2025/02/14 のログ
ご案内:「Gibson House 201」にネームレスさんが現れました。
ネームレス >  
「……これでよし、と」

祝すべき日。
宅配手続きを終えた帰りにも、すでに色々ともらってしまった。
とはいえ、この存在からすると、チョコの交換は異文化。
自分なりの祝福と感謝の示し方を済ませ、あとは生活委員会傘下の宅配部活に委ねる。

「これは――……直接渡すかな」

あとが怖いし――そう、贈り物の箱を見遣ってから、余り物のクッキーを口に含む。
楽曲制作が煮詰まっているところ、良い気分転換にもなった。
いろいろ消費した糖分を、クッキーとココアで補充しながら、
心地よいまどろみに、ゆっくりと身を浸す。

ネームレス >  
穏やかな夢を見る。
遠い遠い追憶の夢。

花束を贈る男と、嬉しそうにはにかむ女。
幸せそうな夫婦の肖像。
確かな愛がそこにはあった。

自分がそうなりたいと思ったことはない。
ただ、それを眺めていると、少し幸せだったのだ。
そのときはまだ、自分はそこの一員だったから。

ネームレス >  
自分の至らなさが、不出来が、
そんなあたたかくやわらかな日々を、自分が台無しにしてしまった。
幸福のすがたをした、過ちの象形。

拭えぬ罪に溺れながら、やがて夢はしんしんと凍っていく。
祝すべきこの日に、罰の痛みを噛みしめる。

言葉はしっかりと伝えなければ意味がない。
……すこしまえに、誰かに怒られたんだっけ。
そう思う。この日は、伝える日だった。

普段伝えられていない言葉も、きっとどうにか伝わればいい。
ソファに身を寛げながら、夢見る罪人はそう思った。

ご案内:「Gibson House 201」からネームレスさんが去りました。