2024/12/30 のログ
快活そうな少女 >
「ん、そうなんだ。作品は分からないけど……作り込まれていて、とってもいいね!
 ……でもそっちのキミはリズム的におとこのこだよね。おんなのこみたいな部分もあるみたいだけど……。」

 快活そうな少女はじっ、と乗り出してエルピスを見つめる。
 エルピスは恥ずかしそうに視線を逸らしてから頷いた。

「CDはアンティークみたいなものだけれど……
 ……ん、毎度あり! 映像版のCDとVR版の汎用光ディスクの二つでいいよね?」

 と言いつつも、代金を受け取りながらCDと光ディスクを手渡す。
 光ディスクは常世島で流通している、比較的多くの機器で読み込みやすい規格だ。

「ちなみに、何の作品のキャラクター?」

アクアマリン(イーリス) > 「ほんとに、衣装の出来が凄くいいんですよね。お陰で私も楽しくコスプレできます。衣装をつくるのがとても上手い人なんですよ」

えるぴすさんがおとこのこと見抜いて目を丸くする。

「リズムでえるぴすさんがおとこのこかどうか分かるのですね!? 音楽の才能、すごいです……!?」

CDと光ディスクを受け取った。

「ありがとうございます! そういえば何度か部室にお邪魔していますけど、あなたのお名前聞けてなかったです。私の事はDr.イーリスとお呼びください。こちらは、エルピス・シズメさんですね」

微笑みながら自己紹介をした。

「『ファンコレ』っていうシリーズの、私はアクアマリン、えるぴすさんはファイアークォーツですね! このキャラです!」

スマホを取り出して、ファイアークォーツとアクアマリンがふたり描かれている画像を見せる。

快活そうな少女 >  
「うん。厚みと布の凝り具合が凄く伝わってくる、素敵なお洋服!
 ここまで作りこめるの、すごいなー……通販の量産品の安物じゃ絶対に出来ない表現……」
 
 うんうん、と頷いている。
 少しだけニュアンスが妙なものの、イーリスが才能を訊けばその答えは出る。

「音を通してだいたいのものは分かるよ!
 上手く説明できないけど……だいたいのものにはリズムやパターンがあるからね!
 それでなんとなく分かるやつ!」

 ぐっ、と自慢げにサムズアップの仕草。
 説明が曖昧だが、音の基となる振動から多くの要素を認識出来る才能らしい。
 一芸が極まった結果の技能のひとつ。

 
「エルピス君と、イーリスちゃんだね。うん、よろしく!
 そう言えば名乗ってなかったね。えっと……HNはそこに描いてある通りMAKOで、名前は天貴星 真琴!
 活動の時は、MAKOって呼んでくれる方が嬉しいかも?」

 活動名と本名、二つの名前を名乗る。
 活動中はHNの方が嬉しいらしい。

「『ファンコレ』って作品の子なんだ。どれどれ……ん、確かに二人にそっくり! じゃなくて、二人ともそっくり!
 最近は色んな作品があるんだねー……。」

アクアマリン(イーリス) > 「手作りだからこその拘りの深さやつくり込みってありますよね。《第三十二黒魔術研究会》という部活の方々がつくってくださったのですよ」

微笑みながら、くるっと軽やかに一回転して、衣装を靡かせる。

「とにかく、リズム聞いて色々把握できるのですね。こ、これが本物の天才という事ですね……! 私の年齢とか分かったりしますか?」

ちょっとだけいじわるな質問かもしれない。
イーリスの年齢は14歳。でも外見年齢は紛れもなく10歳。
ただし、イーリスは改造人間。生物部分があるとは言え、機械部分もある。その僅かなリズムの差はあるだろうし……イーリスもそこまで考えて自身に改造を施したわけでもない。

「MAKOさん、真琴さんですね! よろしくお願いします!」

描いてあるHNも眺めて、にこっと笑みを浮かべた。

「ふふ、ありがとうございます。それでは私達は行きますね。MAKOさん達の作品がとても楽しみです。また部室に遊びに行きたいです」

MAKOさんに笑顔で手を振り、エルピスさんと共に幻実現想演奏同好会のブースから去っていく。

「MAKOさんと仲良くなれて嬉しいです。次はメタラグの方行ってみませんか?」

楽し気に歩いているイーリス。
そっ、とえるぴすさんの右手を繋いだ。

快活そうな少女 >   
「んー……3か月、じゃない筈だし……。
 4年でも変だし……それなら……うううん……15?」

 流石に少し困惑したらしい。
 困りながら、自信なさげにイーリスの年齢を答える。

「うん。活動はこれからも続けていると思うから、また聴いたり来てたりしてくれると嬉しいな!」

 手を振り、エルピスとイーリスの二人を見送る。
 振り返ってみれば、時折来るお客さんや知り合いと楽しそうに談笑している姿が見られる。

アクアマリン(イーリス) > 「ふふ、少しいじわるな問いになってしまい申し訳ないです。この前伝えた通り、私は改造人間ですからね。私を改造してから、4年が経ってます。10歳の時に改造したので、14歳ですね」

少しだけ意地悪気に微笑んでいた。
初対面の時に、電子五感持ちである事を伝えるためにMAKOさんには改造人間である事を伝えていたという点も加味すると、ちょっと意地悪な質問っぽくなったかもしれない。

ブースを去った後に振り返ってMAKOさんが談笑している姿には、イーリスも目を細めて微笑んだ。

ファイアークォーツ(エルピス) >
 『おとこのこだよね』と訊かれたあたりから顔を真っ赤にして放心気味だったものの、
 イーリスに声を掛けられることで意識を取り直す。
 提案を反芻して思い返せば、うん、と、頷いた。

「あっ、う、うん。そうだね。メタラグの方に行ってみよっか。
 ジャンルとして大きいから、確か大きく場所を取ってたはずで……でもここから近いみたい。
 このまま歩いていたら、辿り着きそう。」

 うん、と頷いて柔らかく微笑む。
 恥じらいの混ざった顔だけど、イーリスの楽し気な姿を見ればやっぱり嬉しい気持ちと楽しい気持ちが強まる。

 そのまま二人で歩いて行き、メタラグのフロアへ。
 途中で専門誌を抱えた見知った先生(リビド)の顔が見えたので、軽く会釈をしておく。
 漫画の類ではなく、専門分野の知識を纏めた類の同人誌を買い漁っているらしい。
 
「メタラグのエリアは……結構大きいね。
 ……えーと、手前の方が少しだけ空いているのかな、そっちから見てみよっか。」

 そう伝えて、そっとイーリスの手を引いてさりげなく寄せる。
 奥の方に進むにつれ、キワドい同人誌が多い配置になっていたのでそれとなく避けている。

アクアマリン(イーリス) > お顔真っ赤で方針気味だったえるぴすさんに、ふふ、と声を出して穏やかに笑う。
今のどう見てもおんなのこにしか見えない姿でおとこのこと看破されるのは、どうやらとても恥ずかしい事のようだ。

「あんなのこよりもとても愛くるしいおとこのこなのは、えるぴすさんのとても素敵なところです。そんなあなたが好きです」


始めてメタラグをしてから、イーリスは結構メタラグにはまっていた。
多分あの頃より、上手くなったとも思う。
途中、リビド先生とすれ違い、会釈。
専門分野の知識を纏めた類の同人誌には、イーリスも興味が出てくるけど、今の目的地はメタラグのエリア。

「さすがは大人気ゲームです! 確かに手前が空いていて、そちらから見た方がいいですね。奥の方は人が多いみたいです」

えるぴすさんが手を引いてくれて、イーリスは目を細めた。
奥の方にどのようなブースがあるかは、イーリスは気づいていなかった。
手前の方にあるブースに、イーリスは視線が向いている。

「こ、これは……凄いではないですか!? 見てください、えるぴすさん! メタラグの機体を再現された人間サイズのロボットです! わぁ……!」

それは特別機(スーパー)を再現したロボット。イーリスは瞳をきらきらと輝かせていた。
ロボットが配置されているブースは、ロボット系の部活も属しているらしい大手サークル。
行列であった。

ファイアークォーツ(エルピス) >  
「ものすごい完成度……
 ……見た目からして、材質もプラスチックじゃなくて本物の合金……。」

 今にも動き出しそうな人間サイズの特別機(スーパー)
 テーブルの上には製作日誌らしき同人誌も並んでいて、つい手に取ってしまう。

「ね、イーリス。製作日誌も売ってるみたい。値段もお手頃だし……買っちゃおうかな。」

 イーリスと顔を見合わせてから同人を手に取り、衝動買い。
 イーリスの指導のもと機械技術を学んだり工作を行うことも増えて
きたので、後学のため……
 ……と言うのもあるけれど、ついつい買っちゃったのも正直なところ。

「……気になったものがあるとお財布の紐が緩んでついつい買っちゃうのも、トコケットのすごいところだよね……。
 でもせっかくだし……たまには、こういうお買い物もいいのかな……?」

アクアマリン(イーリス) > 「合金……。私みたいに廃品を回収して原子をまぜまぜしたりして節約してないなら、お金も結構掛かっちゃってますよ……! しかも、動いてますので立派にロボットです!」

なんと、機体は動いている。
手を振ると、特別機(スーパー)は手を振り返してくれた。

「高性能なAIが搭載されていますね!? 凄い技術ですよ……!」

お目めを輝かせながら、イーリスも製作日誌に目がいく。

「製作日誌、ほしいですね!」

イーリスも衝動買いした。
これだけ凄いロボットをつくる技術、その製作日誌には凄く興味がある。

「そうですね、色んな人達が造った色んなものが売られていて、とても楽しいイベントです。また、来たいですね」

明るく満面の笑みを浮かべる。
そうして、トコケットはまだ続く。
えるぴすさんといーりすは、この楽しいサブカルチャーの祭典を余すことなく楽しむのだった。

年末の大イベントが終わり、程なくしてえるぴすさんといーりすは大晦日を迎える事になる。

ご案内:「トコケット会場」からファイアークォーツ(エルピス)さんが去りました。
ご案内:「トコケット会場」からアクアマリン(イーリス)さんが去りました。