2025/03/04 のログ
■緋月 >
「成程…そう考えると、始まりについては兎も角として、「それ」が行事として根付いた事は確かに凄い事ですね。」
想いを伝えるきっかけとなる行事。
あるいは感謝、あるいは信頼、あるいは友情、もしくはそれ以上を。
「そういう日だから」という「きっかけ」があるだけで、普段なら簡単に口に出せない事を、
言葉に出来る勇気が出せる日。
そう考えるのならば、悪い事ではないと言える。
かく言う少女自身、その風潮に乗らせて頂いている身なのだから。
「うみゅ…。」
ストレートなお言葉と共に頬をぷにぷにされれば、隠れていない顔の赤みがまた少し増す事に。
そんなこんなで書かれた文字は………まだ、少女の語学力だけでは読み解けない。
「……食べる前に、写真、いいですか?
誰にも見せませんので。」
姑息にも記録を残して、後で調べるつもりだ。
全く以て不器用というか何と言うか。
麗人の心、少女知らずである。
勿論断って悩んで貰うのも自由だが。
「あ、はい、いいですよ。
――といっても、また和菓子ですけど。」
包装紙を外して出て来るのは、筆文字で「うぐいす餅」と書かれた紙箱。
蓋を開けば、緑のきな粉をふんだんに被った、形の良い新緑のお餅が姿を現すだろう。
端っこが摘まれた独特の形状は小鳥を思わせる。
ご丁寧にも木製の黒文字までついていて、そのまま頂けるタイプだ。
■ネームレス >
「え、見せていいケド?
……撮りかた、わかる?真上からやりなよ?」
見せびらかしやしないと思ってるからか、にっこりと微笑んで肯定した。
真剣に考えてくれるらしい。直訳してもすこし寓意が含まれたメッセージ。
「んはは。この箱から洋菓子が出てきたら、さしものボクもびっくりだな。
なになに……うぐいす……もち。 鶯餅……おっ」
鮮やかな緑色がお出迎え。
眼を輝かせて、そして慌てて自分の口を手で覆った。
吐息でぶわっと飛散するタイプと見た。
そのまま顔を横に向けて、緋月のほうを見て……。
「ぷぁ。
……チョコペンでおめめとくちばし書きたくなっちゃうな。カワイイ。
黒文字さしちゃうまえに、ボクも撮ろっかな。
ウグイスってたしか――ちょっと鳴き声が独特な。日本の小夜啼鳥だっけ」
■緋月 >
「見せていいんですか。」
思わず突っ込み。それはそれとして。
「真上から、ですね…こう、して――――こうと。」
オモイカネを使い、慎重にピントを合わせて――パシャリという電子音。
ばっちりと全景を撮影できた。
撮るだけなら文字だけズームでも良かったのだが、幸い読み取れる大きさだったのと、
折角だから全部収めておきたいと欲が働いた。
そうしていると、箱の中身を確かめた方が息を我慢する様子。
失礼だとは思っても、少しだけ噴き出してしまう。
「はい、ウグイスの独特の鳴き声は春が進むと響くものですから。
そこから取って、春の贈り物やお祝いなどに使われるそうです。
昔はもっと茶色かったそうですけど、今は――こうして、見ての通りです。」
こちらも息を吹きかけないように注意。
緑色の和菓子は、確かに春先、あるいは春を待つ季節に食すには良いものだろう。
「お互い、慣れないと食べるのが大変そうなものになってしまいましたね。
小さく切って、そっと食べるといいですよ。」
きな粉を使った和菓子は、慣れないと吹き飛ばしてしまいそうなのは分かる所である。
焦らずそっと。このウグイスはお菓子なので、飛んで逃げたりはしないのだ。
そして少女も、大きなクッキーを何処から齧るか少し悩む。
やはり端からそっと削っていくのが、割らずに済む食べ方だろうかと考えつつ。
■ネームレス >
「…………すげーな、緋月が時代に追いついてる!」
真顔で賞賛した。もちろんジョーク。
携帯電話にカメラが搭載されたのは、五十年も昔の話なのだ。
問題なくシャッターにおさまったことだろう。
「一年中声が響いてるボクの勝ちってコトでイイよな」
ぽちり。こちらもいい感じにシャッターにおさめた。
可愛らしいうぐいす餅に満悦そうにしつつも、はたと顔を向けて。
「なるほど、小夜啼鳥ってよりは……春告げの駒鳥なワケだね。
どれどれ……わぉ! 緋月、うぐいすが二羽になっちゃった!
さっきのみたいにもちもちしてるのかと思ったけど、すっごく柔らかいや」
するりと黒文字が入っていく求肥の柔らかさに声をあげ、きゃらきゃらと笑う。
ぱくり、と一口賞味すると、上品な甘さに舌鼓。
「んー♪ 美味しい。……あ、苦いかと思ったけどしっかり甘いや。お茶にもよく合う」
思い悩む少女の横で、めでたい贈り物は大層、お気に召したらしい。
■緋月 >
「カメラ機能くらいは使えておいた方がいいと言われたので。
頑張って覚えました…!」
ジョークには大真面目な返し。
実際、覚えたら記録に残すのが楽になったのでとても助かっている機能だ。
こうして食べる前に、プレゼントの姿を残して置く事もできる。有難い。
「ええ、お餅とは言いますけど、求肥…普通のお餅より柔らかいものを使ってますからね。
流石に生ものなので早く食べる必要はありますけど、硬くなったりしないでずっと柔らかいままなんです。」
簡単に切れるでしょ、と補足。
柔らかいのが気に入ったなら、今度は御茶請け用に羽二重餅でも買ってこようかと考える少女。
求肥が100%なのでとても柔らかいのだ。
「――さて。では失礼して、ここから!」
ようやく意を決して、ハートの片側に狙いを定め、さくりと口を付ける。
「~~~~~っ!」
口にすれば、確かな歯応えの後にほろりと口の中で崩れる感触。
和菓子とは異なる甘味もたまらない。
言葉にならない満足は表情にこれでもかと言わんばかりだ。
そうして、まるで栗鼠か何かのように、さくさくと割らないよう慎重に食べ進めて行く少女であった。
普段の食より時間はかかるが、ハートを割る事なく、しっかり綺麗に食べ切る事だろう――。
■ネームレス >
「キミ、いつも全力だよな。そーゆーとこスキ」
どうしても年下というか、わんこというか――そういう眼で見てしまうところもあるけれど。
頑張って砕かぬように食べている心尽くしが、異文化、異郷を思わせて。
遠い相手だからこそ、得られているものも実感する、が――……
(なんか……)
なにかを思い出す、ような……。春……。
「……グラウンドホッグ。
冬眠から目覚めたそいつが、自分の影にびっくりして巣穴に引っ込んだら。
きっとまだまだ、寒い冬は続いてしまうだろう。
でも、そいつが元気に外に出てきたなら、暖かな春はもう眼の前だ」
ガラスのカップを手に、一口。ちょっと水分が足りなくなったくちのなかを潤して。
そんなふうに、厳かに語るのだ。
「そんな天気占いを、ボクの故郷では春が来るころにやってたんだ。
民間伝承みたいなもんだケド、なんかそろそろ暖かくなる気がしてきたよ」
少なくとも、もうこの場は暖かな空間だったかもしれない。
今までの、そして常日頃の感謝を交換し――その丈の程あらばこそ、ハートは割れる事がなかったのかもしれない。
「これからもよろしく」
■緋月 >
「グラウンドホッグ。」
聞いた事のない動物の名である。
濁点が多いので何となく大きそうなイメージが付いてきた。
「国の数だけ文化があるんですね…。
春が目の前…となると、それこそウグイスみたいです。
それこそ、春告鳥なんて呼び名もある位ですから。」
そんな事を思い出してみたり。
郷で得られた、少ない文化に関わる知識だった。
生憎とその声を聴く機会は皆無に等しかったのだが。
「もう暫くすれば、此処でウグイスが鳴く声も聞こえて来るんでしょうか。
その日が早く来ればいいですね。」
釣られるように、少女もカップの中身を一口。
甘いものを食べているからこそ、合間のお茶の味が大きく引き立つ。
さながら、バランスを取るかのように。
「こちらこそ、です。これからも、よろしく。」
ご案内:「Gibson House 201」からネームレスさんが去りました。
ご案内:「Gibson House 201」から緋月さんが去りました。