2024/09/20 のログ
ご案内:「違反部活『暴虎会』拠点」に『姫鴉』さんが現れました。
ご案内:「違反部活『暴虎会』拠点」にノイズさんが現れました。
■『姫鴉』 >
此度も、学園都市に夜の帳が下ろされた。
落第街の一角にある廃ビル。
本来の使い道を忘れ去られた灰色は、
静謐の中に鎮座していた。
深更の黒は辺りを塗りたくっているが、
月は等しく、この学園都市に朧気な光を齎す。
そこがどのような深淵の中にあったとしても、だ。
月に照らされ、廃ビルを見上げる一つの影が浮き彫りになる。
闇に溶け込む漆黒の髪に、何処か蠱惑的な猫の如き、丸い金の瞳。
黒のコートを纏ったその人物は、
廃ビルの入口の前でその足を止めていた。
――近頃妙な動きをしてるって話だけは聞いてたけれど。
人の気配が全然ないじゃない。
以前に此処へ潜入した際には、もっと活気があった。
通り過ぎる度に、騒がしい男たちが喚いているのを聞いた。
ところが今は、音も、人の気配も、何もない。
今夜は、出払っているのだろうか。
或いは、知らぬ間に拠点を移したか。
――楽観が過ぎる。
やけに生暖かい風が周囲に吹いているように感じる。
それに――
昨晩抱かれた男の言葉を思い出す。
『暴虎会』のリーダーである男、霞田 豪。
これまで暴力でしか物を語れなかった男が、魔導書なぞを持ち歩いて、
何やら落第街内で人攫いに執着しているらしい、と。
つまり、この場では既に事が起きているようだ。
目を閉じ、逡巡。
ややあって、口を開く。
いつもは単独で動くのが常だが、
今宵は相棒を引き連れている。
らしくない、のは。誰よりも自分が十分理解している。
『出てきてくれますぅ?
これ、やっぱり私だけじゃ手に負えないかもなんで』
■ノイズ > 深淵の帳が学園を包んで数刻ほど時がたち
落第街はいつも争いや諍い喧噪の坩堝と化す。
静謐の中でも数多の勢力が鎬を削りいくつも生まれ同時に飲み込まれることこの上ない。
月明かりに照らされる見上げし影がもう一つ増える。
決して闇に溶け込むことを拒むような月明かりに似た色合いの髪に同色の瞳。
恰好は落第街にいそうな服装を纏うその者は、
さも普通に暗闇の向こうからゆっくりとした足取りでやってきたのだった。
常日頃は孤高にして単体行動を主にする元狙撃手。
呼び出しによって今回は相棒役としてやってきた。仰々しい弓矢を装備したその者は、
姫鴉の方をちらりと見てから、すこぅし考え口を開く。
『सर्पः भविष्यति वा किं वा बहिः आगमिष्यति ?』
『जापानीभाषा श्रेष्ठा वा ?どちらでも構わないよ。』
多言語による言葉を使いつつも現れたその者は廃ビルを前にして
緊張をほぐすようにどちらの言葉がよいかと問うた。
■『姫鴉』 >
「その響き、サンスクリットですかぁ?
正直なところ門外漢なんですが――」
声に応じて遅れてやって来たその人物を見て、
女は蛾眉を僅かに下げる。
そうして目を細めた後に、顎に手をやり少し考え込む様子を見せて。
棘をすっかり抜いたような悪戯っぽさで、にこりと笑う。
「――ええと、यथेष्टम्?」
軽妙な声色でそう返しつつ、その人物のことをしっかりと見やる。
『ノイズ』。その名くらいは識っている。
自分と異なり、戦闘を得意とするタイプの人物で、やり手であることも。
それ以上のことは識らない。
こちらや、彼女のようなタイプの公安委員は、互いに干渉しないのが常だ。
ただ、既に事が起きていたとするならば、自分一人では手に負えない
この状況を打破するだけの鍵になり得る人物であると認識している。
「さっさと風紀に渡しても良いんですが……
下手に時間を置くと、厄介事が増えそうな気配もしますからねぇ」
既にノイズへは、先の『暴虎会』に関する情報を伝達している。
故に、彼女も十分にこの先に潜むものの危険性を理解していることだろう。
「状況確認、しましょうか。
荒事になったら、お願いしますよ、『ノイズ』」
そう口にして、『姫鴉』は廃ビルの入口の奥へと入っていった。
静寂の闇の中へ。
■ノイズ > 「古代インド語ですね。
最もヒンディー語の方が宜しければそのように致します」
東南アジア系の言語もいけるしその他の言語幾つか使っても違和感ないように努める。
おや、と少し驚いたようにしたのは梵語で語り掛けたら梵語で返ってきたから。
この常世でも梵語を使う者がいたとはという驚き慄きを経て瞬きを暫しした。
「生半可に使うと言霊として発動してしまうのでやめておきます」
媒体とか必要ないので声とか言葉で魔法とかが発動してしまう口なので、
喋って念じるだけで意識さえ持っていけば魔法が魔法として動いてしまう厄介さがある。
『姫鴉』、公安委員としての認識は深くはない、お互い潜入捜査が得意と聞くが、
その特務上 深入りをすると危険ということで任務以外はつるむ事はない。
任務上単体行動をしている理由は 集中したいからという言う理由で単体になっているだけで
実際問題は他人を巻き込みたかないという謎の決まりを自らに課していたからだった。
「古巣か。とっととやってしまおう。」
事前に情報は姫鴉よりもたらされている。新鮮味溢れる情報に
舌舐めりをしつつ、危険度溢れる廃ビルに何が蠢くか心躍るのであった。
「了解。自重は心がける」
姫鴉にそう返事をすると廃ビルの裏口から入っていく。
一緒には行動はしない、一緒に動いてもいざとなったら荒事担当はこの身だからだ。
彼女を守るうえで潜入探索は単体で。
■『姫鴉』 >
「……この先、日本語で問題ないかとは」
相手は、暗号代わりに多言語を使用しているのだろうと判断した。
その上で、この先は日本語で問題ないと姫鴉は口にする。
その表情は真剣そのものだった。
「ええ、貴女にとっては古巣でしたか。
貴女が古巣にどのような感情を抱いているかは知りませんが……
私としては迷惑かけたくないところなので、頑張ろうかなって思いますよ、
って――」
――裏口へ回った。なるほど?
今回の件で組みはするが、
あくまで有事までは単独行動をとるということだろう。
公安委員会であれば仕方がないところであろうか。
風紀委員ならば、こういった連携も楽なのだが。
『さて、聞こえてますぅ?』
事に備えて渡していた通信機器を耳に嵌めて、ノイズへ向けて通信を行う。
口は開くが、音は発されない。公安から支給されている、
オモイカネを通した潜入用のガジェットである。
廃ビルのエントランスを進んでいく。
やはり、人の気配はない。
『まるでゴーストタウンのビルですねぇ。
人っ子一人居ませんよ。そちらはどうですぅ?』
そのように問いかける姫鴉。
■『姫鴉』 >
さて、裏口はといえば。
やはり人気は無いのだが、表口よりも更に湿っぽい空気に包まれることだろう。
そして微かに――血の香りが鼻をつく。
近くには動かなくなっているエレベーターがあるのだが、
その扉の前の空間に、血痕が残されているのが見えるだろう。
その血痕は、どうやら少しだけ奥にある階段へと続いているようだ。
このビルに地下はない。二階に続いていっているようだ。
■ノイズ > 「…了解」
言葉は少なめになってきた、元々はお喋りではないので
姫鴉とは違い肯定を示す時は無言であった。
言葉は少なめ、表情も硬めであり黙々と任務にあたる様は仕事人。
裏口の方へと回っていくのは 一緒に組んで一網打尽になったら
終わりではと思って事が起きるその時までは単独。
元風紀の時も割と単独行動であったが、公安にいても敢て囮役になる事が多い。
秘匿所属としては正規委員の撤退時や二人組になる際に危険な場所は己へ、安全な場所のお仕事は相手へ。
『聞こえている clear』
秘匿通信が姫鴉より来た。
慣れないガジェットだがこれは便利な代物だった。
口は動くも音は発しなくても繋がるとか便利なものが出たのかと感心はした。
む、血の香りが漂うなここは。どこか湿っぽく血痕が見える。屈んで地面を触る。
血は乾いているのと濡れているのは触らなかったあくまでも地面だけを触り。
『血の香りが漂う。動きのないエレベータがありその前に血痕が落ちている。
血痕は…階段の方に続いているようだ。何かはいるようだ
階を一つ上がるぞ。』
血痕があるということは何かが起きていたのではと思い、
いつでもやれるように弓を持ち直し矢を一本筒から抜いた。
音をたてぬように慎重に階段へと通じる扉を開閉するようにドアノブを回し
ー血痕が点々と滴り落ちた階段をゆっくりと上がり始める。
■『姫鴉』 >
――上を通して紹介しては貰いましたが、成程。
こちらの動きやすさを重視して立ち回ってくれる方を寄越してくれた訳ですか。
相変わらず、人の気配はしない。
それでも角に身を滑り込ませながら、慎重に先へと進んでいく。
埃と朽ちた匂いが漂っている灰色の道。
静寂の中、姫鴉は一歩一歩、
そこに地面があるかないかを確かめるかのようにゆっくり進んでゆく。
奥に進むにつれ、感じる血生臭さに顔をしかめる姫鴉。
暗闇の中で、猫の瞳が細められていった。
中央に設えられた、白いカウンター。
かつては此処で接客が行われていたのだろう。
今や見る影もないそのカウンターの上。
そこには、赤色が塗りたくられていた。
一瞬、無造作にぶちまけられた血液に見えたそれであったが、
しっかりとライトを照らしてみれば、
それが文字の形をしていることを理解するのに時間はかからなかった。
『ノイズ、エントランスに血文字がありましたぁ。
……これ、風紀どころか、やっぱり本格的に祭祀案件ですかねぇ』
その内容を頭に入れつつ、
発音することは憚られたので、
端末に血文字の写真を添付し、ノイズへ送信しておくこととした。
■『姫鴉』 >
O tenebrae antiquae, audite vocem meam.
Per sanguinem et ignem, aperite portas inferni.
■裏口 >
さて、階段を上がっていくのであれば。
血痕は途切れることなく、上へと続いているようだ。
一つや二つではない。気づけば、数多の血が階段や壁に
こびりついていることに気がつくだろう。
その殆どが既に乾いたものではあったが、
人間一人分、かなり新しいものがあるように見える。
■ノイズ > 敢て目立つ色合いで物陰に隠れる事はないが
足音などは消して動く事を常としている。気配は1人分を辛うじて保つ。
階段をゆっくりとしつつ僅かに軋むことなく一歩一歩上がっていく。
『気になるのは 血を流した者は生きているとは思えない量である。
一歩一歩進むたびに血の量が増えている。 む これ新しいな』
階段の色が変わってきたぞ、壁やら階段に夥しい血がこびりついて匂いが尋常ではない。
先程まで流れていただろう人一人分の血が新しい事。これ もしかして。
『…祭祀局。表側で我所属先の案件ですか…了解』
『文章口に出すにも悍ましき。正しい判断感謝。
これは呼び出してはならぬものを呼び出した哀れな言葉。
つまり 生贄をもって呼び出したのがいることになる。
姫鴉 覚悟せよ 地獄の門は開かれた』
化け物には化け物をぶつけろとか正気の沙汰か?
媒体は持ち帰らないとならぬ、問題はなにものかはお帰り頂くか討伐を視野にしなければならぬ。
何処まで血痕というか血は流れてきているのか。
■『姫鴉』 >
「いやぁ、祭祀関連は門外漢なんですが、
こういうの口にすると碌なことにならないって
映画でよく見ましたからねぇ」
ネクロノミコンの呪文を読んでしまって、
ゾンビパニックに陥る映画のワンシーンを思い出しながら、
姫鴉はノイズの言葉へ応答する。
その後、ノイズの口調が変わった。
どうやらこういった案件の対処について、ノイズは本職としているらしい。
「専門家が居るとあらば、心強いですねぇ」
上が提示した、この人選にも納得がいこうというものだ。
「かなりの知識がなければ、魔導書を読み解いて……
召喚を試みる、なんて行えませんよねぇ……?」
霞田にそのような知能があったとは思えない。
別の何者かがこの惨状を引き起こしたか、入れ知恵か、或いは、やはり――
――ギフトですかねぇ。
■裏口 >
階段を登っていけば、その血痕が3階まで続いていることが分かる。
そのまま進むのであれば、階段を登った先、最も手前の部屋――
そこは開かれている――まで、血の道が続いていることが分かるだろう。
その先からは――祭祀局の者であれば分かるだろう。
邪悪なるモノの気配を感じる。
無論一旦引き返すこともできるだろうが、判断はノイズ次第だ。
■ノイズ > 『媒体が必要な人間が口に出すと魂が持っていかれる。
等価交換とか言う比ではない、つまりはそういうことである。
映画とやらは現実ではないが 今見ているのは現実なのだが』
口に出すのも悍ましき言葉を端末を通して眺めてしまった
SAN値異常値とかえげつないではないか。その手の映画を見る事はない身からすると現実が一番怖いと目を細め。
姫鴉からの通信を冗談抜きに徐々に本職じゃないかと頭を抱えたくなった。
『もっと専門家はいるだろう…2階じゃないな、上だな』
2階に上がって上を睨むように見上げた。
ヤバい気配がひしひしと感じる、邪悪なる存在がそこにいるそんな感じがする。
『待機。このまま進むと即戦いになる。
魔導書が意志を持っている場合だが、読み手が読みやすいようにし
召喚を試みる=生贄として喰らってしまうのであれば知能なくてもいい。』
『魔導書から呼び出したのは何かであれば…エネルギー供給源が書物だ。
異世界からの化け物なりが受肉している場合、魔導書と化け物と仮定したものを切り離してしまえばよいので
どのみち 討伐が必須。姫鴉の指示次第。』
ここで放置して見ろ、廃ビルから飛び出して落第街に新たな化け物が追加されてしまう。
割と魑魅魍魎な落第街が一層 化け物と治安悪い街としてなってしまう。
それは避けなければならない。祭祀局のものとしては見逃すのはありえない。