2024/08/30 のログ
ご案内:「『数ある事務所』 屋上 」にさんが現れました。
> 「さーて、一通り事務所の掃除も終わったし…こういう時こそ一服だよなぁ。」

そう呟く少年が居るのは、伽藍洞で何にもない平たい屋上のスペース。
最近居候する事になったとある事務所の屋上なのだが…そもそも、人が来る事を考慮していない。
だから、屋上に繋がる通路や梯子も無いのだが、少年は普通に手近な窓からやってきた。

「うむ、パルクールの才能あるかもしれねぇな俺。…しっかし。」

少々しわくちゃになった煙草の箱を取り出しまして。中から1本抜いて口の端に咥えながら横を見る。

「……何でオマエさんが居るんだよ『キメちゃん』。」

そこには、本来事務所の護衛メカである筈の合成獣(キメラ)型メカ…通称『キメちゃん』が座ってた。
…何かこの前も言った気がするけど…名前がまんますぎない?あの子のネーミングセンスって…いや、止めておこう。

ちなみに、キメちゃんの見た目は…
”狐と狼の双頭の四足歩行メカで、機械の爪と翼を有し、機会の竜のような尻尾”を持つ。
全長は確か1・5メートルくらい?目算だけど間違いでもない気がする。
そんな、いかついガーディアンみたいなメカさんが隣で丸まって寛いでいらっしゃる…。

(おっかしいな…俺、懐かれるような事をした覚えが欠片もねぇんだけど。)

よく分からないが、何か”気に入られた”ようではある。理由はサッパリだが。

> ジッポライター、なんてお洒落なライターは残念ながらないので、安物のライターで煙草の先端に点火。
一服しつt「ゲホッゲホッ」…一服しつつ、屋上から周囲をザっと眺める。

「…うーーん、特に見慣れた景色と変わらんな…って、まぁそうだよな。…おっと。」

携帯端末に何か届いた。もそもそ取り出して煙草を蒸かしながら確認。


『『お留守番ありがとうございます! キメちゃんと仲良くやってくださっているでしょうか! 私達、海で楽しんでます!』

と、いうイーリスのメッセージと共に三人で撮影したであろう画像もあった。
三人とも水着姿だ。うん、よく似合ってる――ナナ、オマエさんは絶対ナンパするなよ?特に少年を。
色々とよからぬ事になりかねんからな…考えたら、ナンパされる側に見えるけど、ナンパ男の冥福を今から祈る俺。

俺の心の声 > (――っていうか冷静に考えて女3人組にしか見えねぇんだけどどういう事なの?)
> 取り敢えず、俺が思った事はエルピスは本気で女装?着飾り?すると一部男子の性癖を歪ませそうな事だ。
…いや、それが分かった所でどうもせんけど。人の趣味や性癖は色々あるからね…。
邪念探知機能でもあるのか、寝ていたキメちゃんが身を起こしてこっちを狐と狼の瞳でじーっと見て来る。

「あー何でもねぇよ。ほら、オマエさんのご主人様たちがバカンス中だとさ。」

と、携帯端末の”三人娘”の水着画像をキメちゃんに見せるが…首を傾げる仕草。まぁそうなるな。
苦笑を浮かべて、狐と狼の両方の頭を交互に軽く撫でてから、また視線を街並みに戻して一服。

「…しっかし、人生何がどう転がるか分かったもんじゃねぇな…。
居候とはいえ、今までで一番生活水準のレベルが高い生活してるわ俺…。」

何故か俺が早々に料理当番になってるけどな。…料理当番になってるけどな!!
ちなみに、こう見えて家事全般は普通に出来る。料理も出来る。その結果がこれだ…まぁいいけど。

> 「――まぁ、居候生活は順調にスタートしたとはいえ…。」

ちょっとシリアス顔になる…あ、煙草の煙が目に入った。痛い!俺にイケメンモードは無理らしい。

「…仮面の連中は相変わらず無秩序無軌道だし、しつこくこっち追いかけて来るし…。」

まぁ、あんな挑発と敵対宣言をかませばそうもなるか。モテる男は辛いね…ファンがみんな殺しに来てるけどな!
一応、屋上に出る瞬間から今の今まで、さりげなく周囲の変化や違和感は見逃さないようにはしている。
まぁ、それでも限界はあるが…お隣で寛いでいるキメちゃんも反応してないし…いや、欠伸してるわ…オマエさんメカだよな?

> そういえば、一緒にバカンス行ってるミケも無駄に動物ぽかったしな…天才少女すげぇ。
でも、ネーミングセンスだけはどうにかした方がいいと思うんだが、そこはエルピスとナナに任せる。

「…しかし、当面まともに仕事が出来ねぇとなると、収入どうするかな…。」

居候とはいえダラダラしていい訳でもなし。家事に関しては兎も角、仕事の稼ぎが今の所0だ。これはマズい。

「…やっぱ、へそくりしてたドラゴンの牙とか爪とか鱗を売り払うしかねぇかなぁ。」

ちょっと幾つか”買いたい物”もあるので、その資金にも充てたいのだけど。
転移荒野でまた金になりそうな魔獣とか何かを狩る…いや、またドラゴン級のと遭遇したら死ねるな普通に。

三流剣士はそんなに強くないのだから、程々でも稼げる奴がいい。

> 混沌とした状況は面白いが、そろそろ変化が出てくれないと…御大層に【悪竜】と名乗った己が恥ずかしい。
まぁ、あの時は旦那のノリに充てられてつい調子に乗った自業自得が大だが。

「――そろそろイカれた奴の一人や二人、連中から出てもおかしくない気はすっけど…。」

――そうなると、静観してる誰かも動き出すのだろうか。それとも放置か様子見だろうか?

「ま、俺はせいぜい楽しく三流の悪役として踊るとしますかね。」

ギフトを得た連中から見た…分かり易い”敵役”として。
――踊れ踊れ、必死にならねぇとわるーいドラゴンがお前らの全部を食い殺すぞ。

―――パンっ!!と、小気味の良い音が一つ。流石に隣でまったりしていたキメちゃんも顔を上げて少年を見る。

「――クソったれ。亡霊みたいに纏わりつくんじゃねぇよ気持ち悪い。」

おそらく、誰にも意味が全く分からないだろう独り言を漏らす。先ほどの音は己の頬を叩いた音だ。
あ、と我に返ればキメちゃんへと顔を向けて苦笑い。「悪い悪い、何でもねぇよ」と誤魔化して。

> いかん、割と本気で自分の頬を平手打ちしてしまった。グーパンだったらもっと情けなくなってた。
キメちゃんが何かじーっと視線で圧を送ってくるんだがマジで何でも無いですから!と、やり過ごしたい俺。

(…ま、調子に乗って痛い目を見るのは定番だからなぁ。せいぜいそうならないようにせんと。)

どんなに格好付けても、悪役としても剣士としても三流なんだから。
煙草を何時の間にか吸い終えていたので、吸殻はポーイ!したいたがキメちゃんの視線が痛い。
なので、渋々と携帯灰皿に吸殻は押し込んでおきまして。軽く伸びをしつつ。

「んーー…夕飯どうすっかなぁ。迂闊に外食してまーた追いかけっことかなるのもアレだし。
…つっても、冷蔵庫の中身はそろそろ補充しとかないとアレか…賞味期限が近いのも幾つかあったし。」

今日の俺の晩飯はそれを先に消費してしまった方が無駄も無いか。買い物は明日にしても問題あるまい。

> さて、そろそろ中に戻ろうか。「おーい、キメちゃん戻ろうぜ。」と、声を掛けつつ。

「夕飯は久々に煮込み系にするかな…時間掛かっても本日はお一人様だし。」

なんて、夕飯の献立を考えつつ、また器用に屋上から窓に至れば事務所内へと戻っていくのだった。
あと、キメちゃんもしっかり後に続いてきた…マジで完全に懐かれてしまっている…何でだ。

ご案内:「『数ある事務所』 屋上 」からさんが去りました。