
 知識だけが足りていない。

 ……知識だけなら、自分が持っている。

(もしかすれば、……ただ、魔術に関しては素人。)
(それに危険を負わせても、いいのか……)

ナナ > 「仕方ないよ、悪いのは全部王とかでしょ?
エルピスとイーリスはただの被害者だよ。」

悪いのは全部王
王への憎しみがつのる

「死後強まるのは、元々死語だし大丈夫のはずだよ。
もしだめだったとしても絶対に何とかする。」

王を倒せばすべてがうまくいく
都合のいい想像だが今はそれが大きい支えでもある

「撃退したよ!
金の延べ棒も手に入れたし旅行費用だって万全なんだから。」

つい最近のできごと
面白い仕事だった、イーリスにたかる輩も排除できた
エルピスも居たら良かったのに

「ねぇエルピス、もし私に何か出来るなら言ってね?
手伝えることは必ずやるから。」

それは決意している
何かあれば自分が力になる、それは恩を返す為じゃないナナ自身の意志

エルピス・シズメ >  
「言われてみたらそうだ。
 ……恋敵として見てなかったから、アンデッドの印象がどうもね。」

 当然の事を忘れていた。
 思考にも疲弊が見える。

「頼もしいよ。ナナは。……キミがいればイーリスも安心だ、は言わないお約束だっけ。」

 そう言おうとしたら不器用ながらに激励された。
 少し前の思い出だ。

「ナナ……ちょっと応接間で待ってて。」

 "何か出来るなら言ってね?"
  
 出会ったばかりならば言わなかったであろう言葉。
 その言葉に、賭けてみたく(頼りたく)なった。

 大きく息を吸い、資料室から何かを取って応接間に戻る。

「数少ない事例として、現場に居合わせた魔力量の高い素人が術師の指導の下に解呪を行った記録はある。」
「僕の知識とナナの魔力の性質を使えば、リスクはあるけど成せるかもしれない。」
「呪いが解呪できても、その名残や反動で風邪みたいな痛みは出るかもしれない。」

「それでもやってみるなら……ナナが最も魔力を使いやすい、強いと思う生物に変身して欲しい。」
「解呪や抗呪に、イメージは大事だ。ルーツの選択とHowのガイドは僕を信じて。」

 ナナのイメージした「最も魔力が強いもの」の姿は何か、問う。
 それによって、呪いへの対抗方法は変わる。
 

ナナ > 「ストーカーであって恋敵じゃないもんね。」

あんなのがイーリスの恋人候補なんて認められない
少なくとも自分は許さない

「それは聞かないからね。自分が恋人なんだから弱気なこと言わないの!」

待っててといわれればおとなしく待機する
リスクのある解呪について説明を受ける

「もっとも魔力の強い、分かった。」

その姿をドラゴンに近く変えていく
鱗に覆われた体、そして黄金の瞳に
そうしてやってきた資料

エルピス・シズメ >  資料は事例集だ。
 彼が語ったような事例が、幾つもの形でつづられている。

「ドラゴン──良いね。
 そして、気が変わった。しっかり準備して……明日の夜、最高のタイミングで月破りをしよう。」

「博打じゃなくて、確実に打つ。
 どうかな、ナナ。……承諾してくれるなら、ナナは『月』についてよく考えて欲しい。これは宿題。」

 彼にしては珍しく、悪戯な笑みを浮かべる。
 ──最高の悪だくみを考えているらしい。

ご案内:「数ある事務所 / 夜」からナナさんが去りました。
ご案内:「数ある事務所 / 夜」からエルピス・シズメさんが去りました。